未経験からITエンジニアに転職できる?現実と成功する方法を徹底解説

未経験ITエンジニア転職の現実:結論から言う
未経験からITエンジニアへの転職は可能だ。ただし「誰でも簡単に」ではない。正しい準備をして正しい求人に応募した人が成功している。
経済産業省「IT人材需給に関する調査(2023年)」によれば、2030年時点でのIT人材不足は最大79万人に達すると予測されている。この人材不足は未経験者にとってのチャンスだ。企業は即戦力だけでなく、「育てられる素材」としての未経験者採用に積極的になっている。
ただし無策で転職活動を始めても採用されない。エンジニア転職には「スキル習得→ポートフォリオ→求人選定」という正しい順序がある。この順序を守ったかどうかで、同じ未経験者でも内定率が大きく変わる。
この記事では以下を解説する。
- 未経験ITエンジニア転職の現実(内定率・年収・難易度)
- どの言語・職種から始めるべきか
- スキル習得の最短ルートと学習コスト
- 採用担当者がポートフォリオで見ているポイント
- 転職活動での失敗パターンと回避法
未経験ITエンジニアの内定率と現実の数字
未経験者の内定率
転職支援各社のデータを総合すると、プログラミング未経験から独学のみで転職活動を始めた場合の書類通過率は約10〜15%、内定獲得率は5〜8%程度とされている。一方、プログラミングスクールを修了してポートフォリオを作成した上で転職活動を始めた場合、書類通過率は25〜35%、内定獲得率は20〜30%程度に上がる。
この差を生む要因は「ポートフォリオの有無」と「スキルの客観的な証明があるかどうか」に集約される。
未経験エンジニアの初任給
未経験エンジニアの初任給は職種・企業規模・地域によって以下の差がある。
- SESエンジニア(客先常駐):月給20〜25万円(年収240〜300万円)
- Web系企業のWebエンジニア:月給22〜28万円(年収270〜340万円)
- SIerの社内SE・開発:月給23〜28万円(年収280〜340万円)
- スタートアップのフルスタック:月給25〜32万円(年収300〜385万円)
転職後2〜3年で実力をつけた場合、年収500〜600万円のエンジニアは珍しくない。ITエンジニアは経験を積むほど年収が上がりやすい職種の代表格だ。
未経験でなれるITエンジニアの職種一覧
ITエンジニアは多種多様な職種に分かれる。未経験者が最初に目指しやすい職種と、難易度が高い職種を整理する。
未経験歓迎・比較的入りやすい職種
- Webエンジニア(フロントエンド):HTML/CSS/JavaScriptを使ってWebサイトの見た目・操作性を開発する。独学でポートフォリオを作りやすく、未経験転職の王道ルート。
- インフラエンジニア(サーバー・ネットワーク):サーバー構築・ネットワーク設定・クラウド管理が主な業務。コードを書かない分、プログラミング習得が不得意な人でも入りやすい。LPIC・CCNAなど資格が武器になる。
- 社内SE:自社システムの運用・保守・ヘルプデスク・IT部門管理。現場でのIT業務経験があれば未経験でも採用されやすい。
- テストエンジニア(QA):ソフトウェアの品質検証・バグ発見が主な業務。プログラミングの深い知識がなくても始められる入門的な職種。
経験・スキルを積んでから目指すべき職種
- バックエンドエンジニア:サーバーサイドのロジック・API・データベース設計を担当。Python・Ruby・Java・PHPなどのサーバーサイド言語が必要。
- データエンジニア・データサイエンティスト:統計学・機械学習・SQLの知識が必要。理系バックグラウンドがない未経験者には習得に1〜2年必要。
- セキュリティエンジニア:ネットワーク・OS・アプリケーションの脆弱性診断・対策が業務。インフラ経験3〜5年後に移行するキャリアパスが一般的。
- 機械学習エンジニア・AIエンジニア:Python・統計学・機械学習フレームワーク(TensorFlow・PyTorchなど)が必須。数学・統計の知識がない状態からは1〜2年の学習が必要。
未経験がまず習得すべきプログラミング言語の選び方
「何の言語から学ぶか」は転職目標によって決まる。目標が定まっていない状態で言語を選ぶと、学習が無駄になるリスクがある。
Webエンジニア(フロントエンド)を目指す場合
HTML → CSS → JavaScript の順で学ぶ。この3つはWeb開発の基礎であり、全ての初心者が最初に触れるべき技術だ。JavaScriptまで習得できたら、ReactまたはVue.jsのフレームワークを学ぶことで市場価値が一気に上がる。
習得の目安:HTML・CSS(1〜2ヶ月)→JavaScript基礎(2〜3ヶ月)→React/Vue.js(2〜3ヶ月)。合計6〜8ヶ月でポートフォリオ作成まで到達できる。
バックエンドエンジニアを目指す場合
Pythonが最も学習者数が多く、教材・コミュニティが充実している。次点でPHP(WordPress・ECサイト系)、Ruby(Ruby on Rails)がある。
習得の目安:Python基礎(2〜3ヶ月)→フレームワーク(Django・FastAPI)(3〜4ヶ月)→データベース(SQL)(1〜2ヶ月)→ポートフォリオ作成。合計8〜12ヶ月が現実的なスケジュール。
インフラエンジニアを目指す場合
プログラミング言語より先に、Linuxの基礎操作・ネットワークの基礎知識を習得する。その後にAWS・GCP・Azureのクラウドサービスを学ぶ流れが標準的だ。
資格ルート:ITパスポート → 基本情報技術者 → LPIC-1(Linux) → AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)の順が定番。各資格を1〜3ヶ月で取得できれば、合計12〜18ヶ月でインフラエンジニアとして採用レベルに達する。
独学・スクール・BootcampのコストとROI比較
独学(費用1〜3万円)
- 費用:Progateサブスク(月1,078円)・Udemy(コース毎1,000〜3,000円程度)・書籍代を合わせて1〜3万円
- 期間:個人差が大きいが、フルタイム就労中の独学では12〜24ヶ月
- メリット:費用が最小。自分のペースで進められる
- デメリット:挫折率が高い(独学者の約70%が3ヶ月以内に挫折するとされる)。ポートフォリオの質がバラつく。
プログラミングスクール(費用20〜60万円)
- 費用:コースにより20〜60万円。教育訓練給付制度対象のスクールなら実質費用が20〜70%削減できる
- 期間:3〜6ヶ月(集中型)
- メリット:カリキュラムが整備されており、ポートフォリオ作成まで体系的に進められる。就職支援が付いているスクールでは内定獲得まで伴走してもらえる
- デメリット:費用が高い。スクールの質にばらつきがある(転職成功率・就職先の質を事前に確認する必要がある)
Bootcamp型(費用50〜100万円)
- 費用:国内では50〜100万円。海外Bootcamp(オンライン)は30〜70万円程度
- 期間:3〜6ヶ月(集中型・フルタイム)
- メリット:短期間で実践的なスキルを習得できる。卒業後のキャリアサポートが充実しているケースが多い
- デメリット:費用が最も高い。仕事を辞めて集中する必要があるため、生活費も考慮する必要がある
どれを選ぶべきか
20代・独学継続できる自信がある・費用を最小にしたい場合は独学ルートが有効だ。30代以降・転職を急ぎたい・費用より確実性を重視する場合はスクール利用が現実的だ。スクール選びの基準は「転職成功率(%)」「転職後の平均年収」「就職支援の内容(求人紹介・面接対策・ポートフォリオレビュー)」の3点を必ず確認する。
採用担当者がポートフォリオで見ているポイント
ITエンジニア転職において、ポートフォリオは職務経歴書より重要な書類だ。採用担当者・現場エンジニアがポートフォリオで何を確認するかを正確に把握してから作成に入る。
ポイント1:動くものが作れるか
「このコードを書きました」ではなく「このアプリケーションを作りました」という証明が必要だ。GitHubにコードがあるだけでなく、実際にデプロイ(公開)されていて動作確認できる状態が最低条件だ。Vercel・Netlify・Heroku・AWSなどを使ってデプロイする。
ポイント2:なぜそれを作ったのかが説明できるか
「学習のために作りました」ではなく「◯◯という課題を解決するために作りました」という背景が語れるポートフォリオが高く評価される。自分が実際に不便に感じていることをWebアプリで解決する、というテーマ設定が最も説明しやすい。
ポイント3:コードの品質(読みやすさ・設計)
現場エンジニアがGitHubのコードを読んで「一緒に働けるか」を判断する。具体的には、コメントの適切さ・変数名のわかりやすさ・関数の分割・エラーハンドリングの有無が見られる。スパゲッティコード(関数が数百行・変数名がa・b・cなど)は即評価が下がる。
ポイント4:GitHubの草(コミット履歴)
GitHubの「Contributions」欄のコミット密度は、学習継続性の指標として採用担当者に見られる。最低でも3ヶ月間の継続的なコミット履歴があることが望ましい。転職活動直前に一気にコードを上げても、コミット日付で「直前に慌てて作った」ことが分かる。
作るべきポートフォリオの数と内容
最低2〜3本のアプリケーションを作成する。1本は「機能が単純でも動く状態のシンプルなもの(ToDoアプリ・計算アプリなど)」で基礎技術を示す。2〜3本目は「CRUD機能(作成・表示・更新・削除)を持つWebアプリ」でデータベース連携・認証機能・外部API利用などの応用技術を示す。
未経験ITエンジニア転職でよくある失敗パターンと回避法
失敗1:学習だけ続けてポートフォリオを作らない
Progate・Udemyを全部終わらせてから転職活動しようとすると、1年以上学習だけで終わるケースがある。採用担当者が見たいのは「知識量」ではなく「動くものを作れるか」だ。学習を70%終えた段階からポートフォリオ作成を始める方が、転職活動の精度が上がる。
失敗2:SES(客先常駐)企業に入ってキャリアが止まる
SES(システムエンジニアリングサービス)は未経験者でも採用しやすい業態だが、客先のプロジェクトに常駐する形態のため、スキルの深化が客先の業務に依存する。同じ現場に3〜5年いると特定の技術しか身につかないリスクがある。SES入社を選ぶ場合は「どんな現場に入れるか」「技術研修があるか」「入社後のキャリアパスはどう設計されているか」を事前に確認する。
失敗3:給与の安さに飛びついてブラック企業に入る
未経験可・スクール推薦の「月給18〜20万円・残業100時間・エクセル・VBA作業しかない」という職場に入ってしまうと、転職2社目でのキャリアリセットが必要になる。入社前に求人票の残業時間・使用技術・開発手法を確認し、GitHubで会社のOSSコントリビューション・技術ブログを調べる習慣をつける。
失敗4:転職エージェントに任せきりにする
ITエンジニア専門のエージェントは有益だが、エージェントの利益(紹介手数料)は採用企業から得られるため、候補者に最適な求人ではなく「決まりやすい求人」を勧めることがある。エージェントは情報収集・面接対策・条件交渉のサポートとして使い、最終的な企業選定は自分で行う。
失敗5:年齢を理由に転職を諦める
「30代・40代では未経験エンジニア転職は無理」という思い込みは正確ではない。確かに20代より難易度は上がるが、30代でもスキルと実績を持っていれば採用される。特に前職でのビジネス経験(営業・PM・事業開発)をITに組み合わせた「ビジネス×技術の複合人材」としてのポジショニングは30代以降の強みになる。
未経験ITエンジニアの転職活動スケジュール
転職までの標準的なスケジュールを月次で示す。
0〜3ヶ月目:基礎習得とポートフォリオ着手
- 目標言語・職種を決定する
- Progate・Udemyで基礎コースを完了する
- ポートフォリオ1本目(シンプルなWebアプリ)の開発を開始する
- GitHubアカウントを作成し、毎日コミットする習慣をつける
3〜6ヶ月目:ポートフォリオ完成と転職活動開始
- ポートフォリオ2〜3本を完成・デプロイする
- 転職エージェント2〜3社に登録・面談する
- ITエンジニアの求人をリサーチし、気になる企業10〜20社をリストアップする
- GitHubの整理・READMEの充実化を行う
6〜9ヶ月目:書類選考・面接・内定
- 10〜15社に応募する
- 技術面接の対策(コーディングテスト・技術的な質問への回答練習)
- 内定後の年収交渉
ITエンジニア転職で評価されるための資格一覧
資格はスキルの客観的証明として有効だ。特にポートフォリオを作る前段階での採用に役立つ。
- ITパスポート:合格率50%前後。IT基礎知識の証明。転職には弱いが「学習意欲がある」ことの証拠として有効。
- 基本情報技術者試験:合格率25〜30%。エンジニア職への転職で評価される。アルゴリズム・プログラミングの基礎力証明。
- AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト):合格率60〜70%。クラウド人材として評価される。インフラエンジニア・クラウドエンジニアを目指すなら優先度高。
- LPIC-1(Linux Professional Institute Certification):Linuxの基礎操作・管理の資格。インフラエンジニア転職では必須レベルで評価される。
- Oracle認定Javaプログラマ:Java開発者向け資格。SIer・大手企業のJava開発ポジションへの転職で評価される。
転職後のITエンジニアのキャリアパス
未経験から入職した後、どのようにキャリアを積み上げるかを具体的に描いておく。
1〜2年目:実務でスキルの基礎を固める
担当プロジェクトのコードを読み込み、現場で使われている技術・設計パターンを吸収する。コードレビューへの積極参加・社内勉強会への参加・GitHubへの個人コントリビューションを継続する。
2〜4年目:専門領域を選び深掘りする
フロントエンド・バックエンド・インフラ・データ・セキュリティのいずれかに専門性を絞る。専門書を月1冊読み・技術ブログを発信し・OSSにコントリビューションすることで市場での認知度を高める。年収400〜550万円のラインに到達するのが目標。
4〜7年目:テックリード・スペシャリストへ
チームの技術的な意思決定を担う「テックリード」か、特定技術の第一人者的な「スペシャリスト」どちらかのポジションを目指す。年収550〜750万円のラインに到達できる。
7年目以降:マネージャー・CTO・フリーランス・起業
エンジニアマネージャー・VPoE(VP of Engineering)・CTO(最高技術責任者)というマネジメントルート。または技術力を活かしたフリーランス・業務委託(時給5,000〜15,000円)・スタートアップ創業というルートも現実的だ。
未経験ITエンジニア転職に関するよくある質問(FAQ)
Q:文系・非IT出身でもエンジニアになれますか?
なれる。現役エンジニアの中に文系出身者は多く、Webエンジニア・社内SE・テストエンジニアは文系出身者の転職実績が豊富だ。数学・統計が必要なデータサイエンスやAI系は理系バックグラウンドが有利だが、Webエンジニア・インフラエンジニアであれば文系でも習得できる。
Q:何歳まで未経験エンジニアとして採用されますか?
一般的に未経験採用の上限は30代前半(35歳前後)とされるケースが多い。ただし「未経験」と「完全スキルゼロ」は異なる。前職でITツールの活用・業務改善・データ分析などに関わっていた経験があれば、35歳以降でも採用されたケースは存在する。年齢が上がるほど「なぜエンジニアになりたいのか」の説明と、具体的なポートフォリオの質が採用の鍵になる。
Q:プログラミングスクールは必要ですか?
必須ではないが、独学で挫折した経験がある人・30代以降で早期転職したい人・ポートフォリオの質を上げたい人にはスクール利用を推奨する。費用は教育訓練給付制度を使えば実質20〜30万円程度に抑えられる。スクール選びでは「転職成功率」「転職後の平均年収」「就職支援の内容」の3点を必ず確認する。
Q:転職後の年収はどのくらいになりますか?
未経験入社直後は年収240〜340万円程度が多い。ただしこれは入口の数字だ。2〜3年で実力をつければ年収400〜500万円、5年後には年収500〜700万円に到達するエンジニアは多い。前職の年収が300万円程度だった場合、エンジニアとして5〜7年後に前職年収の2倍超えは現実的なシナリオだ。
Q:転職活動にはどのくらいの時間がかかりますか?
スキル習得から内定まで最短で6ヶ月、平均的には8〜12ヶ月が多い。在職中に転職活動する場合は12〜18ヶ月かけて着実に進める方が質の高い転職になりやすい。急ぎすぎてスキルが不十分な状態で転職すると、条件の悪いSESに入るリスクがある。
まとめ:未経験ITエンジニア転職は「準備の質」で決まる
未経験からITエンジニアへの転職で成功している人と失敗している人の差は、準備の量より準備の質にある。この記事の要点を3点に集約する。
- 職種と言語を先に決める:フロントエンド・バックエンド・インフラという職種を先に決め、その職種に必要な言語・技術を習得する。目標なき学習は時間の浪費だ。
- ポートフォリオが全て:採用担当者に「この人は動くものを作れる」と判断させる材料はポートフォリオしかない。動作するWebアプリを2〜3本作ってデプロイするまでが転職準備の本体だ。
- 転職先の見極めが長期年収を決める:SESか自社開発か・使用技術・チーム文化・成長機会の有無が転職後3〜5年の年収を大きく左右する。条件より「3年後に何を習得できるか」で企業を選ぶ。
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未経験エンジニアが入社後に成長するための具体的な行動指針
転職後に「思ったより成長できない」と感じる未経験エンジニアの多くは、学習の仕方に問題がある。入社後に確実に成長するための行動指針を示す。
入社後1ヶ月:コードを読む量を最大化する
入社直後にやるべき最重要タスクは「既存コードの読解」だ。自分が書くコードより先に、プロジェクトで稼働している既存コードを全て読む。分からないコードは「なぜこう書いているのか」を先輩に聞く。この習慣が3ヶ月後の生産性を決定的に左右する。
コードを読む際は「このコードが何をしているか」ではなく「なぜこう設計されているか」を問い続けることが成長を加速させる。
入社後3ヶ月:アウトプットで理解を定着させる
学んだことを技術ブログ(Qiita・Zennなど)やチームの社内Wikiに書き残す習慣をつける。書くことで理解が整理され、チーム内での「勉強熱心な人材」という印象形成にもつながる。週1本の技術記事投稿を3ヶ月継続できれば、転職市場での認知度も上がる。
入社後6ヶ月:コードレビューで自分の認識のズレを把握する
先輩からのコードレビューのコメントを全て記録する。「なぜこの書き方を指摘されたのか」を理解するまで調べることが技術力向上の最短ルートだ。同じ指摘を3回以上受けた場合は「自分の癖」として意識的に修正する。
ITエンジニアの年収を最大化するためのキャリア戦略
戦略1:技術ブログとOSSで「見える化」する
エンジニアの市場価値は「GitHub・技術ブログ・OSSコントリビューション」で可視化される。定期的なアウトプットを続けることで、転職活動なしに企業からスカウトが来る状態を作れる。技術ブログを月2〜4本・GitHubのコミットを毎日継続するだけで、2〜3年後には年収オファーが変わってくる。
戦略2:フリーランスとの二刀流で年収1,000万円超えを狙う
実務経験3年以上のエンジニアはフリーランス案件(業務委託)を副業として受ける選択肢がある。クラウドワークス・ランサーズ・レバテックフリーランスなどのプラットフォームで案件を受注し、月20〜50万円の副業収入を得るエンジニアは多い。本業年収500万円+副業収入200万円で実質年収700万円という組み合わせは、エンジニアならではの収入形態だ。
戦略3:年収交渉のタイミングと方法
年収交渉で最も効果的なタイミングは「実績が出た直後」と「転職時」だ。現職での年収交渉は「貢献した実績(数字)」と「市場価値(他社からのオファー金額)」の2つの根拠があると交渉力が上がる。転職時は内定後から入社承諾前が唯一の交渉タイミングだ。「他社から◯◯万円のオファーをいただいていますが、御社第一志望のためご調整をお願いしたい」という交渉フレームが最も有効だ。
ITエンジニア転職でよく陥るワナ:SES問題の詳細
未経験エンジニアの転職先として最も多いのがSES(システムエンジニアリングサービス)企業だ。SESの仕組みと落とし穴を正確に理解した上で判断する。
SESの仕組み
SES企業は技術者を企業(エンドユーザー)に常駐させ、技術力を提供するビジネスモデルだ。エンジニアは「自社に在籍しながら客先で働く」という形態になる。SES企業の収益は「エンジニアの客先単価(月70〜150万円)-エンジニアの給与(月20〜35万円)」の差額だ。
SESのメリット
- 未経験でも採用されやすい(客先が変わるたびに新しい技術・現場を経験できる)
- 多様な現場(金融・製造・官公庁・スタートアップ)を経験できる
- 正社員雇用であることが多く、雇用の安定性がある
SESのデメリットと対処法
- 技術の選択権がない:客先の都合で古い技術(COBOLなど)しか使えない現場に配属されるリスクがある。面接で「どのような現場に入れるか」を具体的に確認する。
- 給与が上がりにくい:SES企業では客先単価を上げないと給与が上がらない仕組みだ。資格取得・スキルアップが客先単価に反映されるかどうかを入社前に確認する。
- 自社開発のキャリアに転換しにくい:SES経験のみでは自社開発企業への転職が難しくなる場合がある。SES在籍中も個人のポートフォリオ・GitHubを継続更新することが転職オプションを保持するための必須行動だ。
未経験エンジニアが知っておくべきIT業界の現実
エンジニアの勉強は「業務外」でも続く
IT業界は技術の変化が激しく、「業務時間だけ働けばOK」という感覚でいると3〜5年で市場価値が低下する。現役エンジニアの多くは業務外でも週3〜5時間の自己学習を続けている。新しいフレームワーク・ライブラリ・クラウドサービスの動向を追い続ける姿勢が長期的なキャリアを支える。
ただしこれは「残業・休日出勤が多い」という意味ではない。業務時間を効率化して定時退社しながら、個人の技術学習に時間を使うという健全な形が理想だ。
技術と対人スキルの両立が年収を決める
純粋な技術力だけで年収が高くなるエンジニアは少ない。実際に年収が高いシニアエンジニア・テックリードは、技術力に加えて「要件定義力・仕様説明力・プロジェクト進行力・後輩育成力」を持っている。未経験から転職した後、技術習得と並行してビジネスコミュニケーション力を磨くことが長期的な年収向上につながる。
リモートワークとキャリアの関係性
IT業界はリモートワーク可の求人が多いが、未経験入社直後のリモートワークはキャリアに悪影響を与えるケースがある。コードレビューのフィードバック・先輩エンジニアへの質問・チームの文化吸収はオフィス勤務の方が圧倒的に効率が良い。入社後1〜2年はできるだけ出社してインプットを最大化し、実力をつけてからリモートワーク主体のポジションに移るのが理想的なパスだ。
未経験エンジニアにおすすめの学習リソースと活用法
無数にある学習リソースの中から、実際に転職成功者が使っているものに絞って紹介する。
入門・基礎段階(0〜3ヶ月)
- Progate:HTML・CSS・JavaScript・Python・Rubyの入門コースが充実。ブラウザで動くインタラクティブな学習環境。月額1,078円。「コードを書く感覚」を身につける最初の教材として最適。
- Udemy:各言語・フレームワークの実践的なコース動画が豊富。セール時(定期的に実施)はコース1本1,200〜2,400円程度で購入可能。「Reactで始めるモダンフロントエンド開発」「Pythonで始めるデータ分析」などの実践コースが有用。
実践・ポートフォリオ段階(3〜6ヶ月)
- GitHub:コードのバージョン管理・ポートフォリオの公開。毎日コミットしてコントリビューション履歴を積み上げる。
- Vercel・Netlify:フロントエンドのWebアプリを無料でデプロイできるサービス。ポートフォリオを「動いて見せられる状態」にするために必須。
- Qiita・Zenn:学んだことを技術記事として発信するプラットフォーム。アウトプットの習慣化と、ポートフォリオ以外での技術力アピールに有効。
転職準備段階(6ヶ月〜)
- paiza:プログラミングスキル判定サービス。SランクからEランクで自分の技術レベルを客観的に把握できる。paizaスカウト機能で企業からオファーが来るケースもある。
- LeetCode(英語):コーディングテスト対策の定番。外資系IT企業・メガベンチャーの選考ではコーディングテストが課されることが多く、事前練習として有用。
未経験エンジニア転職の技術面接で聞かれる質問と対策
ITエンジニアの転職面接は、一般的な転職面接と異なり「技術的な質問」が含まれる。事前準備なしに臨むと適切に回答できない質問が多いため、頻出質問と対策を整理する。
技術面接でよく聞かれる質問(未経験向け)
- 「HTMLとCSS・JavaScriptの違いを教えてください」:HTML(構造)・CSS(デザイン)・JavaScript(動き)という役割の違いを説明できるか確認される。
- 「GitとGitHubの違いは何ですか」:Git(バージョン管理ツール)とGitHub(リモートリポジトリサービス)の関係性を説明できるか。
- 「クライアントとサーバーの関係を説明してください」:HTTPリクエストとレスポンスの基本的な仕組みを理解しているかの確認。
- 「あなたが作ったポートフォリオで最も苦労した点は何ですか、どう解決しましたか」:問題発見力・自己学習力・問題解決力を確認するための質問。具体的なエピソードで答える。
- 「将来どんなエンジニアになりたいですか」:キャリアビジョンの明確さと業界への理解度を確認する。
コーディングテストの対策
一部の企業では書類選考後にコーディングテスト(ハーモニー・paizaスキルチェック・HackerRankなど)が課される。未経験向けのコーディングテストは基礎的な問題が中心だ。
- FizzBuzz(1〜100の数字で3の倍数はFizz、5の倍数はBuzz、両方の倍数はFizzBuzzと出力するプログラム)
- 配列の操作(並び替え・合計値計算・特定の要素の検索)
- 条件分岐・ループ処理の基本
- 文字列操作(逆順・検索・置換)
これらの問題をpaizaのスキルチェックでDランク以上のレベルまで解けるようにしておくことが最低ラインだ。
ITエンジニアを目指す前に確認すべき適性チェック
「ITエンジニアが向いているかどうか分からない」という人のために、適性を判断するための5つの問いを用意した。
- エラーが出たときに「なぜ?」と追いかけることを楽しめるか(デバッグへの耐性)
- 英語のエラーメッセージや技術ドキュメントを翻訳しながら読む作業が苦にならないか(英語への抵抗感)
- 同じ問題を何度も違うアプローチで試すことへの根気があるか(試行錯誤への耐性)
- コードが動いたときに喜びや達成感を感じたことがあるか(動機の確認)
- 業務時間外にも新しい技術について調べることへの抵抗がないか(自己学習への抵抗感)
5つ全てに「はい」と答えられれば適性は高い。2〜3個程度であっても「子どもに英語を教えること自体が好きかどうか」と同様に、やってみると意外と合う人も多い。Progateで最初の1週間を試してから判断するのが最も確実な方法だ。
未経験エンジニアが最初に選ぶべき企業の種類
転職先企業の種類によって、入社後の成長速度と年収の伸び方が大きく変わる。未経験エンジニアが最初に入社する企業の種類を整理する。
自社開発企業(Web系・スタートアップ)
- 特徴:自社プロダクトの開発・改善が主な業務。技術の選択権がある。
- 年収水準:月給22〜30万円(未経験入社時)
- 成長速度:最も速い。自社の課題解決に直接関われるため実践的なスキルが身に付く
- 入社難易度:ポートフォリオの質と技術力が問われるため未経験での入社ハードルが高め
SIer(システムインテグレーター)・受託開発
- 特徴:クライアント企業のシステム開発を請け負う。大規模開発の経験が積める
- 年収水準:月給21〜26万円(未経験入社時)
- 成長速度:プロジェクト規模が大きい分、1機能だけに関わることが多く技術の幅が広がりにくい場合がある
- 入社難易度:比較的採用しやすく未経験でも入りやすい
SES(客先常駐)
- 特徴:クライアント企業に常駐してシステム開発・保守を行う
- 年収水準:月給20〜25万円(未経験入社時)
- 成長速度:客先の環境による。良い現場に入れれば急成長できるが、保守・運用のみの現場では技術が伸びにくい
- 入社難易度:最も採用しやすく未経験歓迎が多い
理想的な選択肢
未経験エンジニアにとって理想的な最初の転職先は「自社開発またはSIerの中でも技術研修が充実している企業」だ。SESでも「良い現場に入れる保証がある・定期的に技術研修がある・正社員エンジニアへの転換制度がある」企業なら選択肢に入る。ポートフォリオが完成している段階なら自社開発企業を第一候補に、ポートフォリオが途中の段階ならSIerの研修充実企業を狙うという2段階戦略が現実的だ。
エンジニア転職に役立つ求人の読み方と企業の見極め方
ITエンジニア求人は専門用語が多く、読み方を知らないと実態と乖離した企業に入るリスクがある。求人票・企業情報の正しい読み方を身につける。
求人票で確認すべき項目
- 使用技術(スタック):求人票に記載されている技術スタック(言語・フレームワーク・インフラ)を確認する。自分が学んでいる技術と一致しているか、または入社後に習得支援があるかを確認する。
- 開発手法:アジャイル・スクラム・ウォーターフォールのどの開発手法を採用しているか。アジャイル・スクラムはスピーディーに動きながら改善する文化で、未経験エンジニアの成長に向いている。
- チーム構成:エンジニアの人数・フロントエンド・バックエンド・インフラの分担。1〜2名体制の小規模チームは1人あたりの負担が大きく、未経験者には向かない場合がある。
- 研修・教育制度:「OJT形式」だけでなく「◯ヶ月間の研修カリキュラムあり」「メンター制度あり」という具体的な記述があると信頼性が高い。
GitHubで企業の技術力を確認する方法
IT企業の技術レベルはGitHubで確認できる。以下の方法で調べる。
- 「企業名 GitHub」で検索し、企業の公式GitHubアカウントを探す
- リポジトリのコードの質(コメントの丁寧さ・README の充実度・コミット頻度)を確認する
- OSSへのコントリビューション・技術ブログ(Qiita・Zenn・自社テックブログ)を確認する
GitHubやテックブログで積極的に情報発信している企業は、技術への投資意識が高い企業だ。反対に全く情報発信がない企業は技術文化が弱い可能性がある。
ITエンジニア転職後の最初の1年間で絶対にやるべきこと
入社後の1年間は「エンジニアとしての土台を作る最重要期間」だ。この1年をどう過ごすかが5年後・10年後のキャリアを決定的に左右する。
0〜3ヶ月:基礎を固める
- 担当プロジェクトのコードを全て読む(1ファイルずつ丁寧に)
- 使用技術の公式ドキュメントを読む(公式ドキュメントを読む習慣が高品質なエンジニアへの近道)
- コードレビューのコメントを全て記録し、翌日中に理解して修正する
3〜6ヶ月:アウトプットを増やす
- 学んだことを技術ブログ(Qiita・Zenn)に週1本書く
- 社内のドキュメント整備に貢献する(誰もやりたがらないが評価される業務)
- GitHubへの個人リポジトリのコミットを継続する
6〜12ヶ月:視野を広げる
- 社外の勉強会・meetupに月1回以上参加する
- 次の目標資格の学習を開始する(AWS SAA・基本情報技術者など)
- 副業案件(Webサイト制作など)を1件受注してみる
- 1年後の「なりたいエンジニア像」を書き直す(入社時と変わっているはずだ)
ITエンジニア転職活動の書類・面接の具体的な準備チェックリスト
- [ ] GitHubプロフィールを整備した(アイコン・自己紹介文・ピン留めリポジトリ)
- [ ] ポートフォリオアプリを2〜3本デプロイ済み
- [ ] 各ポートフォリオのREADMEに「制作背景・使用技術・工夫した点・難しかった点」を記載済み
- [ ] 職務経歴書に「なぜエンジニアになりたいのか」を3行以内で記載済み
- [ ] 技術面接の頻出質問(HTML/CSS/JSの違い・Gitの仕組み・HTTPとは)に答えられる
- [ ] コーディングテスト対策としてFizzBuzz・配列操作・文字列操作が書ける
- [ ] 志望企業のGitHub・技術ブログ・採用ページを読んで企業研究を済ませた
- [ ] 転職エージェント2〜3社に登録・面談済み
未経験エンジニアが知っておくべき給与交渉のタイミングと方法
未経験での転職は給与水準が低くなりがちだが、入社後の適切なタイミングで交渉することで年収を上げられる。
入社後の給与交渉タイミング
- 試用期間終了時(入社3〜6ヶ月後):「試用期間中の業務評価について確認したい」という名目で面談を設定し、正式採用後の給与見直しを打診する。
- 資格取得直後:「先日基本情報技術者試験に合格しました。今後の業務貢献を踏まえ、資格手当の適用について確認させてください」という形で申し出る。
- 評価面談の場:多くの企業で半期または年次の評価面談がある。この場が給与交渉の最も正式なタイミングだ。実績(数字)と市場価値(同等経験者の年収水準)を根拠として準備する。
転職による年収アップのシミュレーション
- 未経験入社時(年収280万円)→1年後(年収310万円)→3年後(年収420万円)→5年後(年収550万円)
- スタートアップ未経験入社(年収320万円)→2年後の転職(年収480万円)→4年後の転職(年収650万円)
ITエンジニアは転職ごとに年収が上がる業種だ。1社に長くいるより「2〜3年ごとに実績を持って転職する」方が年収成長が速いケースが多い。ただし最初の2〜3年はスキル構築に集中し、転職は実績が出てから行うことが重要だ。
ITエンジニアを目指す前に知っておくべき業界文化
IT業界には独特の文化がある。事前に理解しておくことで入社後のギャップが減る。
オープンな情報共有文化
IT業界(特にWeb系・スタートアップ)は情報共有をオープンに行う文化が根付いている。Slack・GitHub・Notionなどのツールでチームのやりとりがほぼ全てテキストで記録される。「口頭でこそっと相談する」より「Slackのチャンネルに書く」文化のため、テキストでの明確な意思疎通が求められる。
「できる・できない」の明確な自己申告
「やれます(実はできないけど)」というコミュニケーションはIT業界では非常に嫌われる。「◯◯についてはまだ経験がありませんが、◯◯については対応できます。◯◯を学びながら取り組みます」という正直な自己申告が信頼構築につながる。
勉強会・コミュニティへの積極参加
IT業界は勉強会(connpassなどで毎週開催)・カンファレンス(DevelopersIO・AWS Summit・Google I/Oなど)への参加が一般的だ。会社の業務時間外にも学習・情報収集をしている人が多く、転職活動中にこれらのコミュニティに参加しておくと業界理解が深まり、面接でのネタも増える。
リモートワークとコミュニケーションの重要性
リモートワークが多いIT業界では、自分から積極的に情報共有・進捗報告をする「プロアクティブなコミュニケーション」が求められる。指示を待つだけでなく、「今日の進捗です・この点で詰まっています・明日はこれをやります」という日次報告の習慣が評価される。
エンジニア転職成功後の生活設計:収入・ライフスタイルのリアル
未経験エンジニアとして転職した後、実際の生活はどう変わるかをリアルに伝える。
入社1年目のリアルな生活
- 手取り月収:18〜22万円程度(交通費・住宅手当込みの実質額)
- 平日:出社8〜9時間の実務+帰宅後1〜2時間の自己学習
- 週末:個人開発・技術記事執筆・勉強会参加(月1〜2回)
- 精神状態:最初の3ヶ月は「自分はついていけるか」という不安が続くが、半年後には「この選択は正しかった」という確信に変わる人が多い
入社3年目のリアルな生活
- 手取り月収:25〜32万円程度(前職より確実に上回っている)
- 副業収入:月5〜15万円(Webサイト制作・フリーランス案件)を並行している人も増える
- スキル:担当技術スタックのスペシャリストとして社内外で認知されている状態
- キャリアビジョン:「次の転職先はどこか」という選択肢が複数見えている状態
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