介護職員初任者研修に学歴は関係ない|中卒・高卒でも取得できる理由と手順を解説

介護職員初任者研修とは?取得方法と転職での活かし方

「中学卒業だけど介護の資格は取れるのか」「高卒で介護職に転職したいが学歴がネックになるか」――こうした疑問を抱えたまま、転職活動に踏み出せずにいる方は多い。結論から言う。介護職員初任者研修に学歴の要件はない。中卒でも、高卒でも、大卒でも、同じ条件でスタートできる資格だ。


このページでは、介護職員初任者研修と学歴の関係を正確に整理した上で、取得の手順・費用・期間・取得後のキャリアまでを網羅する。転職を検討している20〜30代が「これを読んだら動ける」状態になることを目指して書いた。


介護職員初任者研修と学歴の関係


学歴要件は法令上、存在しない


介護職員初任者研修は、厚生労働省が定めた「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」に基づいて設けられた資格制度だ。この基準のどこを読んでも、受講者の学歴について記述はない。つまり「中卒は受けられない」「高卒以上が必要」といったルールは法的に存在しない。


自治体や養成機関が独自に学歴要件を課すことも、実際にはほぼない。国の制度として「学歴不問」で設計されているため、民間スクールが上乗せ規制を設ける動機がないからだ。受講申込書に「最終学歴」の記入欄があったとしても、それは統計収集・書類管理が目的であり、合否に影響しない。不安であれば受講申込み前にスクールのスタッフへ直接確認するとよいが、「学歴を理由に断られた」という事例は業界でほぼ聞かない。


また、介護職員初任者研修の上位資格である「実務者研修」や国家資格の「介護福祉士」においても、受験・受講資格に学歴は含まれない。介護キャリア全体を通じて、学歴がボトルネックになるステップは存在しないと理解してよい。


「学歴不問」が生まれた背景


介護業界は慢性的な人手不足だ。厚生労働省の推計では、2040年度には約69万人の介護人材が不足するとされている。高齢化が進む日本社会において、介護サービスの担い手を確保することは国家的な課題だ。こうした需給ギャップを埋めるため、介護系資格は入口のハードルを意図的に低く設定している。学歴・年齢・経験の壁を取り除き、より多くの人が働きやすい環境を作ることが政策の方向性だ。


介護職員初任者研修もその流れの中にある。前身となる「ホームヘルパー2級」が2013年に廃止・再編された際も、受講要件の間口が広げられた。制度の設計思想として「やる気と体力があれば誰でも受講できる」が根底にある。


さらに言えば、介護の現場で求められる本質的なスキルは学歴とは無関係だ。利用者の話を真剣に聞くこと、変化に気づくこと、チームで連携して動くこと――これらは学校の成績では測れない能力だ。介護職が「人物本位」の採用を重視する理由もここにある。


面接・採用で学歴が問われるケースはあるか


資格取得自体は学歴不問だが、就職活動では別の話になる事業者もゼロではない。ただし介護業界全体で見ると、採用時に学歴を重視する事業者は少数派だ。ハローワークの求人票を確認すると「学歴不問」の記載が介護求人の大半を占める。


現場で問われるのは「利用者と誠実に向き合えるか」「体力・コミュニケーション力があるか」の2点だ。初任者研修を持っていれば、それが採用の実質的な判断材料になる。学歴よりも資格の有無を重視する業界であることは間違いない。


一方で、施設長・管理職ポジションや大手介護グループの総合職採用では、学歴を参考にする場合もある。ただしそれは「入社後に管理職候補として育てる」という文脈であり、現場の介護職採用とは切り離して考える話だ。最初のステップとして現場で働くことを目指す段階では、学歴を気にする必要はない。


初任者研修の概要と取得要件


研修の目的と位置づけ


介護職員初任者研修は、介護の基礎知識・技術を体系的に学ぶための入門資格だ。在宅・施設を問わず、介護の仕事に就く上での「最低限の土台」として業界に認知されている。


研修のゴールは「利用者の尊厳を守りながら安全なケアができる介護職員を育てること」だ。単なる作業マニュアルではなく、介護の考え方・倫理観・コミュニケーションスキルまでを含む。修了後は訪問介護事業所での「身体介護」業務に従事できるようになり、仕事の幅が大きく広がる。


介護系資格の中での位置づけを整理すると、初任者研修は「入門」、実務者研修は「中級」、介護福祉士(国家資格)は「上級」という序列になる。初任者研修を取らずに実務者研修を受けることは制度上可能だが、実務者研修のカリキュラムは初任者研修の内容を前提として設計されているため、初任者研修から順に取得するルートが現実的だ。


受講要件は「年齢・健康・意欲」の3点だけ


養成機関ごとに細かな規定は異なるが、受講に必要な条件は実質的に以下の3点だ。


要件 内容
年齢 原則として義務教育修了(15歳以上)。上限なし
健康状態 研修・実習に参加できる体力があること
学歴・資格 不問。事前の介護経験も不要

「義務教育修了」とは中学卒業と同等の年齢・学力を意味する。実際には「研修内容を理解できる日本語の読み書き能力があること」が暗黙の前提だが、これも通常の日常会話ができるレベルで問題ない。外国籍の方の受講例も多く、学歴とは完全に切り離された要件だ。


上限年齢もない。60代・70代で初任者研修を取得して介護職に就く例も実際にあり、人生100年時代における再就職資格として注目されている。体力的な不安がある場合は、通所系(デイサービス)や施設の日中勤務帯から始めるという選択肢もある。


カリキュラムと修了試験の概要


研修時間は合計130時間。講義(通学またはeラーニング)と実技演習で構成される。


科目区分 時間数 主な内容
職務の理解 6時間 介護の役割・多様なサービス形態
介護における尊厳の保持・自立支援 9時間 人権・ICF・自立支援の考え方
介護の基本 6時間 介護職の役割・リスクマネジメント
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間 サービス体系・医療連携の基礎
介護におけるコミュニケーション技術 6時間 傾聴・観察・記録の技術
老化・認知症・障害の理解 15時間 身体変化・認知症ケア・障害特性
こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間 移動・食事・排泄・入浴などの実技
振り返り 4時間 まとめ・修了評価

修了評価(筆記テスト)は全科目終了後に実施される。合格点の目安は正答率70〜80%程度だが、研修内容をきちんと受講していれば不合格になるケースはほぼない。学力よりも「研修を通じて学んだことを理解できているか」を確認する趣旨のテストだ。


万が一不合格になった場合でも、追試や補講の機会を設けているスクールがほとんどだ。1回のテストで全てが決まるわけではないため、試験への過度な不安は不要だ。重要なのは「研修中に疑問点を放置せず、しっかり学ぶ姿勢」だ。


eラーニングの活用と通学の使い分け


近年は130時間のうち講義科目の一部(最大70.5時間)をeラーニングで受講できる養成機関が増えている。実技演習は必ず通学が必要だが、理論・知識の部分は自宅のパソコン・スマートフォンで受講できる。


eラーニングのメリットは「自分のペースで進められること」と「通学の移動時間が省けること」だ。フルタイムで働きながら資格取得を目指す人にとって、時間の使い方を大幅に改善できる選択肢だ。通学が困難な地方在住者にとっても、eラーニング対応スクールは選択肢を広げてくれる。


学歴別に見る取得の実態


中卒の場合:問題なく取得できる


中学を卒業した時点で、介護職員初任者研修の受講資格は満たしている。実際に、中卒から介護職に就いて初任者研修を取得し、その後キャリアを積んでいる介護士は全国に多数いる。


研修テキストの難易度は、中学生でも理解できるレベルで作られている。専門用語には説明が付き、実技演習では講師が丁寧に指導する。暗記が苦手でも、日常的に人と接することが得意な人が現場で活躍しているのが介護職の実態だ。


ただし、中卒で年齢が若い場合(16〜18歳)は、実習先の施設が「高校生以下は受け入れ不可」としているケースがある。この場合でも研修施設側が代替実習先を手配することが多い。事前にスクールに確認しておくと安心だ。


中卒から介護職に就いた場合のキャリアイメージを持っておこう。20歳で入職し、初任者研修を持っていれば即戦力として採用される。23歳で介護福祉士を取得し、28歳でサービス提供責任者やユニットリーダー、30代前半でフロアリーダーや副施設長を目指すルートは現実的だ。学歴のハンデを資格・経験で逆転している介護士は業界に珍しくない。


高卒・専門卒の場合:最も多い取得パターン


統計的に見ると、介護職員の最終学歴は高卒・専門卒が最多だ。高卒で介護業界に入り、初任者研修→実務者研修→介護福祉士と段階的にキャリアアップするルートが、業界のスタンダードになっている。


介護福祉士の国家試験受験要件は「実務経験3年以上+実務者研修修了」であり、学歴は問われない。高卒であっても、働きながら最高峰の国家資格まで到達できる設計になっている。


高卒で他業種から転職してくる20〜30代のケースも多い。飲食・販売・物流などの経験者が「人と関わる仕事がしたい」「安定した業界に移りたい」という動機で介護職を選ぶパターンだ。初任者研修を取得してから転職活動に臨むことで、選考通過率が大幅に上がる。採用担当者から見れば「資格取得の行動力がある人材」として評価されるからだ。


大卒・大学院卒の場合:資格取得はスムーズだが注意点もある


大卒・大学院卒で介護職に転職するケースも増えている。特に30代でキャリアチェンジする際に介護業界を選ぶ動きが目立つ。学力面での問題はまったくなく、研修内容は短期間で習得できる。


注意点は給与面だ。介護業界の給与水準は、大企業のオフィスワーカーと比較すると低い傾向がある。ただし処遇改善加算や特定処遇改善加算の仕組みにより、経験・資格を積み上げるほど収入は上がる。初任者研修取得から介護福祉士取得まで数年かけて積み上げることで、月収30万円台を実現している介護士も珍しくない。


また、大卒の経歴があれば養成施設ルートで介護福祉士を目指す選択肢もある。2年制の介護福祉士養成施設に入学すれば、実務経験なしで国家試験受験資格を得られる。ただしこの場合は学費がかかるため、転職目的であれば実務経験ルートの方が費用対効果は高い。


社会人経験者・転職者の強みを活かせる


他業種からの転職者には、介護職で活きる経験が積み上がっていることが多い。


前職の経験 介護職で活きるポイント
接客・販売 利用者・家族とのコミュニケーション、クレーム対応
医療・福祉(他職種) 多職種連携・医療知識の下地、専門用語への親しみ
教育・保育 認知症ケアにおける関わり方、観察力・記録力
管理職・マネジメント チームリーダー・施設長への早期昇格、後輩指導
運転・物流 送迎ドライバー・福祉車両の操作、体力・持久力
事務・経理 介護記録の作成・管理、請求書類の処理

初任者研修の取得は、これらの経験を「介護の資格」として公式に証明するプロセスでもある。学歴がどうであれ、社会人経験は現場で確実に武器になる。面接の自己PRでも「前職の経験を介護にどう活かすか」を語ることで、採用担当者の印象に残りやすい。


取得の具体的な手順と費用


スクール選びのポイント


介護職員初任者研修を実施している養成機関は、全国に多数ある。大手から地域密着型まで様々だが、選ぶ際に確認すべきポイントは以下の4点だ。


  • 通いやすさ:通学がある場合は自宅・職場からのアクセスを優先する。週1〜2回の通学コースが最も一般的
  • eラーニングの有無:仕事をしながら受講する場合、自宅でWeb学習できるコースを選ぶと時間の融通が利く
  • 費用と割引制度:受講費の相場は3〜8万円。ハローワーク経由の教育訓練給付金が使えるスクールなら自己負担が大幅に減る
  • 就職支援の有無:スクールが介護事業者と提携して求人を紹介するケースがある。無料受講+就職先確保がセットになったコースも存在する

大手スクールの代表例としては、ニチイ学館・三菱UFJリサーチ&コンサルティング(実践介護研修)・カイゴジョブアカデミーなどがある。いずれも全国展開しており、初心者向けのサポート体制が整っている。地域によっては中小スクールの方が日程の融通が利く場合もあるため、複数校を比較検討することを勧める。


費用を抑える3つの方法


初任者研修の受講費は無料〜8万円程度まで幅がある。費用を抑える方法を3つ押さえておこう。


1. 教育訓練給付金(厚生労働省)
雇用保険の被保険者期間が1年以上ある方が対象。指定講座を受講すると、受講費の20%(上限10万円)が給付される一般教育訓練給付制度が使えるスクールが多い。離職後でも一定期間(最長1年)は対象になる。受講開始前にハローワークで手続きが必要なため、申込みタイミングに注意が必要だ。


2. ハローワークの職業訓練
求職者支援制度または公共職業訓練として、受講料無料で初任者研修を受けられるコースがある。ただし定員制で申込み競争があること、受講期間中は訓練給付金(月10万円)の受給を条件に就職活動が制限される点に注意が必要だ。失業中・求職中の方に向いている制度だ。


3. 介護事業者の無料研修制度
「採用前提」または「採用後」に研修費を全額負担してくれる介護事業者がある。就職先が決まっている状態であれば、実質コスト0円で資格を取得できる。転職エージェントや就職支援付きスクールを活用すると、この制度にアクセスしやすい。「資格取得支援制度あり」の求人を積極的に探すとよい。


受講から修了までのスケジュール


標準的なスケジュールパターンを示す。


受講スタイル 期間の目安 向いている人
週2〜3回通学(昼間) 2〜3ヶ月 無職・専業で転職活動中の人
週1〜2回通学(土日) 4〜6ヶ月 働きながら取得したい人
eラーニング+通学(実技のみ) 2〜4ヶ月 スキマ時間を活用したい人
集中コース(短期) 1〜1.5ヶ月 早急に就職したい人

最速の集中コースでは1ヶ月ほどで修了できる。転職のタイムラインに合わせてコースを選ぶのが現実的な判断だ。例えば「3ヶ月後に転職したい」という場合は、今すぐ週2〜3回の通学コースに申し込む計算になる。転職活動と並行して受講するスケジュール管理が重要だ。


修了後の手続きと活用方法


研修修了後は養成機関から「介護職員初任者研修修了証明書」が発行される。この証明書を雇用先の事業者に提出することで、身体介護業務への従事が認められる。資格登録や更新手続きは不要で、一度取得した修了証は永続的に有効だ。紛失した場合は発行元の養成機関に再発行を依頼できる。


履歴書には「○○養成機関 介護職員初任者研修 修了」と記載する。スクール名を明記するのが正式な書き方だ。「ホームヘルパー2級」という表記は旧制度の名称であり、現在は使用しない。


資格取得後のキャリアパス


介護職のキャリアステップ


初任者研修は介護キャリアの「1段目」だ。ここから段階的にスキルと資格を積み上げる明確なルートが存在する。


ステップ 資格・要件 年収目安
1段目 介護職員初任者研修 220〜280万円
2段目 介護職員実務者研修 240〜300万円
3段目 介護福祉士(国家資格) 280〜360万円
4段目 認定介護福祉士 / ケアマネジャー 350〜450万円
管理職 施設長・サービス提供責任者 400〜550万円

年収はあくまで目安であり、勤務地・施設種別・処遇改善加算の適用有無によって大きく変わる。重要なのは「学歴に関係なく、資格と経験を積み上げることで年収が上がるルートが明確に存在する」という事実だ。


介護福祉士への道:学歴は関係しない


介護職の国家資格である介護福祉士の受験要件は「実務経験ルート」と「養成施設ルート」に大別される。転職・未経験者が使う実務経験ルートの要件は以下の通りだ。


  • 介護業務の実務経験:3年(1,095日)以上かつ540日以上の従業日数
  • 実務者研修の修了
  • 学歴:問わない

中卒でも、高卒でも、働きながら3年間経験を積んで実務者研修を修了すれば、国家試験の受験資格を得られる。学歴は一切関係ない。国家試験の合格率は近年60〜70%台で推移しており、試験対策をしっかり行えば合格できる難易度だ。


介護福祉士を取得すると収入面でのメリットも大きい。多くの事業者が「介護福祉士手当」として月3,000〜1万円程度を支給し、さらに国の特定処遇改善加算の対象となるケースもある。資格取得による年収アップの効果は、初任者研修→実務者研修→介護福祉士と上がるほど大きくなる。


ケアマネジャー・サービス提供責任者への道


介護福祉士を取得した後のルートとして、ケアマネジャー(介護支援専門員)とサービス提供責任者がある。


ケアマネジャーは、介護保険サービスのケアプランを作成する専門職だ。介護福祉士等の資格を持ち、5年・900日以上の実務経験を積むことで受験資格を得られる。受験要件に学歴はない。合格後は利用者の生活設計に関わる高度な専門職として活躍でき、訪問型・居宅型・施設型など多様な活躍場所がある。


サービス提供責任者(サ責)は訪問介護事業所で利用者のケアプランを実施するリーダー職だ。実務者研修修了者または介護福祉士が担える。訪問介護の現場では事実上の中核ポジションであり、給与も一般の介護士より高い。サ責→管理者→独立開業というルートを歩む介護士もいる。


転職市場での評価:初任者研修は「最低基準」から「選択肢の広さ」へ


初任者研修を持っていない未経験者と、持っている人材では採用市場での立ち位置がはっきり異なる。


未経験・無資格でも採用する事業者はある。ただしその場合、職種は「介護補助」や「生活援助のみ」に限定されることが多く、身体介護ができないため給与レンジが低くなる。また、採用条件として「入職後に初任者研修を取得すること」を求める事業者も多い。


初任者研修を持っていれば「即戦力として身体介護ができる人材」として採用される。求人の選択肢が広がり、給与交渉の余地も生まれる。取得にかかる時間と費用(最低1〜2ヶ月・0〜8万円)を考えると、転職前に取得しておくことの費用対効果は非常に高い。


介護職の主な仕事内容


初任者研修を取得した後に担う仕事の全体像を理解しておくことは、転職の意思決定において重要だ。介護職の主な業務は「身体介護」と「生活援助」の2種類に大別される。


身体介護とは、利用者の体に直接触れて行う介助だ。


  • 移動・移乗介助(ベッドから車椅子への移乗など)
  • 食事介助(嚥下困難な方への対応を含む)
  • 排泄介助(オムツ交換・トイレ誘導)
  • 入浴介助(一般浴・機械浴・清拭)
  • 服薬管理のサポート
  • 口腔ケア

生活援助とは、日常生活をサポートする業務だ。


  • 調理・食事の準備
  • 掃除・洗濯・買い物
  • 話し相手・レクリエーションの実施
  • 服薬確認・服薬管理(指導の範囲内)

初任者研修修了者は身体介護・生活援助の両方を担える。無資格者が「生活援助のみ」に限定されるのと比べて、できる仕事の範囲が大幅に広がる。これが採用時の評価差に直結している。


介護の職場環境と勤務スタイル

介護職の就業先は多様だ。生活スタイルや体力・希望に合わせて働き方を選べるのが介護業界の特徴の一つだ。


勤務先の種類 特徴 向いている人
特別養護老人ホーム(特養) 入所型。24時間体制で介護。シフト制 安定した仕事量を求める人
デイサービス(通所介護) 日中のみ。夜勤なし。比較的体力的な負担が少ない 夜勤が難しい人・子育て中の人
訪問介護 利用者宅へ訪問。1対1のケア。移動あり 自立した仕事のスタイルを好む人
グループホーム 認知症専門の少人数施設。アットホームな雰囲気 じっくり利用者と関わりたい人
有料老人ホーム 施設によって体制が異なる。比較的設備が充実 環境が整った職場を望む人

夜勤の有無や体力負担の程度、人間関係のスタイルは施設種別によって大きく異なる。転職先を選ぶ際は「どこで働くか」を「何をするか」と同じくらい重視してほしい。


介護職に向いている人の特徴

学歴よりも「この仕事が合っているか」の方が、長期的な成功を左右する。介護職で活躍している人に共通する特徴を整理する。


向いている特徴


  • 人の役に立つことに喜びを感じる
  • 相手の気持ちを汲み取るのが得意
  • 体を動かすことが苦にならない
  • チームで仕事することを好む
  • 感情的になりにくく、冷静さを保てる
  • 観察力があり、変化に気づきやすい

事前に覚悟しておくべき点


  • 排泄介助など「慣れが必要な業務」がある
  • 夜勤がある職場では生活リズムの調整が必要
  • 感情労働の側面があり、精神的なケアが必要な場面もある
  • 給与水準は他産業と比較して低めであることが多い(ただし改善傾向にある)

「向いている特徴」に多く当てはまり、「覚悟しておくべき点」に対して許容できるかを確認した上で転職を決断することが、長く働き続けるための現実的な判断だ。


よくある質問(FAQ)


Q1. 中卒でも介護職員初任者研修は受けられますか?


A. 受けられる。介護職員初任者研修に学歴要件は存在しない。義務教育を修了した15歳以上であれば、誰でも受講申込みができる。研修内容の難易度も中学卒業程度の読解力があれば対応できるレベルだ。「中卒だから不安」という気持ちは理解できるが、受講・合格に学歴は影響しない。


Q2. 研修の修了試験は難しいですか?学力が心配です。


A. 難易度は高くない。研修で学んだ内容を正しく理解しているかを確認するテストであり、難問・奇問は出ない。受講者の合格率は95〜98%程度が業界の実態だ。研修をきちんと受けて、講師の説明をノートにまとめる習慣があれば、ほぼ確実に合格できる。不合格になっても追試を受けられるスクールがほとんどなので、試験への過度な不安は不要だ。


Q3. 受講費用が払えない場合はどうすればいいですか?


A. 費用0円で取得する方法が複数ある。具体的には(1)ハローワークの無料職業訓練コースへの申込み、(2)介護事業者の研修費負担制度の利用、(3)雇用保険被保険者であれば教育訓練給付金の申請、の3つを検討する。特に転職前提であれば、採用とセットで研修費を負担してくれる事業者を探すのが最も現実的だ。転職エージェントに相談するとそうした求人を紹介してもらいやすい。


Q4. 働きながら取得できますか?


A. 取得できる。週1〜2回の通学コース(土日開講)やeラーニング+実技のみ通学するコースを選べば、現職を続けながら4〜6ヶ月で修了できる。仕事の休日や退勤後の時間を使う形が、社会人受講者の標準的なパターンだ。集中して短期間で取得したい場合は、有給を活用したり退職後に集中コースを受講する方法もある。


Q5. 介護職員初任者研修と介護福祉士の違いは何ですか?


A. 大きく3点異なる。第一に「資格の種類」:初任者研修は研修修了証明書(民間資格に近い位置づけ)、介護福祉士は国家資格だ。第二に「難易度・要件」:介護福祉士は3年の実務経験と実務者研修修了が必要で、国家試験に合格する必要がある。第三に「給与への影響」:介護福祉士を取得すると資格手当・処遇改善加算の加算額が増え、年収が数十万円単位で上がる場合がある。初任者研修は介護福祉士取得への登竜門であり、まず初任者研修で現場経験を積みながら介護福祉士を目指すのが王道ルートだ。


まとめ:学歴を理由に諦める必要はない


このページで伝えたことを整理する。


  • 介護職員初任者研修に学歴の受講要件は存在しない
  • 中卒・高卒・大卒を問わず、同じ条件で受講・修了できる
  • 修了試験の難易度は低く、受講をきちんとこなせばほぼ合格できる
  • 費用は0〜8万円、期間は1〜6ヶ月で取得できる
  • 初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネと、学歴不問のキャリアアップルートが明確に存在する
  • 介護業界は採用時も学歴より資格・意欲を重視する
  • 前職の社会人経験は介護の現場で確実に活きる

「学歴がないから介護の仕事に就けないかもしれない」という不安は、事実に基づいていない。資格と現場経験を積み上げることで、学歴に左右されない安定したキャリアを作れるのが介護業界の強みだ。最初の一歩は介護職員初任者研修の受講申込みだ。


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この記事の執筆・監修

大林 諒

株式会社Nexly 代表取締役

未経験からの転職支援に特化した転職エージェント「Re:WORK」を運営。求職者一人ひとりに寄り添ったキャリア支援を行い、長く働けるホワイト企業への転職を実現しています。

運営会社
株式会社Nexly
許可番号
有料職業紹介事業 28-ユ-301343
取扱求人数
44,692件以上

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