建設業界の年収は平均いくら?職種別・年代別の相場一覧

建設業界の平均年収は全業種より高い
全業種の給与所得者の平均給与は487万円(国税庁「民間給与実態統計調査」令和7年分)だ。建設業は資格と経験が給与に反映されやすく、職種や会社によっては平均を上回る。業種別の水準は同調査の統計表で確かめられる。建設関連の職種では、建築技術者の年収が679万円、土木技術者が625万円、測量技術者が543万円だ(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別・企業規模10人以上。年収は きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額 で計算)。これは経験者を含む全年齢の平均で、入社直後はこれより低いことが多い。
ただし「建設業界」と一口に言っても、職種・雇用形態・企業規模・地域・保有資格によって年収の差は非常に大きい。同じ業界内でも職種や資格の有無で年収に大きな差が出る。
この記事では建設業界の年収を職種別・年代別・資格別・企業規模別に詳しく解説し、年収を上げるための具体的な方法まで紹介する。
建設業界の職種別年収ランキング
建設業界の職種は大きく「施工管理系」「設計・技術系」「現場作業系(職人)」「営業・事務系」に分類できる。職種ごとの年収の上がり方を詳しく解説する。
施工管理系の年収
施工管理は建設現場の工程・品質・安全・コストを管理する職種で、建設業界の中核をなすポジションだ。
| 役職・資格 | 給与の上がり方 | 求人票で見る点 |
|---|---|---|
| 施工管理(1〜3年目) | 現場で工程・安全・品質管理を学ぶ時期で、他職種の若手と大きくは変わらない | 資格取得の支援制度の有無 |
| 施工管理(4〜8年目) | 2級施工管理技士などの取得で資格手当がつき、担当できる現場が広がる | 資格手当の額と支給条件 |
| 工事主任・現場代理人 | 1級施工管理技士などの資格と担当する現場の規模が給与に反映される | 役職手当・現場手当の内訳 |
| 所長・工事部長クラス | 会社規模と役職で差が大きく、条件は個別に決まることが多い | 残業代の扱い・賞与の有無 |
施工管理職は1級・2級施工管理技士の資格取得によって年収が上がりやすい。1級施工管理技士を取得すると、資格手当が上乗せされる企業が多い(額は会社ごとに違うので求人票で確かめる)。
また、大手ゼネコン(スーパーゼネコン)の施工管理は一般に給与水準が高いとされる。各社の平均年収は有価証券報告書で確かめられる。
建築士・設計系の年収
建築士は設計・監理を行う専門職で、資格の種類(一級・二級・木造)によって業務範囲と給与が大きく異なる。
| 職種・資格 | 給与の上がり方 | 求人票で見る点 |
|---|---|---|
| 二級建築士(1〜5年目) | 扱える建物の規模に制限があり、実務経験を積みながら上位資格をめざす | 受験支援・資格手当の有無 |
| 一級建築士(1〜5年目) | 資格手当がつく会社が多く、担当できる設計の範囲が広がる | 資格手当の額と条件 |
| 一級建築士(5〜15年目) | 経験と実績に応じて責任のあるポジションを任され、給与に反映される | 役職と評価制度 |
| 設計部門管理職 | 会社規模と役職で差が大きい | 賞与・役職手当の内訳 |
建築技術者(設計・施工管理など)の年収は679万円で、20〜24歳は411万円、30〜34歳は636万円、50〜54歳は808万円と年齢とともに上がる(出典・計算は前述と同じ)。設計事務所のタイプによって給与の水準は変わる。アトリエ系設計事務所(有名建築家の設計事務所)は経験を積んでも給与が伸びにくいことがある一方、大手ハウスメーカーや総合建設会社では安定した給与体系が整っていることが多い。
土木技術者系の年収
インフラ整備(道路・橋梁・トンネル・ダム)を担う土木技術者の年収の上がり方を解説する。
| 職種・資格 | 給与の上がり方 | 求人票で見る点 |
|---|---|---|
| 土木施工管理(1〜3年目) | 現場で測量・施工管理を学ぶ時期。資格取得で上がっていく | 資格取得の支援制度 |
| 土木施工管理(4〜10年目) | 1級土木施工管理技士の取得で担当できる工事が広がる | 資格手当・現場手当 |
| 技術士(建設部門) | 最難関の資格の1つで、取得すると評価が大きく変わる | 資格手当・役職への反映 |
| 土木工事現場所長 | 工事の規模が大きいほど所長手当・残業代が増える | 所長手当・残業代の扱い |
技術士(建設部門)は建設業界最難関の国家資格の1つで、取得後は評価が大きく上がる。土木技術者全体の年収は625万円で、30〜34歳は599万円、50〜54歳は726万円だ(出典・計算は前述と同じ)。
現場作業職(職人)の年収
現場で実際に施工を行う職人の年収は、職種・経験年数・独立の有無によって大きく異なる。
| 職種 | 年収(統計値)と特徴 | 独立後 |
|---|---|---|
| 大工 | 485万円(統計の職種名「大工」)。経験年数と腕で差がつく。見習いから技術を積む | 独立すると請負の仕事量しだいで収入が変わる |
| 電気工事士 | 628万円(統計の職種名「電気工事従事者」)。資格(第一種・第二種)の有無で任される仕事が変わる | 独立後は元請けとの関係で収入が左右される |
| 配管工・水道工 | 523万円(統計の職種名「配管従事者」)。資格と経験で任される現場が広がる | 独立後は仕事の確保が収入を左右する |
| 溶接工 | 455万円(統計の職種名「金属溶接・溶断従事者」)。扱える溶接の種類や資格で評価が変わる | 独立後は受注先しだい |
| とび工 | 415万円(統計の職種名「建設躯体工事従事者」)。経験と技能で役割が上がる | 独立後は元請けとの関係しだい |
| クレーン運転士 | 587万円(統計の職種名「クレーン・ウインチ運転従事者」)。資格が必須で、有資格者は需要が高い | 独立後は受注先しだい |
| 掘削・発破工 | 特殊な資格・技術が必要で、単価が高めになりやすい | 独立後は受注先しだい |
掘削・発破工は特殊な資格・技術が必要なため単価が高くなりやすい。クレーン運転士も資格が必須で、需要が安定している。
独立(一人親方・法人化)すると、仕事の取り方しだいで収入が会社員時代より増えることもある。ただし独立には元請けからの仕事を安定的に確保できる人脈と、社会保険・税務処理の自己管理能力が必要だ。
建設業界の営業・コンサルティング系の年収
| 職種 | 給与の特徴 | 求人票で見る点 |
|---|---|---|
| ハウスメーカー営業 | インセンティブ制度があり、成績で収入が大きく変わる | 固定給とインセンティブの割合 |
| 不動産デベロッパー | 会社規模と役割で差が大きい | 賞与の算定方法 |
| 建設コンサルタント | 技術士などの資格で評価が上がる | 資格手当・残業代の扱い |
| 積算・見積担当 | 積算の経験と資格で担当できる案件が広がる | 資格手当の有無 |
ハウスメーカーの営業職はインセンティブ制度があるため、成績次第で年収が大きく変わる。成績が振るわない場合は固定給のみに近くなるので、固定給の水準を求人票で確かめておく。
建設業界の年代別平均年収
建設業界の年収は年代・経験とともに上昇する傾向があり、経験を積んだ40〜50代で高くなるケースが多い。下の表は職種別の年齢階級別の年収で、(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別・企業規模10人以上。年収は きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額 で計算)。「建築技術者」「土木技術者」は建設業の技術者全体の値で、入社直後の未経験者はこれより低いことが多い。
| 年代 | 建築技術者の年収 | 土木技術者の年収 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 411万円 | 435万円 |
| 25〜29歳 | 551万円 | 555万円 |
| 30〜34歳 | 636万円 | 599万円 |
| 35〜39歳 | 710万円 | 668万円 |
| 40〜44歳 | 747万円 | 625万円 |
| 45〜49歳 | 765万円 | 686万円 |
| 50〜54歳 | 808万円 | 726万円 |
| 55〜59歳 | 880万円 | 735万円 |
建設業界は他の業種と比較して年功序列の傾向が残っており、経験年数と資格の積み重ねが年収に直結する。20代は資格取得に向けた下積みの時期だが、30代以降で資格を取得し管理職・現場代理人に昇格すると年収が伸びやすい。
建設業界の資格別・年収アップ効果
建設業界では資格取得が年収に直結する。国家資格を持つ人材は企業にとって「配置資格」として価値があるため、資格手当・昇格・転職市場での評価が大きく変わる。
施工管理系の主要資格と年収アップ効果
| 資格名 | 難易度 | 資格手当 | 転職時の評価 |
|---|---|---|---|
| 2級施工管理技士 | 中 | 会社ごとに設定 | 応募できる求人が増える |
| 1級施工管理技士 | 高 | 会社ごとに設定 | 配置資格として評価されやすい |
| 二級建築士 | 中 | 会社ごとに設定 | 設計・施工の求人で評価される |
| 一級建築士 | 非常に高 | 会社ごとに設定 | 設計・監理の求人で重視される |
| 技術士(建設部門) | 最高難度 | 会社ごとに設定 | 専門職として高く評価される |
| 一級土木施工管理技士 | 高 | 会社ごとに設定 | 配置資格として評価されやすい |
現場系の主要資格と年収アップ効果
| 資格名 | 難易度 | 資格手当 | 転職時の評価 |
|---|---|---|---|
| 第一種電気工事士 | 中〜高 | 会社ごとに設定 | 応募できる現場が広がる |
| 第二種電気工事士 | 低〜中 | 会社ごとに設定 | 電気工事の入口として評価される |
| クレーン・デリック運転士 | 中 | 会社ごとに設定 | 有資格者の需要がある |
| 玉掛け技能講習 | 低 | 会社ごとに設定 | 現場作業で必須になりやすい |
| フォークリフト運転技能講習 | 低 | 会社ごとに設定 | 資材運搬の現場で歓迎される |
資格取得の優先順位と戦略
建設業界で最も投資対効果が高い資格取得の順序を整理する。
- STEP1(入社1〜2年目):2級施工管理技士を取得する。学習時間300〜400時間。資格手当がつく会社が多い
- STEP2(入社3〜5年目):1級施工管理技士を取得する。現場代理人資格として企業から評価される。学習時間400〜600時間
- STEP3(入社5〜10年目):業種に応じて一級建築士・技術士・電験三種などの上位資格に挑戦する
- STEP4(管理職昇格後):スーパーゼネコン・大手への転職か、現職での管理職昇格によるステップアップ
建設業界の企業規模別年収比較
同じ職種・資格でも勤める企業の規模によって年収は大きく変わる。
スーパーゼネコン(大林組・鹿島・清水・竹中・大成)
スーパーゼネコンは建設業界の中でも給与水準が高いとされる。採用難易度は非常に高く、学歴を重視する傾向もある。各社の平均年収は有価証券報告書で確かめられる。
大手ゼネコン(スーパーゼネコン以外の上場大手)
大手ゼネコン(西松建設・戸田建設・安藤ハザマなど)はスーパーゼネコンより採用難易度は低いが、給与水準・福利厚生ともに整っている。
中堅ゼネコン・準大手
売上高100〜500億円クラスの中堅ゼネコンは、地域特化型の企業が多く、地方での安定した就業環境を重視する場合は有力な選択肢になる。
中小建設会社・地場工務店
従業員数が50名以下の中小建設会社・地場工務店は、給与水準が会社ごとに大きく違う。社員数が少ない分、若いうちからプロジェクト責任者を任されるケースも多く、スキル・経験の蓄積は速い。
独立・一人親方
技術力・人脈次第で年収が大きく変わるのが独立・一人親方だ。電気工事・配管工・大工などの職種で10年以上の実績があり、元請けからの安定した仕事があれば会社員時代より収入を増やせる可能性がある。
建設業界の地域別年収差
建設業の年収は勤務地によっても大きく変わる。東京・大阪などの都市部と地方では、同職種でも年収に差が出ることが多い。
| 地域 | 給与水準の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京・神奈川 | 相対的に高い傾向 | 大型案件・大手企業が集中、給与水準が最も高い |
| 大阪・名古屋 | 東京に次ぐ傾向 | 東京に次ぐ水準、大型再開発案件も多い |
| 福岡・札幌・仙台 | 都市部よりやや低めの傾向 | 地方中核都市、生活コストが低く実質的な豊かさは高い |
| その他地方 | 地域差が大きい | 給与水準は低いが地域密着の安定性がある |
ただし地方ほど生活コストが低いため、実質的な生活水準は年収の差ほど大きくないケースもある。特に住宅コスト・交通費の差が大きい。
建設業界で年収を上げる5つの方法
方法1:資格を取得して資格手当を増やす
前述の通り、建設業界は資格手当の制度が充実している。1級施工管理技士や一級建築士の取得で年収アップが見込める。特に1級施工管理技士は取得難易度が中〜高程度で、適切な学習戦略で1〜2年での合格が目指せる。
方法2:転職で年収アップを実現する
建設業界は深刻な人手不足が続いており、経験者・資格保有者の転職市場での需要は非常に高い。現職の年収に不満がある場合、同職種での転職によって年収アップをめざせる。
特に施工管理職・建築士は転職市場での需給が逼迫しており、転職エージェントを通じた交渉で内定後に年収を上積みできるケースも多い。
方法3:管理職・現場代理人へのステップアップ
現場代理人(現場所長)は工事の全責任を担うポジションで、その分年収が大きく上がる。施工管理職で5〜8年の経験を積み、1級施工管理技士の資格を取得した後に現場代理人として昇格するルートが最も一般的だ。
方法4:スーパーゼネコン・大手への転職
中小建設会社から大手ゼネコンへの転職は、同じ職種でも年収が大きく上がるケースがある。1級施工管理技士・一級建築士などの資格保有者であれば、大手への転職で一気に年収水準を引き上げることが可能だ。
方法5:独立・一人親方として独立する
技術職(大工・電気工事士・配管工など)は独立によって年収が大幅に増加するポテンシャルがある。ただし独立には元請けとのネットワーク・資金管理・税務知識が必要なため、会社員として10年以上の経験を積んだ後に検討するのが現実的だ。
建設業界の将来性と年収動向
建設業界の年収は今後も上昇傾向が続くと予測される。主な理由は以下の3点だ。
人手不足による待遇改善
建設業界は深刻な人手不足が続いており、特に施工管理・現場職人は全国的に不足している。2024年4月からの「2024年問題」(時間外労働の上限規制)により、人手確保のために各社が給与水準を引き上げる動きが加速している。
大型インフラ整備・再開発案件の継続
国土強靭化計画・リニア新幹線・大阪・関西万博後の再開発・老朽化インフラの更新など、中長期で大型案件が継続する見通しだ。建設需要が旺盛な環境が続く中で、技術者の市場価値は高止まりが続く。
建設DXによる新しいキャリアの誕生
BIM(Building Information Modeling)・ドローン活用・AI施工管理など、建設×デジタル分野の人材需要が急速に拡大している。従来の施工管理スキルにデジタルスキルを掛け合わせた人材は、通常の建設技術者より高い年収を提示されるケースが増えている。
建設業界の給与体系と手当の仕組み
建設業界の年収は「基本給+諸手当+賞与」で構成されている。手当の内訳を理解することで、求人票の額面年収と実態の差を正確に把握できる。
建設業界でよく見られる手当の種類
| 手当の種類 | 金額の決まり方 | 支給対象 |
|---|---|---|
| 資格手当 | 資格・会社ごとに設定 | 施工管理技士・建築士・技術士など保有者 |
| 現場手当 | 会社ごとに設定 | 現場常駐者・危険地域担当者 |
| 残業代 | 法定の割増率(時間外は25%以上、月60時間超は50%以上)以上 | 時間外労働分(2024年問題で上限規制) |
| 住宅手当 | 会社ごとに設定 | 企業・雇用形態によって異なる |
| 役職手当 | 役職・会社ごとに設定 | 主任・課長・部長・所長クラス |
| 単身赴任手当 | 会社ごとに設定 | 転勤・出張ベースの現場担当者 |
建設業界の残業代の実態
2024年の「建設業の残業規制」施行前は、長時間の残業が常態化している現場も多く、残業代が実質的な年収の大部分を占めるケースがあった。規制施行後は残業削減と基本給引き上げへの転換が進んでいる。求人票の年収欄に残業代が含まれているかどうかは、応募前に必ず確認すること。
建設業界への転職で年収を上げるポイント
他業界から建設業界に転職して年収アップを狙う場合、以下のポイントを押さえておく必要がある。
建設業界未経験での転職可能な職種
- 施工管理アシスタント:未経験可の求人が多く、入社後に資格取得を支援する会社が多い
- ハウスメーカー営業:未経験採用が多く、成績次第で高収入が狙える
- 建設コンサルタントの事務・営業サポート:専門知識より汎用的なビジネススキルが求められる
- 不動産デベロッパーの事業推進:マーケ・法務・金融知識が重視される職種
転職活動で年収交渉を成功させるコツ
建設業界の転職では保有資格・経験年数・管理した現場規模(工事金額・延床面積等)が年収交渉の材料になる。職務経歴書に「担当した工事の金額・規模・役割」を具体的に記載することで、交渉力が上がる。
未経験から建設業界への転職で失敗しない3つのポイント
- 施工管理の資格取得スケジュールを確認する:未経験で入社後、2級施工管理技士の受験資格が付与されるまで1〜3年かかる会社が多い。入社前に「いつ資格受験の機会を得られるか」を確認する
- 現場手当・残業代込みの年収か否かを確認する:建設会社の求人票は残業代・現場手当込みの年収表示が多い。基本給ベースの年収と手当の内訳を必ず聞く
- 転勤・出張の有無を把握する:全国規模の現場を担当する大手ゼネコンは全国転勤が前提となる場合が多い。家族・生活環境の制約がある場合は地域密着型の中堅・中小を選ぶ
建設業界の働き方改革と年収への影響
2024年4月の時間外労働上限規制の施行は、建設業界の年収構造に直接的な影響を与えている。
2024年問題が年収に与えた影響
建設業界では2024年4月から年間360時間(特別条項で720時間)の時間外労働上限規制が適用された。これにより、以前は長時間の残業で得ていた残業代収入が減少した会社員が出ている一方で、各社が基本給・固定手当の引き上げで対応している。
基本給を引き上げて残業代に依存しない年収構造へ転換する会社が増えている。
週休2日制の普及と年収への影響
国土交通省が推進する「建設業の週休2日制」は2024年度から公共工事で原則適用となった。民間工事でも週休2日への移行が進んでおり、労働時間が短縮される分を基本給の増加で補う動きが加速している。同じ年収でも労働時間が減れば時給単価は向上する。
ゼネコンの年収ランキング|主要企業の平均年収比較
代表的な建設会社・ハウスメーカーの給与水準の傾向を整理する。
| 企業カテゴリ | 代表企業例 | 給与水準の傾向 |
|---|---|---|
| スーパーゼネコン | 大成建設・大林組・鹿島建設・清水建設・竹中工務店 | 建設業界の中でも高い水準 |
| 大手ゼネコン | 西松建設・戸田建設・安藤ハザマ・長谷工コーポレーション | スーパーゼネコンに次ぐ水準 |
| 大手ハウスメーカー | 積水ハウス・大和ハウス・住友林業・パナソニックホームズ | 営業職はインセンティブで差が出る |
| 大手リフォーム・リノベーション | リノベる・HAGS・大和ハウスリフォーム | 会社ごとの差が大きい |
| 大手建設コンサルタント | 日本工営・建設技術研究所・八千代エンジニヤリング | 専門職として資格が評価される |
| 地方中堅ゼネコン | (地域密着型各社) | 地域と会社ごとの差が大きい |
スーパーゼネコンの給与水準は高いとされる。ただし採用競争が非常に激しいため、中途採用は1級施工管理技士・一級建築士などの最上位資格と大型現場の管理経験が事実上の必要条件になっている。
現場所長の年収はいくら?年代・資格・会社規模でどう変わるか
施工管理の到達点のひとつが現場所長(現場代理人・作業所長)だ。年収は会社や現場によって大きく違い、次の4つで上下する。
| 変動要因 | 年収が高くなる条件 | ポイント |
|---|---|---|
| 会社規模 | スーパーゼネコン・準大手 > 中堅 > 地場 | 大手ほど給与水準が高い傾向。会社ごとの差が大きい |
| 保有資格 | 1級施工管理技士(建築・土木)、一級建築士、技術士 | 1級は資格手当がつく会社が多く、監理技術者として配置できる現場が増える |
| 年代・経験 | 30代後半で所長デビュー、40代で大型現場 | 経験を積むほど高くなる傾向 |
| 工事の種類・規模 | 大型の公共土木、再開発、プラント | 工事規模が大きいほど所長手当・残業代が増える |
年収の内訳で見落とされがちなのが残業代と現場手当だ。所長は管理監督者として残業代が付かない会社と、管理職でも時間外を払う会社に分かれ、同じ基本給でも手取りが大きく違うことがある。転職の面接では「所長の残業代の扱い」「現場手当の月額」を必ず聞く。
参考までに、Re:WORKの求人データベース(2026年10月時点)にある建築・土木・設備の求人2,049件では、月給の下限の中央値が24.5万円、上限の中央値が37.5万円で、上限側の幅が他職種より大きい。経験と資格で給与が大きく変わる職種であることの表れで、所長クラスになると求人票の上限を超える条件が個別に提示されることも多い。
よくある質問(FAQ)
Q. 建設業界で一番年収が高い職種は何ですか?
企業規模・役職まで含めると、スーパーゼネコンの役員・部門長クラスが最も高くなる。一般的な職種レベルでは技術士(建設部門)・1級施工管理技士を保有した現場所長クラスが高い水準にある。現場職人では掘削・発破工など特殊な資格が要る職種の単価が高くなりやすい。
Q. 未経験から建設業界に入って年収を上げるには何年かかりますか?
施工管理職として未経験入社した場合、入社から5〜7年で2級施工管理技士を取得し主任レベルになると、給与が上がっていく。1級施工管理技士を取得して現場代理人になると、さらに上がる。資格取得への積極性と現場経験の蓄積が年収上昇のスピードを左右する。
Q. 建設業界の年収は残業代を含んでいますか?
多くの建設会社では残業代・資格手当・現場手当が年収に含まれている。2024年問題(時間外労働上限規制)の施行後、各社が残業削減と基本給の引き上げを進めているため、今後は基本給ベースの年収水準が上昇するトレンドが続く見通しだ。
Q. 女性は建設業界で活躍できますか?年収は男性と同じですか?
近年「建設業界の女性活躍」は政策・企業の取り組みで急速に進んでいる。施工管理・設計・積算・建設コンサルタントでは同資格・同経験であれば男女で年収差はほぼない。一方で現場職人(肉体労働が主体の職種)は女性の参入が少ない分野で求人・前例ともに少ない。
Q. 建設業界は「きつい・危険・汚い」の3K職場は本当ですか?
過去の建設業界は確かに3Kのイメージが強かった。しかし近年は週休2日制の導入・安全管理の徹底・ICT活用(BIM・ドローン・AI)による効率化が進み、労働環境は大きく改善されている。特に大手ゼネコン・ハウスメーカーでは完全週休2日・残業時間の上限管理・快適な現場事務所が整備されているケースが増えている。
Q. 施工管理と現場職人ではどちらが年収が高いですか?
キャリア中盤以降は施工管理の方が年収が高い傾向がある。施工管理は管理職への昇格・資格取得による手当増加・大手への転職によって年収を伸ばしやすいのに対し、現場職人は独立しない限り伸びが頭打ちになるケースが多い。ただし独立した職人は収入を大きく伸ばせることもあり、独立志向の強い人には職人の方がポテンシャルが高い。
Q. 転職で建設業界の年収を上げるには何が有効ですか?
最も有効なのは1級施工管理技士・一級建築士などの上位資格を取得した後に転職することだ。資格保有者は転職市場で引く手あまたな状態が続いており、エージェント経由で複数の内定を競わせることで年収交渉に有利な状況を作れる。希望額は、現職の年収と担当してきた現場の規模を根拠に伝えるとよい。
まとめ:建設業界の年収と転職戦略
建設業界の年収について重要なポイントを3点にまとめる。
- 建設業は職種と資格で給与の差が大きい:経験を積んだベテラン技術者ほど給与が高くなりやすい
- 資格取得が年収に直結する業界:1級施工管理技士・一級建築士・技術士の取得で年収アップが見込める
- 人手不足が続き転職市場での需要は旺盛:経験3〜5年以上の施工管理・技術者は引く手あまたで、転職による年収アップの機会が多い
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