不動産事務は未経験でも転職できる?仕事内容と現実を解説

不動産事務は未経験でも転職できる
不動産業界は常に人手不足の状態が続いており、未経験可の事務求人が比較的多い業界だ。国土交通省の調査によると不動産業の従業員数は増加傾向にあり、人材需要は堅調に続いている。
未経験でも転職できる理由の一つは、業界特有の知識(物件情報・契約書類・法律知識)は入社後に習得できる部分が多く、「習得意欲・正確さ・コミュニケーション能力」を評価する採用スタイルが一般的だからだ。
ただし転職後の現実を知らないまま入社すると、「思っていたより書類処理が複雑」「繁忙期がきつい」という後悔につながる。本記事では不動産事務の仕事内容・年収・未経験採用の現実・成功のポイントを徹底解説する。
不動産事務の仕事内容:具体的に何をするのか
「不動産事務」と一口に言っても、働く会社の業態によって仕事内容が大きく変わる。まず業態別の仕事内容を把握しよう。
賃貸仲介会社での仕事内容
- 来店客の受付・案内
- 物件情報の入力・更新(SUUMOなどポータルサイトへの掲載)
- 賃貸借契約書の作成・製本・郵送
- 入居審査書類の収集・チェック
- 家賃管理・滞納対応(管理会社との連絡)
- 電話・メールでの問い合わせ対応
売買仲介会社での仕事内容
- 売買契約書・重要事項説明書の補助作成
- 住宅ローン手続きのサポート(銀行との連絡・書類整理)
- 登記申請の補助(司法書士・法務局との連絡調整)
- 物件資料(チラシ・図面)の作成・管理
- 顧客情報のCRM入力・管理
管理会社での仕事内容
- 入居者からのクレーム・修繕依頼の受付・手配
- 修繕業者との連絡調整
- 管理費・修繕積立金の収納管理
- 建物点検の手配・報告書作成
- 管理組合・オーナーへの報告書作成
デベロッパー・建設会社での仕事内容
- 許認可申請書類の作成・管理
- プロジェクト進捗管理補助
- 協力会社との連絡・書類授受
- 販売資料・プレゼン資料の作成
共通する基礎業務
業態を問わず共通する業務は「電話・メール対応」「書類作成・管理」「データ入力」「来客対応」だ。不動産特有の書類(契約書・重要事項説明書・登記関係書類)の処理方法は業務を通じて習得できる。
不動産事務の年収:未経験スタートからどこまで上がるか
年収は転職判断の重要な基準だ。不動産事務の年収の実態を正直に伝える。
未経験スタートの年収相場
- 20代・正社員・未経験スタート:月給18〜22万円(年収230〜270万円)
- 経験1〜3年:月給22〜28万円(年収270〜340万円)
- 宅建取得後:月給25〜32万円(年収300〜390万円)
業態・企業規模による年収差
- 大手デベロッパー・大手仲介チェーン:年収350〜450万円(福利厚生充実)
- 中堅不動産会社:年収280〜360万円(昇給は会社業績次第)
- 中小・個人不動産会社:年収230〜300万円(宅建手当で上乗せあり)
宅建取得による年収アップ
不動産業界では宅地建物取引士(宅建)の資格手当が月1〜3万円支給される会社が多い。年収換算で12〜36万円のアップが見込める。また宅建取得後は重要事項説明などの独占業務が可能になり、業務の幅が広がるため昇給交渉の根拠にもなる。
仲介営業へ転向した場合の年収
事務経験を積んで仲介営業に転向すると、歩合制で年収600〜1,000万円超を狙えるようになる。不動産事務はこのキャリアパスを目指す人の「入口職種」として使われるケースも多い。
未経験からの転職における現実
「未経験歓迎」の求人が多い不動産事務だが、転職後の現実を事前に知っておくことで適切な企業選びができる。
繁忙期の実態(1〜3月)
不動産業界の最大の繁忙期は1〜3月の引越しシーズンだ。賃貸仲介・管理会社ではこの時期に受付・書類処理・問い合わせ対応が集中し、残業時間が月40〜60時間になる職場もある。「年間通じて残業少ない」と言っても、繁忙期だけ集中するタイプの忙しさは求人票に反映されにくい。面接時に「繁忙期(1〜3月)の残業実態を教えてください」と必ず確認しよう。
書類処理の専門性
不動産の契約書類・重要事項説明書は法的効力を持つ書類だ。記載ミスがあると契約トラブルに発展する。書類処理に厳格さが求められるため、几帳面で正確な作業が得意な人でないと精神的なプレッシャーがかかりやすい。
宅建の取得を求められるケース
採用時は不問でも「2〜3年以内に宅建取得」を条件にしている会社は多い。宅建の合格率は約15〜17%と難関であり、働きながら取得するには相当な学習時間(300〜400時間程度)が必要だ。入社後の宅建取得を前提にしている会社への転職を検討する場合、自分が受験に取り組める環境にあるか事前に確認することを推奨する。
業界のコンプライアンス意識
不動産業界は宅建業法・借地借家法・建築基準法など多数の法規制のもとで動いている。大手企業ではコンプライアンス研修が充実しているが、中小・個人系の会社では法律の扱いがグレーな場面もある。入社前に会社の評判・口コミ(転職口コミサイト)を調べておくことを推奨する。
不動産事務の年収を上げる5つの実践的戦略
戦略1:宅建取得を最優先にする
不動産業界で事務職として年収を上げるための最も確実な方法は、宅地建物取引士(宅建)の取得だ。宅建取得後の具体的な年収アップ効果を整理する。
- 資格手当:月1〜3万円の資格手当が支給される会社が多い(年収換算12〜36万円のアップ)
- 転職時の年収交渉力:宅建取得者は同経験・同年齢の未取得者より転職時の年収提示が50〜100万円高くなるケースが多い
- 業務の幅の拡大:重要事項説明・契約書審査など宅建士にしかできない独占業務が可能になり、キャリアアップにつながる
- 管理職・リーダー職への昇格:事務部門の責任者・管理職には宅建取得が事実上の要件になっていることが多い
戦略2:給与水準の高い企業・業態に転職する
不動産事務の年収は「どの会社・業態で働くか」によって大きく変わる。給与水準の高い企業への転職で年収アップを狙うことが有効だ。
- 大手デベロッパー系(三井不動産・住友不動産・東急不動産等):年収350〜500万円。グループ会社の福利厚生が充実
- 大手仲介チェーン(センチュリー21・エイブル・アパマンショップ等):全国規模の求人あり。年収300〜420万円。転勤可能なら条件が上がりやすい
- 不動産投資会社・REIT運用会社:AM(アセットマネジメント)補助業務を担う事務職は年収400〜600万円と高い。金融知識が求められるが、年収は大きく跳ね上がる
- 外資系不動産会社(JLL・CBRE・クッシュマン等):英語スキル必須だが、年収450〜700万円と高水準
戦略3:賃貸管理・不動産仲介の両方の経験を積む
賃貸管理の事務経験と仲介営業サポートの両方の経験を持つ人材は「不動産業界のゼネラリスト」として評価が高い。2〜3社を経験して業態をまたいだ経験を積むことで、転職市場での価値が上がる。
戦略4:不動産関連の上位資格取得でポジションを上げる
宅建の次に取得すべき不動産関連資格を整理する。
- 管理業務主任者:マンション管理会社で義務付けられた国家資格。宅建と試験範囲が重複しており、宅建取得後1〜2年で取得可能。月1〜3万円の手当
- 賃貸不動産経営管理士:2021年に国家資格化。賃貸管理に特化した資格で合格率30〜35%と取りやすい。賃貸管理会社への転職で評価される
- FP(ファイナンシャルプランナー)2級:不動産×資産運用の観点でオーナーに提案できるスキルの証明。収益物件の投資判断補助・税務相談のサポートができるようになる
- 不動産鑑定士補助:土地・建物の価値評価に関わる国家資格(最難関)。鑑定事務所・信託銀行への転職で活かせる。年収500〜800万円を目指すなら有効
戦略5:仲介営業へのキャリアチェンジを検討する
不動産事務から年収を最大化したい場合、仲介営業へのキャリアチェンジが最も効果的だ。不動産事務の経験者が仲介営業に転向すると、以下の強みが活かせる。
- 物件知識・業界用語・法律知識がベースにあるため、即戦力として評価される
- 顧客対応・書類処理のスキルがあり、営業事務と両立しやすい
- 宅建保有者は重要事項説明ができるため、即座に戦力になれる
歩合制の仲介営業では、年収600〜1,000万円超を狙うことも現実的だ。ただし安定収入が減る点は事前に覚悟しておく必要がある。
不動産業界の構造と事務職のポジションを理解する
不動産業界の「川上〜川下」構造
不動産業界は「川上(開発・デベロッパー)→川中(仲介・管理)→川下(賃貸・エンドユーザー)」という構造を持つ。この構造を理解することで、自分がどのポジションで働くかを明確にできる。
- 川上:デベロッパー・ゼネコン系:マンション・商業施設の企画・開発を担当。事務職は許認可書類・プロジェクト管理補助が中心。年収が高く、大手開発会社は年収350〜500万円
- 川中:仲介会社・管理会社:物件の売買・賃貸の仲介、管理業務を担当。事務職は最も求人数が多い。年収230〜350万円が多い
- 川下:ビル管理・施設運営会社:保有不動産の維持管理・運営を担当。事務職は設備管理記録・テナント対応の補助。年収260〜380万円
年収を最大化したいなら川上(デベロッパー)での事務職が最も有利だ。ただし採用基準が高く、競争率も高い。段階的に「管理会社→仲介会社→デベロッパー」とキャリアアップするルートが現実的だ。
不動産テックの台頭と事務職の将来性
不動産業界でもDX化(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいる。不動産テック(PropTech)の普及により、従来の事務業務の一部は自動化・効率化が進む見通しだ。
- 電子契約の普及:宅建業法改正(2022年)により不動産取引の電子契約が可能になった。書類の印刷・製本・郵送業務が減少しつつある
- 物件情報管理システムのDX:SUUMO・LIFULL・AtBBなどのポータルサイトとの自動連携で、物件情報の手動入力が減少
- AI査定・VR内見の普及:来店せずに物件選びが完結するサービスが増えており、来店受付業務が減少傾向
一方で「DXを推進する人材」としてITリテラシーが高い事務職の需要は増加する。クラウドサービス・電子契約システム・物件管理SaaSの操作スキルを習得することで、「DX対応できる事務スタッフ」として差別化が図れる。
不動産事務の転職活動:書類・面接の具体的な準備
職務経歴書で評価される「不動産事務スキル」の書き方
不動産事務への転職時の職務経歴書で、採用担当者が評価するポイントを示す。
- 取り扱った書類の種類と量:「月平均○件の賃貸借契約書の作成・管理」「年間○件の登記関連書類の処理」など、具体的な数字を入れる
- PCスキルの具体的な活用例:「Excelで物件管理台帳を作成・月次更新を担当」「Wordで契約書テンプレートを整備しミス率を○%削減」など、具体的な成果を示す
- 顧客・関係者対応の実績:「月○件の入居者問い合わせに対応」「仲介会社○社との日常的な連絡調整」など
- 宅建学習状況:「現在宅建の学習中(○月受験予定)」と記載することで学習意欲が伝わる
面接で必ず聞かれる質問と回答例
- 「なぜ不動産業界を選んだか」:「不動産は人の生活の最も重要な基盤。契約・管理を正確に支える事務として長期的に貢献したい」という方向性で具体的なエピソードを添えて回答する
- 「宅建の取得は考えているか」:「現在学習中で○月の試験を受験予定」または「入社後3年以内に必ず取得する意思がある」と明言する
- 「繁忙期(1〜3月)の残業は問題ないか」:「前職でも繁忙期対応の経験があり、優先順位をつけて処理できる」など前職での経験と結びつけて答える
不動産事務に向いている人・向いていない人
向いている人
- 細かい書類作業が苦にならず、正確さに自信がある
- 不動産・住まいに興味があり、業界知識を積極的に学べる
- 宅建取得に挑戦する意欲がある
- 繁忙期の忙しさも含めてメリハリのある働き方を楽しめる
- 将来的に仲介営業にキャリアチェンジする可能性がある
- 複数の案件・書類を並行して管理できる
向いていない人
- 書類の細かいミスチェックが苦手
- 繁忙期の残業増加が精神的・体力的にきつい
- 宅建取得に興味がなく、専門知識を深める意欲が低い
- 不動産業界の体育会系文化が合わない
不動産事務の「会社の見極め方」を徹底解説
転職前に必ず確認すべき10項目
不動産業界は会社によって労働環境・コンプライアンス意識・職場の雰囲気が大きく異なる。以下の10項目を転職前に確認することで、入社後の「こんなはずじゃなかった」を防げる。
- 1. 繁忙期(1〜3月)の実際の残業時間:「年間通じて残業少ない」でも繁忙期だけ月60時間残業というケースは多い。具体的な月別の残業時間を確認する
- 2. 宅建取得の条件・タイムライン:「2年以内に宅建取得が必須」なのか「推奨」なのかを確認。必須の場合は学習支援(費用補助・受験休暇)の有無を確認する
- 3. 雇用形態と正社員登用実績:「正社員登用あり」の実績(過去3年で何名登用されたか)を具体的に確認する
- 4. 前任者の退職理由:「前任者はなぜ退職されたのですか?」と直接聞く。言葉を濁す場合は注意が必要
- 5. 事務職と営業職の関係性:「事務は営業のサポート」という位置づけが過度に強い場合、事務職が過重負担になりやすい
- 6. 平均勤続年数:事務スタッフの平均勤続年数を確認する。3年未満が多い場合は離職率が高い可能性がある
- 7. 法令遵守(コンプライアンス)の意識:宅建業法・個人情報保護法への対応状況を確認する。研修が定期的に行われているかを聞く
- 8. 女性の働きやすさ:産休・育休の取得実績・復職率・時短勤務制度の有無を確認する
- 9. 評価・昇給の仕組み:「頑張れば評価される」ではなく「どんな基準で評価が上がるか」を具体的に確認する
- 10. 社風・雰囲気:面接時の会社の雰囲気・担当者の言葉遣い・オフィスの清潔感を観察する。採用担当者の対応が良い会社は職場環境も良い可能性が高い
不動産業界の「ブラック企業」を見抜く方法
不動産業界には残念ながら労働環境に問題がある企業が一定数存在する。以下のサインが見られる場合は注意が必要だ。
- 求人票の給与欄に「◯◯時間分の固定残業代含む」の記載があり、時間数が40〜80時間と多い
- 求人が年中常に出ており、一度採用が止まることがない(離職率の高さのサイン)
- 面接で残業・給与・前任者退職理由の質問に対して曖昧または威圧的な回答がある
- 口コミサイト(転職会議・OpenWork)で離職理由の多くが「残業が多い」「マネジメントが問題」という内容
- 宅建業者免許の行政処分歴(国土交通省の「宅建業者の行政処分情報」で確認可能)がある
宅建資格の取得戦略:いつ・どう取得するか
不動産事務でキャリアを積むなら、宅建取得は避けては通れない。取得タイミングと学習戦略を整理する。
宅建試験の基本情報
- 試験日:毎年10月の第3日曜日(年1回のみ)
- 合格率:約15〜17%(合格基準点は例年35点前後 / 50点満点)
- 必要学習時間:300〜500時間(初学者の場合)
- 試験科目:宅建業法・民法・法令上の制限・税金・価格評定
転職前 vs 転職後の取得タイミング
転職前に取得できると書類選考の通過率が大幅に上がる。ただし300〜500時間の学習は時間的制約が大きい。現実的なアプローチとして、以下の2パターンが多い。
- パターンA:転職前に取得→書類通過率アップ・年収交渉の根拠になる
- パターンB:転職後1〜2年で取得→入社後に業務理解と並行して学習し、試験に臨む
30代以降での転職を考えている場合はパターンAが有効だ。20代で早めに入社したい場合はパターンBで入社後取得を目指すケースが多い。
効率的な学習方法
- 通信講座(スタディング・フォーサイトなど):5〜10万円程度、スキマ時間を活用できる
- 市販テキスト:「みんなが欲しかった!宅建士の教科書」などの定番テキストで独学も可能
- 過去問演習:宅建は過去問の繰り返しが最も効果的。過去10年分を3〜5周することが目安
転職成功のための具体的な準備
準備1:PCスキルを確認・強化する
不動産事務では物件情報の入力・管理、書類作成、データ集計にPCを多用する。Excel・Word・Outlookの基本操作は最低限習得しておくこと。物件管理システム(ReinsやAtbb)は入社後に学べるが、PCの基本操作に不安がある状態での入社は苦労する。
準備2:不動産業界の基礎知識を学んでおく
入社前に不動産業界の基礎知識を学んでおくと、面接での受け答えと入社後のキャッチアップが楽になる。
- 賃貸借契約の基本(敷金・礼金・仲介手数料の仕組み)
- 不動産登記の基礎(所有権・抵当権)
- 宅建業法の概要(重要事項説明・クーリングオフ)
宅建の入門テキストを読むだけでも、基礎知識の理解に役立つ。
準備3:志望動機に「業界への興味」を入れる
不動産業界での志望動機は「なぜ不動産か」を必ず入れる必要がある。「安定していそう」「事務がしたい」だけでは採用されない。
例:「現在賃貸物件の契約に関わった際、物件情報の管理・書類処理の重要性を実感しました。不動産は人の生活の基盤に関わる業界だと感じており、その一翼を担う事務職として正確で丁寧な業務を積み上げていきたいと考えています」
準備4:転職エージェントを活用する
不動産業界特化の転職エージェントを使うと、業界内の非公開求人にアクセスできる。業界の事情に詳しいエージェントは面接対策でも有用なアドバイスをくれる。
不動産事務のキャリアパス
事務の専門家として深める
- 宅建取得後に業務の幅を広げ、重要事項説明・契約書審査も担当
- 管理部門のリーダー・マネージャーポジションへ
営業・上流職種へのシフト
- 仲介営業へ転向:業界知識と顧客対応スキルを活かして営業へ。歩合込みで年収600万円超も
- マンション管理士・管理業務主任者を取得して管理業務のスペシャリストへ
- 不動産鑑定士補助・投資用不動産AM(アセットマネジメント)への転換
よくある質問(FAQ)
Q. 不動産業界は体育会系文化が強いが、事務職はどうか?
営業部門は体育会系の文化が残っている会社が多いが、事務部門は比較的穏やかな環境であることが多い。ただし会社の規模・社風によって大きく異なるため、面接時に「事務部門の雰囲気」を直接聞いてみることを推奨する。転職口コミサイトでの情報収集も有効だ。
Q. 不動産事務は宅建がないと転職できないか?
宅建なしでも未経験で採用している会社は多い。ただし宅建がある場合とない場合では、書類選考の通過率と年収提示額に明確な差が出る。時間的に可能であれば転職前の取得を推奨する。
Q. 繁忙期(1〜3月)以外は残業は少ないか?
繁忙期以外は比較的残業が少ない会社が多い。ただし決算期の書類整理・棚卸しなど、時期によって業務が集中することはある。年間を通じた残業実態を面接で確認することを強く推奨する。
Q. 不動産事務から他業界に転職しやすいか?
不動産知識・契約書類処理経験・顧客対応スキルは他業界でも評価される。特に建設業・金融(住宅ローン)・法律事務所(不動産案件)への転職は比較的しやすい。宅建を持っていれば転職市場での評価が上がる。
Q. 転職活動にどのくらい期間がかかるか?
未経験からの不動産事務転職は2〜4ヶ月が目安だ。繁忙期直前(10〜12月)に転職活動を開始すると、1〜3月の繁忙期に合わせて採用されやすい傾向がある。
不動産事務の「会社タイプ別」働き方の違い
不動産事務は会社の種類によって業務内容・労働環境・年収が大きく異なる。自分に合った会社タイプを事前に把握することで、入社後のギャップを防げる。
| 会社タイプ | 主な業務 | 平均年収 | 残業 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 賃貸仲介会社 | 申込対応・契約書類・入居審査 | 280〜380万円 | 繁忙期多め | スピード感・接客好きな人 |
| 売買仲介会社 | 物件資料作成・契約補助・登記手続き | 300〜420万円 | 中程度 | 法律書類・詳細作業が得意な人 |
| 不動産管理会社 | 入居者管理・工事発注・オーナー対応 | 290〜400万円 | 少〜中程度 | 継続的な関係構築が好きな人 |
| デベロッパー | 開発事務・プロジェクト補助・契約管理 | 350〜480万円 | 中〜多め | 大型プロジェクトに関わりたい人 |
| 不動産投資会社 | 投資物件管理・収益計算・投資家対応 | 320〜450万円 | 少〜中程度 | 数字・財務に興味がある人 |
未経験が入りやすいのは賃貸仲介・管理会社
未経験者が転職しやすいのは、採用数が多く求人数が豊富な賃貸仲介・管理会社だ。ただし繁忙期(1〜3月)の業務量と残業に備える必要がある。デベロッパー・不動産投資会社は求人数が少なく選考難易度が高いが、年収水準は高い。
不動産事務から「次のキャリア」へ進む方法
不動産事務を3〜5年経験した後、どのようなキャリアパスがあるかを示す。
宅建取得後:営業職・管理職へのシフト
宅建を取得した不動産事務は、営業職への異動・転職が現実的になる。不動産営業(売買・賃貸)は、インセンティブ込みで年収500〜800万円が目指せるポジションだ。事務職として顧客対応・書類処理の実務を経験した上での営業転向は、即戦力として評価されやすい。
マンション管理士・管理業務主任者:管理業務の専門家に
マンション管理組合のコンサルタント的役割を担う「マンション管理士」や、管理委託契約の締結に必須の「管理業務主任者」は、不動産管理会社・マンション管理会社でのキャリアアップに直結する資格だ。取得後は年収400〜550万円を狙えるポジションへの転換が可能だ。
土地家屋調査士・司法書士:法的手続きの専門家に
不動産登記・境界確定・相続不動産手続きに関わる法的専門職だ。取得難易度は高いが、独立開業も可能なキャリアが開ける。不動産事務で書類・法律的処理に慣れた人が目指しやすい資格のひとつだ。
不動産事務の転職活動:書類・面接対策の具体的ポイント
不動産事務への転職活動で評価される書類・面接の作り方を具体的に示す。
職務経歴書で強調すべき3点
- PCスキルの具体化:「Excel・Word使用」ではなく「Excel:VLOOKUPを使った顧客リスト管理・ピボットテーブルで月次集計実施」など具体的に書く
- 数字・正確性に関わる実績:「○○件の書類処理をミスなく完了」「○名の顧客対応を担当」など数字で実績を示す
- 宅建の学習状況:「現在宅建の学習中・○月受験予定」と明記することで「入社後に自己投資する意欲がある人」として評価される
面接で必ず準備すべき回答
- 「なぜ不動産業界か」:「不動産取引の重要な書類を正確に処理する仕事に興味を持った」「不動産は生活の根幹に関わる業界で長く関わりたい」など、業界への興味と結びつける
- 「繁忙期(1〜3月)の残業対応について」:「繁忙期の業務量増加は理解している。スケジュール管理と優先順位付けで対応できる」と前向きに答える
- 「宅建取得の計画について」:具体的な学習スケジュール(週○時間・○ヶ月後受験)を示すことで、本気度が伝わる
よくある質問(FAQ)—追加
Q. 不動産事務と不動産営業、どちらが向いているかわかりません。
迷っているなら「まず事務から入ることを推奨する」。不動産事務は業界の全体像・書類の流れ・法的手続きを体系的に学べるポジションだ。事務として不動産業界に慣れてから、宅建取得後に「営業に挑戦したい」と判断したタイミングで営業に転向する方が、業界知識なしにいきなり営業に入るよりリスクが低い。
Q. 不動産事務は転勤がありますか?
会社の規模・体制によって異なる。全国展開している大手不動産会社は転勤が発生する可能性がある。地域密着の中小・中堅企業や地域限定採用の求人を選ぶことで、転勤を避けやすい。転職時に「転勤なし」を条件として明示すれば、転職エージェントが条件に合った求人を絞り込んでくれる。
Q. 不動産事務未経験でも大手に転職できますか?
大手不動産会社(三井・三菱・野村・住友等系列)への未経験転職は難易度が高い。新卒採用・業界経験者を優先するケースが多い。ただし大手系列の管理会社・グループ会社は未経験採用を行っているケースもある。まず中堅・中小で経験を積み、宅建取得後に大手への転職を狙うルートが現実的だ。
まとめ:不動産事務への未経験転職は業界への興味と正確さが鍵
不動産事務は未経験でも転職できる。人手不足の業界であり、採用意欲の高い企業が多い。ただし法的書類の正確な処理・業界知識の習得・繁忙期の業務量増加など、入社後に対応すべき課題も存在する。
- PCスキル(Excel・Word)を事前に確認・強化する
- 不動産業界の基礎知識を入社前に学んでおく
- 「なぜ不動産業界か」を具体的に語れる志望動機を準備する
- 宅建取得を中期目標として設定する
- 転職エージェントを活用して非公開求人にアクセスする
- 入社後は宅建取得→営業・管理職への転換でキャリアを拡大する
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