営業職の種類一覧|未経験から入れる職種と選び方を徹底解説

未経験から入れる営業職の種類一覧|向いている人の特徴も解説

「営業職に転職したいけど、種類が多すぎて何を選べばいいかわからない」
「未経験でも入れる営業職はどれか、正直なところを知りたい」
こうした疑問を持つ人は多い。

営業職は一口に言っても、売る相手・売るもの・売り方によって仕事の中身がまったく異なる。間違った種類を選ぶと、「思っていたのと違った」と早期離職につながりやすい。入社後3ヶ月以内に「こんなはずじゃなかった」と感じる営業職転職者の多くは、職種の選び方ではなく「営業の種類の選び方」を間違えている。

この記事では、営業職の種類を体系的に整理し、未経験から入りやすい職種とその選び方まで詳しく解説する。どの種類を選ぶかで、入社後の成長スピードも年収も大きく変わる。自分に合う営業職を見極めるための情報をすべて詰め込んだ。

営業職の種類は「売る相手」「売るもの」「売り方」の3軸で分類される

営業職の種類を整理するうえで最初に理解しておくべきことは、「営業」という職種は3つの軸で分類できるという点だ。

  • 売る相手:法人向け(BtoB)か個人向け(BtoC)か
  • 売るもの:有形商材(物)か無形商材(サービス・情報)か
  • 売り方:新規開拓か既存フォローか

この3軸の組み合わせによって、営業の難易度・必要なスキル・向き不向きが大きく変わる。まず全体像を把握することが、自分に合った営業職を選ぶ第一歩だ。

たとえば「IT営業」と一言で言っても、「法人向け・無形商材・新規開拓」の組み合わせと、「法人向け・無形商材・ルート営業」の組み合わせでは、1日の仕事の中身がまったく異なる。前者は1日100件のテレアポをかけ続ける仕事であり、後者は既存顧客との関係を深めながら追加提案を行う仕事だ。求人票の「営業職」という表記だけで判断するのは危険で、この3軸で必ず中身を確認する必要がある。

BtoB営業(法人営業)とは何か

BtoB営業とは、企業(法人)を相手に商品やサービスを販売する営業形態だ。Business to Businessの略称で、相手は個人ではなく会社の担当者・経営者になる。

BtoB営業の特徴は以下の通りだ。

  • 購買決定まで複数の関係者が関わる(担当者・上司・経営層など)
  • 1件あたりの取引金額が大きい(数十万〜数億円規模)
  • 契約までのリードタイム(期間)が長い傾向がある
  • 論理的な提案・資料作成能力が求められる

稟議書(りんぎしょ)とは、社内で承認を得るための書類のことで、BtoB営業では顧客がこれを通して購買決定を進めることが多い。そのため、担当者だけでなく決裁者を動かすコミュニケーション力が問われる。

BtoB営業の強みは、スキルが汎用的に積み上がる点にある。「課題ヒアリング→提案→クロージング」という商談の型を一度習得すれば、業界を変えても通用する。転職市場でBtoB法人営業の経験者が評価されやすいのはこのためだ。1社での経験を2〜3年積んだあとに、より条件の良い企業へ転職するキャリアパスを描きやすい。

BtoC営業(個人営業)とは何か

BtoC営業とは、個人(消費者)を相手に商品やサービスを販売する営業形態だ。Business to Consumerの略称で、日常生活に近い商材を扱うことが多い。

BtoC営業の特徴は以下の通りだ。

  • 意思決定が速い(個人の判断で購買が完結する)
  • 感情・共感が購買動機に影響しやすい
  • 1件あたりの単価は低いが件数が多い
  • 成果がわかりやすく、インセンティブ報酬の職場が多い

BtoC営業は「人と話すのが好き」「感謝される瞬間をやりがいにしたい」という人に向いている。また、BtoBと比べて専門的な業界知識がなくても入りやすい求人が多く、未経験者のハードルが低い傾向がある。

ただし、BtoC営業には注意点もある。個人向けの営業は断られる頻度がBtoBより高く、精神的なタフさが求められる場面が多い。また、インセンティブ比率が高い職場では月によって収入が大きく上下するため、生活設計を立てにくいケースがある。収入の安定を求める人は、固定給比率が高い職場を選ぶことが重要だ。

営業職の種類一覧|売るものによる分類

次に、「何を売るか」による分類を見ていく。営業職は有形商材と無形商材に大きく分けられ、それぞれで求められるスキルが異なる。

有形商材営業(物を売る営業)の特徴

有形商材とは、実際に手で触れることのできる物理的な商品のことだ。製造業・医療機器・食品・自動車・不動産などがこれに当たる。

有形商材営業の主な特徴は以下の通りだ。

  • サンプルや実物を見せながら説明できるため、提案がイメージしやすい
  • 商品そのものの品質・機能が説明の根拠になる
  • 納品・在庫管理・アフターサポートが業務に含まれることが多い
  • 比較的未経験からでも説明しやすい

一方で、競合他社も同じような物を売っているため、「なぜこの商品か」という差別化提案力が必要になる場面も多い。有形商材営業では、商品の機能説明だけでなく「この商品を使うことで顧客の現場がどう変わるか」という視点で話せる人が成果を出しやすい。

また、有形商材は在庫・納期・物流が絡むため、社内の関係部門との調整力も求められる。単純に「売る」だけでなく、製造・物流・カスタマーサポートとの連携を円滑に進めるコーディネート力がある人が長期的に評価される。

無形商材営業(サービスを売る営業)の特徴

無形商材とは、実物が存在しない商品・サービスのことだ。IT・保険・人材・広告・コンサルティングなどがこれに当たる。

無形商材営業の主な特徴は以下の通りだ。

  • 価値を言葉や資料で説明しなければならず、抽象的な提案力が問われる
  • 顧客の課題を深くヒアリングし、解決策として提案する形が多い
  • 専門知識が必要な分野が多く、学習コストがかかる
  • 成果が出たときの顧客の変化が大きく、達成感を得やすい

無形商材営業はBtoBと組み合わさることが多く、IT・人材・コンサル系の営業職はその代表例だ。難易度は高めだが、スキルが身につけば転職市場での評価が上がりやすい。

無形商材営業で成果を出すカギは、「顧客が自分では言語化できていない課題を掘り起こす力」にある。顧客自身が「なんとなく困っている」と感じていることを、具体的な課題として整理し、解決策としてサービスを提示できる人が継続的に数字を作れる。この力はどの業界に転職しても通用するため、無形商材営業の経験は転職市場で特に高く評価される。

営業職の種類一覧|売り方による分類

同じBtoB・BtoCであっても、「どうやって売るか」によって仕事の性質が大きく変わる。ここでは売り方の種類を整理する。

新規開拓営業の特徴

新規開拓営業とは、まだ取引のない顧客に対してアプローチし、新たな契約を獲得することを目的とした営業スタイルだ。

  • テレアポ(電話でのアポイント取り)や飛び込み営業が主な手法
  • 断られることが多く、精神的なタフさが必要
  • 契約を取った瞬間の達成感が大きい
  • 成果がわかりやすく、インセンティブで高収入を狙いやすい

テレアポとは電話でアポイント(面談予約)を取る活動のことで、1日50〜100件架電するケースも珍しくない。打たれ強さとスピードの改善サイクルを回せる人が活躍しやすい。

新規開拓営業に向いているのは、「失敗を引きずらずに次に進める人」「数字で自分を管理できる人」だ。10件断られても11件目を淡々とかけられるメンタルと、「今日は何件アポが取れたか」を自分で記録・分析して改善できる習慣がある人が早期に結果を出す。逆に、人からの否定に敏感な人や、じっくり関係を築きたい人は、新規開拓よりもルート営業のほうが長続きしやすい。

ルート営業(既存顧客フォロー)の特徴

ルート営業とは、すでに取引のある顧客を定期的に訪問し、関係維持・追加受注・クロスセルを目的とした営業スタイルだ。

  • 既存の信頼関係をベースに進めるため、精神的な負荷が低め
  • 顧客の業界・課題への理解を深めることが成果に直結する
  • 急に大きな数字を求められることが少なく、初心者が入りやすい
  • 長期の人間関係構築が得意な人が向いている

クロスセルとは、既存顧客に別の商品・サービスを提案して追加受注することを指す。ルート営業はノルマが緩めなケースが多いが、現状維持で終わらず能動的に提案できる人が評価される。

ルート営業の最大の強みは、顧客との信頼関係が積み上がっていく点だ。担当して1年後、2年後と時間が経つほど顧客から相談が増え、提案が通りやすくなる。一方で、「既存の関係に甘えて提案をしない」状態になると、競合に切り替えられるリスクがある。顧客の状況変化・課題変化を常にキャッチアップし、タイムリーな提案ができる人がルート営業で長期的に成果を出し続けられる。

インサイドセールスの特徴

インサイドセールスとは、オフィス内からメール・電話・Web会議を使って営業活動を行うスタイルだ。フィールドセールス(外回り)の対義語として使われる。

  • 移動がなく、1日に多くの顧客と接触できる
  • データ・ツールを活用した効率的なアプローチが求められる
  • マーケティングチームとの連携が重要になる
  • IT企業やSaaS企業での求人が増加中

SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、月額・年額サブスクリプション型のクラウドサービスのことだ。インサイドセールスはこうしたIT系企業での求人が2020年以降に急増しており、未経験でも採用している企業が多い。

インサイドセールスには「SDR(セールスデベロップメントレップ)」と「BDR(ビジネスデベロップメントレップ)」という2つの役割がある。SDRはマーケティングが獲得したリード(見込み顧客)をフォローするインバウンド型、BDRは自らリストを作って架電するアウトバウンド型だ。未経験から入る場合はSDRから始める企業が多く、まず「アポイントを取ること」に特化した仕事からスタートできる。

フィールドセールスの特徴

フィールドセールスとは、顧客先に直接出向いて営業活動を行うスタイルだ。対面でのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築しながら商談を進める。

  • 対面ならではの信頼関係を築きやすい
  • 移動・準備・報告業務が多く、体力が必要
  • 資料・プレゼン・ヒアリング能力が複合的に問われる
  • 顧客の反応をリアルタイムで読み取れる

インサイドとフィールドを分業している企業では、インサイドがアポイントを取り、フィールドが商談を担う形が一般的だ。未経験入社の場合、まずインサイドセールスからスタートして、フィールドに移行するキャリアパスを設けている企業も増えている。

フィールドセールスは移動時間が多い分、1日に訪問できる件数には限界がある。都市部では1日3〜5件が一般的で、地方ルート営業では車で1日8〜10件を回るケースもある。外出・移動・雑談が苦にならない体力と、臨機応変な対応力が求められる仕事だ。

業界・業種別の営業職の種類一覧

営業職は業界によって仕事の中身・必要な知識・収入水準が大きく異なる。以下に代表的な業界ごとの営業職を整理する。

業界営業の種類商材例未経験入りやすさ
IT・SaaS法人向け無形商材業務システム・クラウドサービス★★★★
人材法人・個人向け無形商材人材紹介・派遣・求人広告★★★★★
不動産個人向け有形商材住宅・マンション・土地★★★
保険個人向け無形商材生命保険・損害保険★★★★
医療機器法人向け有形商材医療器具・医薬品★★
広告法人向け無形商材Web広告・メディア★★★
食品・消費財法人向け有形商材飲食店・小売向け食品★★★★
金融法人・個人向け無形商材融資・投資信託★★

IT・SaaS営業の特徴

IT・SaaS営業は、企業の業務効率化や課題解決を提案する法人営業だ。顧客の経営課題・業務フローを理解したうえで、どのシステムが適切かを提案する。

  • 未経験歓迎の求人が多く、入社後の研修が整っている企業が多い
  • 論理的思考力・ヒアリング力が成果に直結する
  • 平均年収は430〜600万円程度(経験・企業規模による)
  • 将来的にカスタマーサクセスやコンサルタントへのキャリアチェンジがしやすい

カスタマーサクセスとは、導入後の顧客が成果を出せるよう支援する職種のことだ。IT営業経験者がキャリアの選択肢として持っておきたい職種の一つである。

IT・SaaS営業で求められる知識は、入社後に習得できる範囲のものがほとんどだ。「プログラミングができないと無理」という誤解があるが、実際にはシステムの機能や導入効果を顧客にわかりやすく説明できれば問題ない。技術的な詳細はエンジニアやSEが説明するため、営業はあくまで「課題を理解してつなぐ役割」を担う。

人材営業の特徴

人材営業は、企業に対して求人広告・人材紹介・派遣スタッフを提案する法人営業と、求職者に対してキャリアアドバイスを行う個人向け営業の両方がある。

  • 業界・商材の専門知識よりも「人と向き合う力」が重視される
  • コミュニケーション力が高い人が活躍しやすい
  • 企業側と求職者側の両方をサポートするため、達成感が大きい
  • 未経験採用率が最も高い営業職の一つ

人材業界の法人営業(RA:リクルーティングアドバイザー)と個人営業(CA:キャリアアドバイザー)は分業制の会社が多い。それぞれの役割を理解して応募先を選ぶことが重要だ。

人材営業の独自の難しさは、「商材が人である」点にある。求職者の意向が変わったり、企業側の採用基準が変わったりと、コントロールできない変数が多い。プロセスを丁寧に管理しながら、複数の案件を並行して進める「マルチタスク力」が求められる。ただし、求職者が内定を受けた瞬間・転職に成功した瞬間の喜びは、他の営業職ではなかなか味わえないやりがいだ。

不動産営業の特徴

不動産営業は、住宅・マンション・土地などを個人客に提案するBtoC営業が主流だ。1件あたりの単価が高く、インセンティブによる収入アップが見込める。

  • 平均年収は400〜700万円(インセンティブ込み)
  • 宅地建物取引士(宅建)の資格があると評価される
  • 顧客の「人生最大の買い物」に関わる責任感がある
  • 土日出勤・夜間対応が多く、ライフスタイルとの相性を要確認

宅地建物取引士(宅建)とは、不動産取引に関する国家資格だ。未取得でも入社できる企業が多いが、入社後に取得を求められるケースがほとんどである。

不動産営業には「賃貸仲介」「売買仲介」「新築分譲」の3種類がある。未経験から入るなら、1件あたりの単価が低く商談サイクルが短い賃貸仲介からスタートするのがおすすめだ。売買・新築分譲は1件あたり数千万〜1億円規模の商談になるため、商品知識と顧客の信頼を積み上げてから挑戦するほうが無理がない。

保険営業の特徴

保険営業は、生命保険や損害保険を個人または法人に提案する営業だ。特に生命保険の個人向け営業は、未経験者でも挑戦しやすい職種として知られている。

  • 固定給が低めでインセンティブ比率が高い傾向がある
  • 知人・友人への営業から始まるケースが多い(注意が必要)
  • 長く顧客と付き合う関係性営業が主体
  • FP(ファイナンシャルプランナー)資格を取得することで提案幅が広がる

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、家計・資産・保険・税金など総合的なお金の知識を持つ資格保有者のことだ。保険営業では2〜3級の取得が推奨されることが多い。

保険営業に入る場合、「代理店型」か「直販型(生命保険会社の営業職員)」かで仕事の中身が変わる。代理店型は複数の保険会社の商品を扱えるため顧客への提案幅が広く、直販型より顧客満足を得やすい一方、会社によって研修や管理体制の差が大きい。未経験から入る場合は、研修制度・固定給・管理体制が整った代理店を選ぶことが重要だ。

未経験から入りやすい営業職の種類と条件

「未経験歓迎」と書かれた営業の求人は多いが、実際にはすべての職種が同じ難易度ではない。未経験から入りやすい営業職には、共通する条件がある。

未経験が入りやすい営業の3条件

以下の条件を満たす営業職は、未経験からでも入社しやすく、早期に成果を出しやすい。

  • 研修制度が整っている:ロールプレイング・OJT・メンター制度など、入社後の育成プログラムが明確に存在する
  • 商材がシンプル:説明が複雑でなく、短期間で習得できる商品・サービスであること
  • チームで動く文化がある:個人で全部やるのではなく、上司・先輩が同行してくれる環境があること

逆に言えば、「完全歩合制」「即戦力のみ歓迎」「研修なし」といった文言がある求人は、未経験者にとってリスクが高い。求人票の表現だけでなく、面接での確認が不可欠だ。

特に注意が必要なのは「入社後すぐに独り立ち」を前提としている職場だ。研修が「3日間の座学のみ」「マニュアルを渡して終わり」という企業は、未経験者が活躍するための基盤が整っていない。面接では「入社後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月時点で何ができる状態を目指しているか」を具体的に確認することで、育成への本気度を判断できる。

未経験におすすめの営業職ランキング

転職市場での採用実績・研修充実度・入社後の成長スピードを総合的に見ると、未経験からの転職先として特に選ばれやすい営業職は以下の順番になる。

  • 1位:人材営業(RA/CA):業界知識より人と向き合う力が評価される。未経験採用率が高く、研修が充実している企業が多い。
  • 2位:IT・SaaS営業(インサイドセールス):移動がなく、ツールを使った効率的な営業スタイル。スクリプト(台本)があるため、初期の心理的ハードルが低い。
  • 3位:食品・消費財の法人営業:日常的な商材なため説明しやすく、ルート営業がベースで精神的負荷が低い。
  • 4位:保険営業(代理店型):研修制度が整った代理店を選べば、商品知識を体系的に学べる。ただし、完全歩合の会社は要注意。
  • 5位:不動産営業(賃貸仲介):売買より単価が低く、短期で成約するため、営業の基礎を学ぶのに適している。

営業職の種類別|平均年収と収入の特徴

営業職を選ぶ際、年収水準は現実的な判断基準の一つだ。業界・商材・売り方によって年収の構造が異なる点を理解しておく必要がある。

営業の種類平均年収(目安)収入の特徴
IT・SaaS法人営業430〜650万円固定比率高め、成果で昇給
人材営業(RA/CA)350〜550万円インセンティブあり、実績次第で高収入
不動産営業(売買)400〜700万円インセンティブ比率高、ハイリスクハイリターン
保険営業300〜600万円歩合型が多く、軌道乗るまで低め
医療機器営業(MR)500〜800万円固定給高め、安定志向の人向け
食品・消費財営業350〜480万円安定しているが高収入は狙いにくい
広告営業400〜600万円メディアの規模・クライアント規模で差が大きい

MRとはMedical Representativeの略で、製薬・医療機器会社が医師・薬剤師・病院スタッフに商品説明を行う営業職のことだ。専門知識が必要なため未経験から入るのは難しいが、一度業界に入ると給与水準が高い。

年収を最大化したいなら、固定給が低くてもインセンティブが高い職種を選び、早期に成果を積み上げるルートが最短だ。ただし、安定した収入を重視するなら固定給比率が高い職種を選ぶほうが精神的に継続しやすい。

重要なのは、「最初の1〜2年でどれだけ学べるか」を年収と同じ重さで考えることだ。入社1年目から高インセンティブを稼げる人は少数で、多くの場合は基礎力を積む期間が必要になる。その期間に固定給が低すぎると生活が苦しくなり、早期離職につながる。初期の固定給が月24〜28万円以上確保できる職場を選びつつ、成果に応じてインセンティブが上乗せされる構造が、未経験者には最もバランスがよい。

営業職の種類を選ぶための自己分析チェックリスト

「どの営業職が自分に合っているか」を判断するには、自己分析が不可欠だ。以下のチェックリストを活用してほしい。

自分の強みから選ぶ方法

自分の特徴向いている営業の種類
人と話すのが好き、初対面でもすぐ打ち解けられるBtoC営業(不動産・保険・人材CA)
論理的に説明するのが得意BtoB無形商材(IT・コンサル・広告)
コツコツ関係を築くのが得意ルート営業(食品・製造・医療)
数字の目標に燃える、競争が好き新規開拓営業、インセンティブ型の営業
デジタルツールの活用が得意インサイドセールス(SaaS・IT)
体を動かすのが好き、外回りが苦にならないフィールドセールス(製造・建設・食品)

ライフスタイルから選ぶ方法

自分のライフスタイルも営業職選びの重要な判断基準だ。

  • 土日休みにしたい:BtoB法人営業が基本的に平日ベース。不動産・保険は土日出勤が多いため注意
  • 残業を減らしたい:インサイドセールス職はリモート対応・定時退社制度を設けている企業が多い
  • 転勤なし:地域密着型の食品ルート営業や賃貸仲介の不動産会社が該当しやすい
  • 高収入を狙いたい:不動産売買営業、保険営業、IT法人営業のインセンティブ型が候補

ライフスタイルの優先順位は、転職先の定着率に直結する。「給与は高いが土日なし」「やりがいはあるが残業が多い」という状態が続くと、1〜2年で燃え尽きて再転職を繰り返すパターンになりやすい。入社前に「5年間続けられるか」という視点でライフスタイルとのマッチングを確認することが、転職を成功させるうえで最も重要な判断基準の一つだ。

営業職の種類ごとに必要なスキルと資格

営業職は基本的にコミュニケーション力があれば入れる職種が多いが、業界によっては資格・知識が評価を高める。以下に代表的な資格とその取得タイミングを整理する。

入社前に取得すると有利な資格

  • MOS(Microsoft Office Specialist):ExcelやPowerPointのスキルを証明する資格。営業職全般で資料作成に役立つ。
  • 日商簿記3級:法人営業で取引先の財務状況を読む際に役立つ基礎知識。
  • 宅地建物取引士(宅建):不動産営業を目指す場合に取得優先度が高い。難易度は中程度で独学でも合格可能。
  • FP(ファイナンシャルプランナー)3級:保険・金融営業に入る前の基礎知識習得として最適。

入社後に取得が求められる資格

  • 証券外務員(金融営業):銀行・証券会社の営業職で必須。入社後に会社の費用で取得するケースが多い。
  • ITパスポート・基本情報技術者(IT営業):IT商材の知識を体系化するために推奨される。取得自体より学習プロセスが評価されるケースが多い。
  • TOEIC(グローバル企業の営業):外資系企業・グローバル営業ポジションで600〜800点以上が求められることがある。

資格がなくても入社できる営業職がほとんどだが、取得の姿勢を見せること自体が面接での評価につながる。「入社後に〇〇の資格を取得する予定です」と伝えるだけでも印象が変わる。また、資格の勉強をする過程で業界の基礎知識が身につくため、入社後のキャッチアップ速度が上がるという実利的なメリットもある。

営業職の種類ごとのキャリアパスと将来性

営業職を選ぶ際、「今の仕事だけでなく3〜5年後に何者になれるか」を見据えることが重要だ。種類によって積み上がるスキルが異なり、キャリアの選択肢も変わる。

BtoB無形商材営業からのキャリアパス

IT・SaaS・人材・コンサルなどのBtoB無形商材営業は、転職市場での汎用性が最も高い。3〜5年の経験を積むことで以下のキャリアパスが開ける。

  • カスタマーサクセス:導入後の顧客の成功を支援する職種。IT業界で急速に需要が拡大中
  • プリセールス:技術的な観点から営業をサポートするポジション。エンジニアと顧客の橋渡し役
  • コンサルタント:顧客の経営課題を分析して解決策を提案する専門職。ヒアリング力・提案力が直接活きる
  • マーケティング:営業で得た顧客インサイトを活かして施策設計に移る社内異動ルート
  • 営業マネージャー:チームのマネジメントへのステップアップ。プレイヤー経験が必須

特にIT・SaaS業界でのBtoB営業経験は、業界全体が成長しているため市場価値が上がりやすい。3年の経験で年収が1.5倍になるケースは珍しくなく、ファーストキャリアとして選ぶ価値が高い。

BtoC営業からのキャリアパス

不動産・保険・小売などのBtoC営業は、顧客との直接コミュニケーションに特化したスキルが積み上がる。

  • 不動産営業 → 売買営業 → ファンド・投資用不動産:単価と専門性を上げていくルート
  • 保険営業 → FP・IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー):資格と顧客基盤を活かして独立するルート
  • 人材CA → キャリアコンサルタント・組織人事:人の成長支援に軸を移す専門職ルート

BtoC営業経験者が転職する際に強みになるのは、「クロージング力」と「共感・ヒアリング力」だ。顧客の感情を動かして購買決断を促す力は、どの業界でも応用が利く。BtoB営業へのキャリアチェンジも可能で、「個人向けで鍛えた共感力」×「法人向けの提案力」を組み合わせることで差別化できる。

営業職の転職で失敗しないための注意点

営業職への転職は、準備なしに進めると「思っていたのと違う」と感じる早期離職につながりやすい。事前に注意すべきポイントを押さえておく必要がある。

求人票の「未経験歓迎」を鵜呑みにしない

「未経験歓迎」の文言は多くの営業求人に記載されているが、実態は以下のケースがある。

  • 研修期間は3日のみで即現場投入される
  • 固定給が低く、成果が出るまで収入が激減する
  • 飛び込み営業・テレアポが主業務で精神的負荷が高い
  • ノルマが厳しく、達成できないと詰められる文化がある

面接では「入社後の具体的なスケジュール」「1日の業務の流れ」「先輩社員の平均インセンティブ額」を確認することで、実態を把握できる。回答を避けたり曖昧にしたりする企業は慎重に判断すべきだ。

また、口コミサイト(転職会議・OpenWork等)での評判も確認しておくと実態が見えやすい。ただし、口コミは退職者が書くケースが多いため、ネガティブに偏りやすいことを差し引いて読む必要がある。面接で社員と直接話す機会を作ることが、最も精度の高い判断材料になる。

インセンティブの仕組みを必ず確認する

同じ「営業職」でも、基本給とインセンティブの比率は企業によって大きく異なる。

  • 基本給25万円+インセンティブ上限なし → ハイリスクハイリターン型
  • 基本給35万円+目標達成時に賞与支給 → 安定志向型
  • 完全歩合制(成果が出るまで収入ゼロに近い) → 初心者には不向き

特に完全歩合制の保険営業や不動産営業は、営業未経験者が最初から入るには収入面でのリスクが高い。まずは固定給と研修が整った企業で基礎を学んでから、ステップアップとして検討するほうが安全だ。

インセンティブの計算式も確認が必要だ。「売上の何%」なのか「粗利の何%」なのかによって実際の受取額が大きく変わる。粗利ベースの場合、売上が高くても原価率が高ければインセンティブが少なくなる。「月に目標を達成した場合の具体的な手取り額のイメージ」を面接で確認することで、入社後のギャップを防げる。

「営業力」の定義が会社によって異なることを理解する

A社での「営業力」とB社での「営業力」は別のスキルである場合がある。

  • テレアポの件数を増やす力(行動量)
  • 顧客の課題を深くヒアリングする力(傾聴・分析)
  • 提案資料を論理的に構成する力(ライティング・論理思考)
  • クロージング(契約を取る最終決断を促す力)

どのスキルが重視される職場かを事前に理解したうえで応募することが、入社後のミスマッチを防ぐ最も確実な方法だ。

「自分が得意な営業スキル」と「会社が求める営業スキル」が一致している職場に入ることで、入社後の立ち上がりが速くなる。たとえば、コツコツと関係を深めるのが得意な人が「1日100件のテレアポ文化」の会社に入ると、強みが活かせずに苦しむ。面接では「どんな人が成果を出していますか?」と逆質問することで、会社が求める営業スタイルを把握できる。

よくある質問(FAQ)

Q. 営業職は未経験でも本当に転職できますか?

転職できる。営業職は業界の中でも特に未経験者の採用が多い職種の一つだ。特に人材・IT(インサイドセールス)・食品ルート営業は、未経験者を積極採用している企業が多い。ただし「どの種類の営業か」によって難易度は異なるため、自分に合った種類を選ぶことが重要だ。

面接で未経験者がアピールすべきポイントは「なぜこの種類の営業を選んだか」という志望理由の具体性だ。「営業に興味がある」という曖昧な回答より、「BtoBの無形商材営業でヒアリング力を磨きたい。サービス業での接客経験で顧客の課題を引き出すことが得意だとわかったから」という形で、自分の強みと営業の種類を結びつけた答え方が評価される。

Q. 向いていない人が営業を続けるとどうなりますか?

精神的なストレスが蓄積され、パフォーマンスが落ち、最終的に離職につながるケースが多い。しかし「向いていない」と感じる原因が「この会社の営業スタイルが合わない」だけの場合もある。新規開拓が苦手でもルート営業では活躍できる人、対面が苦手でもインサイドセールスでは成果を出す人は少なくない。種類を変えることで解決するケースも多い。

「営業が向いていない」と感じたとき、すぐに「営業以外の仕事に転職する」と判断するのは早計だ。まず「どの種類の営業が合わなかったのか」を分析することで、本当に向いている営業スタイルが見えてくることがある。

Q. BtoBとBtoCのどちらが給与は高いですか?

一般的にBtoBのほうが平均年収は高い傾向がある。1件あたりの取引金額が大きく、専門知識が求められるためだ。ただし、BtoCでも不動産売買営業や保険営業はインセンティブ次第で高収入を狙える。年収よりも「自分が成果を出せる環境」を優先して選ぶことが長期的には重要だ。

Q. 営業職からのキャリアアップはどうなりますか?

営業職は汎用性の高い職種で、経験を積むことで複数のキャリアパスが開ける。

  • 営業マネージャー・チームリーダー(マネジメント職)
  • カスタマーサクセス・コンサルタント(専門職)
  • マーケティング・事業開発(社内異動)
  • 独立・起業(自分で営業力を使ったビジネス展開)

特にIT・SaaS業界の法人営業経験者はカスタマーサクセスやプリセールス(技術的なサポートを行いながら営業するポジション)への転身が多い。

Q. 営業職の面接で必ず聞かれることは何ですか?

営業職の面接では以下の質問がほぼ必ず出る。事前に回答を準備しておく必要がある。

  • 「なぜ営業職を選んだのか」(志望動機)
  • 「目標に向けて努力した経験はあるか」(行動量・継続力の確認)
  • 「断られたときどう対処するか」(精神的タフさの確認)
  • 「5年後にどうなりたいか」(キャリアビジョンの確認)

これらの質問に共通しているのは、「この人は営業に向いているか」「長期的に活躍できるか」を見ているという点だ。回答の内容だけでなく、「自分の言葉で話せているか」「具体的なエピソードを持っているか」が評価を左右する。抽象的な答えではなく、過去の経験や数字を使って具体的に答えることが重要だ。

Q. 営業職に転職する前にやっておくべきことは何ですか?

転職活動を始める前にやっておくべきことが3つある。

  • 自己分析:自分の強み・弱み・ライフスタイルの優先順位を整理する。「人と話す」「数字で管理する」「じっくり関係を築く」のどれが得意かを把握する
  • 業界研究:志望する業界の市場規模・成長性・主要プレイヤーを調べる。成長業界の方が入社後の環境が整いやすい
  • OB・OG訪問:実際にその種類の営業をしている人の話を直接聞く。求人票や企業HPには書いていないリアルが得られる

まとめ|自分に合った営業職の種類を選ぶことが転職成功の鍵だ

営業職の種類は「売る相手・売るもの・売り方」の3軸で分類され、組み合わせによって仕事の難易度・年収・向き不向きが大きく変わる。

  • 未経験からのスタートには、人材営業・IT(インサイドセールス)・食品ルート営業が入りやすい
  • 高収入を狙うなら、不動産売買・IT法人営業・保険(代理店型)のインセンティブ型が候補
  • 研修制度・固定給の有無・業務内容のリアルは、面接で必ず確認する
  • 「向いていない」は種類の選び方の問題であることが多い。合う種類を選び直す発想が重要だ
  • 3〜5年後のキャリアパスを見据えて、今どの種類の営業でスキルを積むべきかを逆算する

営業職は種類を正しく選べば、未経験でも短期間で成果を出し、キャリアを積み上げられる職種だ。「なんとなく営業に転職する」ではなく、自分の強み・ライフスタイル・収入目標から逆算して種類を絞り込むことが、転職後の満足度を左右する。

種類の判断が難しい場合、一人で悩み続けるよりも、実際の転職支援経験を持つプロに相談するのが最短ルートだ。客観的な視点から「あなたに合う営業の種類」を整理してもらえる。

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この記事の執筆・監修

大林 諒

株式会社Nexly 代表取締役

未経験からの転職支援に特化した転職エージェント「Re:WORK」を運営。求職者一人ひとりに寄り添ったキャリア支援を行い、長く働けるホワイト企業への転職を実現しています。

運営会社
株式会社Nexly
許可番号
有料職業紹介事業 28-ユ-301343
取扱求人数
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