保育士の年収はどれくらい?給与アップの方法を解説

保育士の年収はどれくらい?結論から言えば「平均350〜400万円、ただし施設・経験で大きく異なる」
「保育士は給料が低い」というイメージを持っている方は多いでしょう。実際、保育士の給与水準はかつて他の国家資格職と比較して低い水準にありました。しかし近年は国の処遇改善政策により、保育士の給与は着実に上昇傾向にあります。
本記事では、保育士の年収を経験年数・施設の種類・地域別に詳しく解説するとともに、給与アップの方法やキャリアパスまで転職エージェントの視点から紹介します。転職を検討している方にとって、リアルな給与事情を知る参考にしてください。
保育士の平均年収
厚生労働省「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は約350〜400万円(全国平均・全年齢・正規職員)です。月給に換算すると22〜25万円前後が目安となります。
また、厚生労働省「保育士の現状と主な取組」(2024年)によると、処遇改善等加算の導入以降、保育士の給与は2013年と比較して月額約5〜9万円程度上昇しています。国が積極的に処遇改善に取り組んでいることがわかります。
他の職種との比較
- 保育士:平均年収 約350〜400万円
- 介護士:平均年収 約330〜380万円
- 幼稚園教諭:平均年収 約350〜400万円
- 全職種平均(国税庁調査):約460万円
全職種の平均と比較するとまだ差がありますが、処遇改善が続いており格差は縮小傾向にあります。
経験年数別の年収目安
保育士の給与は経験年数とともに上昇する施設がほとんどです。おおまかな目安は以下の通りです。
経験1〜3年目(新卒・転職初期)
- 月給:20〜23万円程度
- 年収:260〜300万円程度
未経験・転職初年度はこの水準からスタートします。賞与(ボーナス)の有無によっても大きく変わります。
経験4〜7年目(中堅)
- 月給:23〜27万円程度
- 年収:300〜370万円程度
クラスリーダーや後輩指導などの役割が増え、それに伴い給与も上昇するケースが多いです。
経験8〜15年目(ベテラン・主任クラス)
- 月給:27〜35万円程度
- 年収:370〜460万円程度
主任保育士や副園長などのポジションに就いた場合、大幅な給与アップが期待できます。
経験15年以上(管理職・園長クラス)
- 月給:35〜50万円程度
- 年収:450〜650万円程度
園長・施設長などの管理職になると、経験・能力に応じて高収入も可能です。
施設の種類別・雇用形態別の年収
施設別の年収比較
- 公立保育園(正規公務員):年収420〜600万円(安定した昇給・退職金・福利厚生が充実)
- 私立認可保育園(正職員):年収300〜420万円(処遇改善加算の適用状況で差あり)
- 認定こども園:年収320〜430万円
- 企業内保育所:年収310〜400万円(企業規模によって差がある)
- 院内保育所:年収320〜420万円(夜勤手当などで上乗せされるケースも)
- 小規模保育所:年収280〜370万円(施設によって差が大きい)
雇用形態別の目安
- 正社員(正職員):月給20〜35万円(賞与あり)
- 派遣社員:時給1,400〜1,800円(交通費・賞与なしが多いが時給は高め)
- パート・アルバイト:時給1,000〜1,500円(扶養内勤務も可)
地域別の年収差
保育士の給与は地域によっても大きく異なります。
- 東京都・神奈川県:平均より高め(最低賃金が高く、保育士不足から給与水準も高い)
- 大阪府・愛知県:全国平均前後
- 地方・農村部:全国平均より低めになる傾向がある
東京都では独自の「保育士等キャリアアップ補助金」など自治体独自の給与補助制度があり、他の地域より給与水準が高い傾向にあります。
保育士の給与アップの方法
1. キャリアアップ研修を受講してポジションを上げる
2017年から始まった「保育士等キャリアアップ研修」を受講することで、専門リーダーや副主任保育士などの新たな職位に就くことができます。副主任保育士には月額最大4万円の処遇改善手当が加算される仕組みです。研修分野は「乳児保育」「食育・アレルギー対応」「保護者支援・子育て支援」など複数あります。
2. 処遇改善加算を適切に支給している施設に転職する
国が設けている処遇改善等加算(I・II)は、全ての保育施設が活用しているわけではありません。処遇改善を適切に職員に還元している施設に転職することで、同じ経験年数でも給与が大きく変わることがあります。転職時には処遇改善の支給状況を確認することが重要です。
3. 公立保育園への転職(公務員試験受験)
公立保育園の正規職員(地方公務員)は、給与水準・安定性・福利厚生のすべてにおいて私立に勝る傾向があります。自治体ごとに採用試験があり、倍率は高めですが、年収400万円超も十分狙えます。
4. 主任保育士・副園長・園長へのキャリアアップ
役職ポジションに就くことで給与が大幅に上昇します。主任保育士には月額4〜5万円程度の役職手当が付くことが多く、園長・施設長になれば年収500万円超も可能です。
5. 夜勤手当・各種手当のある施設を選ぶ
院内保育所や夜間保育所など、夜間対応が必要な施設では夜勤手当が支給されます。また、住宅手当・交通費・資格手当・皆勤手当などが充実している施設を選ぶことでも実質的な収入を上げられます。
保育士のキャリアパス
保育士としてのキャリアは多様です。長く働き続けるためのキャリアパスを理解しておきましょう。
- 保育士 → クラスリーダー → 主任保育士 → 副園長 → 園長(管理職ルート)
- 保育士 → 専門リーダー(乳児・食育等)(専門性を深めるルート)
- 保育士 → 幼稚園教諭免許取得 → 認定こども園への転職(資格拡充ルート)
- 保育士 → 企業・行政の保育関連職(コンサル・行政担当)(異業種活用ルート)
よくある質問(FAQ)
Q1. 保育士の給料は今後上がりますか?
上がる見込みは高いです。政府は少子化対策・子育て支援の強化を政策の柱に掲げており、保育士の処遇改善は引き続き進められる方向性です。こども家庭庁の設置(2023年)以降、保育士の給与水準向上に向けた取り組みはより一層強化されています。
Q2. パートとして働く保育士の収入はどれくらいですか?
パート保育士の時給は地域・施設によって差がありますが、全国平均で時給1,100〜1,400円程度が多いです。都市部では1,500〜1,800円の求人もあります。扶養内で働く場合は週3〜4日、1日5〜6時間程度の勤務が多いです。
Q3. 転職で給与を上げるにはどうすればいいですか?
転職時に処遇改善を適切に支給している施設・給与水準の高い地域・施設種別(公立や大手法人系)を選ぶことが最も効果的です。転職エージェントを通じて、給与条件を交渉してもらうことも有効な手段です。現職での年収を正直に伝え、それ以上の条件を目指すよう交渉してもらいましょう。
まとめ
保育士の年収は「低い」というイメージがある一方で、近年は処遇改善の進展により着実に上昇しています。
- 保育士の平均年収は約350〜400万円(正規職員・全年齢平均)
- 施設の種類・経験年数・地域によって大きな差がある
- キャリアアップ研修・役職就任・公立への転職などで給与アップは十分可能
- 転職時には処遇改善の支給状況や手当の充実度を必ず確認する
保育士としての給与・待遇を改善したいと考えているなら、転職のプロに相談することが近道です。あなたの経験とスキルを最大限に評価してもらえる施設を一緒に探しましょう。

