未経験からWeb制作会社に転職できる?職種別の難易度と成功戦略を解説

未経験からWeb制作会社への転職は可能か
結論から言うと、未経験からWeb制作会社への転職は可能だ。ただし「どの職種を狙うか」によって難易度が大きく変わる。何の準備もせずに応募してもほぼ通らないが、適切な職種選択と事前準備をすれば、未経験でも内定を取れる確率は十分にある。
Web制作会社には複数の職種があり、それぞれ求められるスキル・経験が異なる。本記事では、職種の全体像・それぞれの仕事内容・未経験転職の難易度・具体的な準備方法を解説する。
Web制作会社で働く職種の全体像
Web制作会社では、1つのWebサイト・システムを作るために複数の職種が連携して動いている。主な職種は以下の通りだ。
Webデザイナー
WebサイトのUI(ユーザーインターフェース)を設計・デザインする職種だ。Photoshop・Illustrator・XD・Figmaなどのデザインツールでビジュアルのモックアップやワイヤーフレームを作成する。
見た目のデザインだけでなく、ユーザーが使いやすいか(UX)も意識した設計能力が求められる。バナー制作・LP(ランディングページ)デザイン・サイト全体のデザインシステム策定まで幅広い業務を担う。
- 平均年収:350万〜500万円(経験3〜5年)
- 未経験難易度:中〜高(ポートフォリオが必須)
- 必要ツール:Figma・Adobe XD・Photoshop・Illustrator
フロントエンドエンジニア(コーダー)
Webデザイナーが作ったデザインをHTML・CSS・JavaScriptを使って実際に動くWebサイトとして実装する職種だ。コーダーと呼ばれる場合は主にHTML/CSSの実装が中心で、フロントエンドエンジニアはJavaScriptのフレームワーク(React・Vue.js等)まで扱う。
プログラミングスキルが必要だが、HTML/CSSのコーディングはプログラミング言語の中でも入門しやすい部類に入るため、未経験からのスタートとしては比較的選択しやすい職種だ。
- 平均年収:400万〜600万円(経験3〜5年)
- 未経験難易度:中(HTML/CSSなら独学3〜6ヶ月で基礎習得可能)
- 必要スキル:HTML・CSS・JavaScript・レスポンシブ対応
Webディレクター
Web制作プロジェクト全体の進行管理・スケジュール管理・クライアントとの窓口を担う職種だ。デザイナー・エンジニア・ライターなどの各担当者を束ね、クライアントの要望を具体的な制作指示に落とし込む役割を担う。
技術スキルよりも、コミュニケーション能力・プロジェクト管理能力・ビジネス理解が重要な職種で、他業界での営業・PM(プロジェクトマネジメント)・企画職経験が活かせる。未経験から狙える職種だが、Webの基礎知識は最低限必要だ。
- 平均年収:400万〜600万円(経験3〜5年)
- 未経験難易度:中(コミュニケーション能力・PM経験があれば転換しやすい)
- 必要スキル:Webの基礎知識・スケジュール管理・クライアント対応
Webライター・コンテンツディレクター
Webサイト・ブログ・LP・メールマガジンなどの文章コンテンツを作成する職種だ。SEO(検索エンジン最適化)を意識したキーワード選定・構成設計・本文執筆までを担う。
文章が書ければ未経験でも入職しやすい職種だが、単純なライター業務から、コンテンツ戦略の立案・ライターのマネジメントまで担うコンテンツディレクターへのキャリアアップも見込める。
- 平均年収:250万〜400万円
- 未経験難易度:低〜中(文章力があれば入職しやすい)
- 必要スキル:日本語ライティング・SEO基礎知識
Webマーケター
Webサイトへのアクセス解析・広告運用・SEO対策・メールマーケティングなどを担い、Webサイト経由の売上・問い合わせ増加を目指す職種だ。GA4(Google Analytics 4)・Google広告・META広告・SEOツールを使いこなす必要がある。
Web制作会社の中でも、デジタルマーケティング支援まで手がけるワンストップ型の会社に設置されることが多い。未経験からは難易度が高いが、独学でGoogle広告の基礎を学んでおくと転職活動が有利になる。
- 平均年収:400万〜650万円
- 未経験難易度:高(基礎スキルの習得が必須)
- 必要スキル:GA4・Google広告・SEO・Excel/Googleスプレッドシート
営業・アカウントプランナー
新規顧客開拓・既存顧客のWeb制作提案・受注管理を担う営業職だ。提案する商品がWebサイト・システムのため、ある程度のWeb知識は必要だが、前職で営業経験があれば未経験転職の難易度は比較的低い。
成果報酬型のインセンティブがある会社も多く、成果を出せれば高収入を狙える職種だ。
- 平均年収:350万〜600万円(インセンティブ込み)
- 未経験難易度:低〜中(営業経験者なら転換しやすい)
- 必要スキル:提案営業・顧客管理・基礎的なWeb知識
未経験転職でどの職種を狙うべきか:難易度マトリクス
職種選択は転職成功の最大のポイントだ。以下に「未経験からの転職難易度」と「将来性・年収伸長性」の観点から整理する。
未経験から狙いやすい職種
- Webライター:文章力があれば最速で入職できる。ただし年収上限が低め
- 営業職:他業界の営業経験を活かせる。Web知識は入社後に習得可能
- コーダー(HTML/CSS中心):独学3〜6ヶ月で基礎を習得して転職する人が多い
準備期間3〜6ヶ月で狙える職種
- Webデザイナー:デザインツール習得+ポートフォリオ作成が必要
- Webディレクター:Web基礎知識+プロジェクト管理スキルの習得が必要
6ヶ月以上の準備が必要な職種
- フロントエンドエンジニア(JS・React等):実装経験のあるポートフォリオが必要
- Webマーケター:分析・広告運用の実績が求められる
未経験からWeb制作会社に転職するための具体的な準備
STEP1:目指す職種を1つに絞る
Web制作会社への転職でよくある失敗が「どの職種でもいい」というスタンスで活動することだ。Web制作会社は職種ごとに求めるスキルが全く異なるため、全職種を対象に応募しても「何がしたいのかわからない人」と評価される。
まず「デザイン・コード・文章・マネジメント・営業」のどれに関心があるかを明確にして、職種を1つに絞ってから準備を始めることを勧める。
STEP2:最低限のスキルを習得する
職種ごとの最低ラインは以下の通りだ。
- Webデザイナー:Figmaで3〜5ページ以上のWebサイトデザインを自作できること
- コーダー:HTML/CSSでレスポンシブ対応のサイトを1つ作れること
- Webディレクター:Web制作の全体フロー(要件定義→設計→制作→テスト→公開)を説明できること
- Webライター:SEOを意識した2,000字以上の記事を5本以上書いていること
- Webマーケター:GA4の基本操作・Google広告の基礎設定ができること
STEP3:ポートフォリオを作る
特にデザイナー・コーダー・ライターは、ポートフォリオ(作品集)なしで転職活動を始めても面接にたどり着けないと思った方が良い。ポートフォリオで見られるのは「技術の完成度」よりも「問題解決の思考プロセス」だ。
「なぜこのデザインにしたか」「どんなユーザーを想定したか」「工夫した点はどこか」を言語化して添えることで、独学・未経験でも評価されるポートフォリオになる。
STEP4:小規模のWeb制作会社・受託制作会社から狙う
大手Web制作会社は採用基準が高く、即戦力を求めるケースが多い。未経験転職では、20〜50名規模の中小Web制作会社を最初のターゲットにするのが現実的だ。小規模の会社は1人が複数の役割を担うことが多く、短期間で幅広い経験を積める。
最初の会社で2〜3年経験を積んでから、より規模の大きい会社や専門性の高い会社に移るキャリアパスが王道だ。
Web制作会社の種類と選び方
Web制作会社にも種類があり、自分のキャリア目標に合った会社を選ぶことが重要だ。
受託型Web制作会社
クライアント企業からの依頼を受けてWebサイト・ECサイト・システムを制作する会社だ。多様な案件を経験できるため、短期間でスキルの幅が広がる。1つのプロジェクトが終われば次の案件に移るため、飽きにくい反面、深い専門性を持ちにくいという面もある。
自社サービス型(Webサービス・SaaS企業)
自社のWebサービス・アプリ・SaaSを開発・運営する会社だ。1つのプロダクトを長期にわたって改善し続けるため、深い専門性が養われる。受託より待遇が良いケースが多く、エンジニア・デザイナーとしてのキャリア目標があれば最終的にはここを目指したい。
マーケティング支援型
Web制作に加えてSEO・広告運用・SNS運用・コンテンツマーケティングまでを一体で提供する会社だ。Webマーケターとして幅広く経験を積みたい場合はこのタイプが向いている。
フリーランス・副業との違い
会社に就職する最大のメリットは、OJT・先輩からのフィードバック・チームでの制作経験が積めることだ。独学のみでフリーランスとして活動するより、最初の1〜2年は会社でスキルを積んでから独立するルートを選ぶ人が多い。
未経験Web制作転職でよくある失敗と対策
失敗1:スクールに通っただけで転職活動を始める
プログラミングスクール・デザインスクールを修了しただけでは、即戦力として採用されることは難しい。スクールで学んだあとに、自分でオリジナルの作品を作り上げてポートフォリオに加えることが必須だ。スクールの課題作品をそのまま提出しても「同じ課題を全員が持ってくる」と評価されにくい。
失敗2:大手・有名企業ばかりに応募する
未経験段階でDeNA・サイバーエージェント・LINEヤフーなどの大手IT企業に応募しても採用確率はほぼゼロだ。大手は経験者採用が基本で、未経験採用は新卒枠がメインになる。まず中小Web制作会社で実績を作り、数年後に大手へ転職するという2ステップで考えることを勧める。
失敗3:給与条件を最優先にして判断する
未経験転職の初年度は年収350万〜400万円が相場だ。「最初から高い給料をもらいたい」という基準で会社を選ぶと、教育体制が整っていない企業に入ってしまうリスクがある。最初の2〜3年はスキル習得を最優先にして、その後の転職・フリーランスで年収を上げるプランが合理的だ。
Web制作会社転職に関するよくある質問
Q. 独学とスクール、どちらでスキルを学べばよいか?
両方に長所がある。独学は費用を抑えられるが、学習の方向性が正しいか判断しにくい。スクールは費用がかかる(30万〜80万円程度)が、カリキュラムが体系化されており、質問サポートや就職支援を受けられる。時間的余裕がある場合はスクールを選ぶと転職までのスピードが上がりやすい。
Q. 転職にかかる準備期間はどれくらいか?
職種にもよるが、Webライター・コーダー(HTML/CSS)なら3〜4ヶ月、Webデザイナーなら4〜6ヶ月、フロントエンドエンジニア(JS込み)なら6〜12ヶ月が目安だ。期間中は毎日最低2〜3時間の学習時間を確保できることが前提になる。
Q. 30代・40代でも未経験Web制作転職はできるか?
難易度は上がるが不可能ではない。特に前職でのビジネス経験(営業・企画・PM等)をWebディレクターとして活かすルートは、30代以上でも評価される。エンジニア・デザイナーとして技術職で入職する場合は、20代と同水準の作品をポートフォリオで見せることが重要だ。
Q. フリーランスWebデザイナーと会社員、どちらを目指すべきか?
未経験の段階ではまず会社員として経験を積むことを勧める。フリーランスは案件獲得・請求・納期管理まで自分で行う必要があり、スキルに加えてビジネス力も必要だ。最低でも2〜3年の実務経験を積んでから独立するルートが安定している。
Q. Web制作会社は残業が多いイメージがあるが実際はどうか?
企業によって差が大きい。制作会社の中には月40〜80時間の残業が常態化しているケースもあるが、近年は働き方改革の影響でフレックスタイム制・リモートワーク導入が進んでいる。面接時に「残業の平均時間」と「有給消化率」を確認することを勧める。
Web制作会社への転職で知っておきたい業界の実態
転職活動を始める前に、Web制作業界の実態を知っておくことで「こんなはずじゃなかった」という入社後のギャップを防げる。
Web制作会社の年収相場と待遇
職種・経験・会社規模によって年収は大きく異なる。以下は2024年時点での平均的な水準だ。
- Webデザイナー(未経験〜1年):280万〜360万円
- Webデザイナー(経験3〜5年):350万〜520万円
- フロントエンドエンジニア(HTML/CSS中心):300万〜420万円
- フロントエンドエンジニア(React/Vue.js対応):450万〜700万円
- Webディレクター(経験3〜5年):400万〜600万円
- Webマーケター(経験3〜5年):420万〜650万円
エンジニア職は経験3〜5年で年収500万円を超える可能性があり、長期的な年収伸長性が最も高い。一方でデザイナー職は実力差が年収に直結しやすく、フリーランス転向後の収入を含めると年収800万〜1,000万円以上の実績を持つベテランも存在する。
残業・労働環境の実態
Web制作会社の残業時間は「ゼロ」から「月50〜80時間」まで会社によって差が激しい。特に受託制作会社はクライアントの納期に左右されるため、繁忙期に残業が集中しやすい。一方、自社サービス型の企業はスクラム開発・アジャイル開発で業務を管理しており、残業が少ない傾向がある。
面接時に「平均残業時間」と「有給消化率」の2つを必ず確認することを強く勧める。この2点を答えられない企業はブラック企業の可能性が高い。
リモートワーク・フレックスの普及状況
Web制作・IT業界はリモートワーク対応が他業種より進んでいる。フルリモート・週3〜4日リモートを導入している中小Web制作会社も多く、転職後の生活の自由度が上がる点がメリットだ。ただし未経験入社の場合は「研修中はフル出社」「慣れるまでは出社必須」という会社もあるため、リモートの条件を入社時に書面で確認することが重要だ。
Web制作転職でポートフォリオを作る具体的な方法
ポートフォリオは転職成功の最重要ファクターだ。「何を作ればいいかわからない」という人のために、職種別の作成方法を具体的に解説する。
Webデザイナー向けポートフォリオ
ポートフォリオサイト自体をFigmaでデザインして、そのサイトがポートフォリオになるスタイルが最も評価が高い。作品数は3〜5点で十分で、「1点を丁寧に説明する」ことが「10点を並べるだけ」より評価される。
各作品に「ターゲットユーザー」「課題」「自分の解決アプローチ」「結果(実際にサイトが使われた場合のフィードバック)」を必ず添えること。デザインの美しさだけでなく「なぜこのデザインにしたか」という思考プロセスが採用担当者に評価される。
作品を作るネタがない場合は「架空のブランド・サービスのサイト」を作成して良い。「実在しない企業のコーポレートサイトをデザインしました」という形のポートフォリオでも、考え抜かれたデザインであれば十分に評価される。
コーダー(フロントエンド)向けポートフォリオ
GitHubにコードを公開し、デプロイしたサイトのURLをセットで提示することが基本形だ。Vercel・Netlifyなどの無料ホスティングサービスを使えば、数分でサイトを公開できる。
HTML/CSSのみのコーダーならば、デザイン(Figmaのモックアップ)を自分でコーディングして実装したサイトを3〜5点用意すると良い。重要なのは「レスポンシブ対応」「コードの可読性」「CSSのセマンティックな使い方」の3点だ。
Webライター向けポートフォリオ
自分のブログ(WordPressまたはnote)を立ち上げ、SEOを意識した記事を5〜10本書いてURLを提示するのが最もシンプルかつ効果的だ。記事には「どのキーワードを狙ったか」「なぜこの構成にしたか」を説明するメモを添えると思考プロセスが伝わりやすい。
特定のキーワードで検索順位が上昇した実績を数字で示せると評価が高い。「〇〇というキーワードで公開から3ヶ月後に検索3位になりました」という実績は、未経験でも採用担当者の注意を引く力がある。
未経験Web制作転職の面接対策
よく聞かれる質問と模範的な回答の方向性
- 「なぜWeb制作の仕事に興味を持ったのですか?」→ 具体的なきっかけ(サイトを見てデザインの力に感動した・コードを書いたら面白かった等)と、それをどう深化させたかを話す
- 「独学でどれくらい学習しましたか?」→ 学習時間・使ったツール・制作した作品数を具体的に伝える。「Figmaで5サイト作りました」「HTML/CSSで3ヶ月で200時間学習しました」など数字で語る
- 「未経験でなぜうちの会社を選んだのですか?」→ 会社のポートフォリオサイト・制作実績を見て「〇〇の案件のデザインを見てここで学びたいと思った」という具体的な理由を答える
- 「3年後にどうなっていたいですか?」→ 「○○のスキルを習得して、◯◯の分野でチームに貢献できる人材になりたい」と具体的なキャリアプランを伝える
ポートフォリオレビューの場での対応
Web制作会社の面接では、その場でポートフォリオを一緒に見ながら質問するケースが多い。この時に重要なのは、「指摘された点を素直に受け入れ、改善策を自分で提案できるか」を見られているという点だ。「デザインが完璧か」より「フィードバックへの対応力・成長意欲があるか」が評価される。
Web制作会社転職後のキャリアパス
Web制作会社への転職はゴールではなく、キャリアのスタート地点だ。入社後のキャリアをどう積み上げるかを事前に描いておくことで、転職先の選び方も変わる。
Webデザイナーのキャリアパス
- Webデザイナー(0〜2年)→ シニアデザイナー(2〜5年)→ UIUXデザイナー(5年以上)
- Webデザイナー → デザインマネージャー(チームマネジメント方向)
- Webデザイナー → フリーランスデザイナー(実績を積んでから独立)
- Webデザイナー → WebディレクターまたはWebマーケター(上流工程へシフト)
フロントエンドエンジニアのキャリアパス
- コーダー → フロントエンドエンジニア → フルスタックエンジニア(バックエンド習得)
- フロントエンドエンジニア → テックリード → エンジニアリングマネージャー
- フロントエンドエンジニア → フリーランスエンジニア(案件単価:月60万〜100万円も視野)
Webディレクターのキャリアパス
- ジュニアWebディレクター → Webディレクター → シニアWebディレクター
- Webディレクター → プロデューサー(プロジェクト規模の大型化)
- Webディレクター → 事業会社のWebマネージャー(インハウス転職)
まとめ:職種を絞り、ポートフォリオを作り、中小から狙う
未経験からWeb制作会社への転職は、正しい戦略で動けば十分に実現できる。ポイントを3つに絞ると次の通りだ。
- 職種を1つに絞り、最低限のスキルを独学・スクールで習得する
- オリジナルのポートフォリオを作り、思考プロセスを言語化する
- 最初は中小Web制作会社を狙い、2〜3年でスキルを積んでからキャリアアップする
Re:WORKでは、Web・クリエイティブ業界への未経験転職を検討している方の無料相談を受け付けている。どの職種を目指すべきか・どんな会社を選べばよいかを具体的にアドバイスできるので、まずは相談してほしい。
Web制作業界のキャリアと年収の長期見通し
Web制作会社に転職した後、どのようなキャリアを歩み、どの程度の年収が見込めるのかを長期的な視点で整理する。
Webデザイナーの年収推移(実績ベースの目安)
- 未経験入社1年目:280万〜360万円
- 経験2〜3年:360万〜480万円(デザインシステム・ブランディング案件を担当できるレベル)
- 経験5年以上・シニアデザイナー:480万〜650万円
- フリーランス転向後(経験5年以上):年収700万〜1,200万円(案件の単価・本数次第)
フロントエンドエンジニアの年収推移(実績ベースの目安)
- 未経験〜1年目(HTML/CSSメイン):300万〜380万円
- 経験2〜3年(JavaScript・React入門):400万〜550万円
- 経験5年(React・Next.js・TypeScript習熟):600万〜800万円
- フルスタックエンジニア(バックエンド習得後):700万〜1,000万円以上
エンジニア職は技術スキルの積み上げに比例して年収が上昇するため、自己学習を継続できる人にとって最も長期的な年収伸長性が高い職種だ。
Webディレクターの年収推移
- ジュニアディレクター(未経験入社1〜2年):350万〜430万円
- 中堅ディレクター(経験3〜5年):450万〜600万円
- シニアディレクター・プロデューサー(経験7年以上):600万〜800万円
Web制作会社への転職を成功させる最終チェックリスト
転職活動を始める前・応募時・面接後・入社前それぞれの段階で確認すべきことを整理する。
転職活動開始前
- 目指す職種を1つに絞った
- その職種の基礎スキルを習得している(または習得計画が明確になっている)
- ポートフォリオを最低3作品用意している
- GitHubまたはポートフォリオサイトのURLが準備できている
応募時
- 会社のWebサイト・制作実績を確認し、「なぜこの会社を選ぶか」を具体的に言語化できている
- 求人票の職種説明・募集要件を全て読み込んでいる
- 職務経歴書にポートフォリオのリンクを記載している
面接時
- ポートフォリオの各作品について「なぜこのデザインにしたか」を説明できる
- 「3年後にどうなりたいか」という具体的なキャリアプランを話せる
- 残業の平均時間・有給消化率を逆質問で確認した
内定・入社前
- 労働条件通知書で基本給・残業手当・休日日数を書面で確認した
- 試用期間の給与・評価基準を確認した
- リモートワーク・フレックスの条件(入社直後から適用か否か)を確認した
Web制作転職後のキャリア迷子にならないために
Web制作会社に転職した後も、キャリアの方向性を常に意識することが重要だ。「とりあえず入社して頑張る」という姿勢だけでは、数年後に「このまま続けていいのか」という迷いが生まれやすい。
6ヶ月・1年・3年の節目に自分のキャリアを棚卸しする
入社後6ヶ月のタイミングで「何を習得できたか・何が足りないか」を振り返る。1年後に「当初の目標を達成できているか・修正が必要か」を判断する。3年後に「このまま今の会社でキャリアを積むか・転職してキャリアアップするか」の選択を意識的に行う。
この節目での棚卸しを習慣にすることで、キャリアの漂流を防ぎ、常に目的意識を持って仕事に取り組める。
副業・フリーランス案件でスキルを試す
本業の仕事に慣れてきた頃(入社1〜2年後)に、副業・フリーランス案件を受けてみることを勧める。「自分のスキルが市場でどう評価されるか」を肌感として知ることで、キャリアの選択肢が広がる。副業での実績がフリーランス独立・転職のポートフォリオになるという一石二鳥の効果もある。
コミュニティへの参加でネットワークを広げる
Web制作・デザイン・エンジニアのコミュニティ(勉強会・ミートアップ・オンラインコミュニティ)への参加は、スキルのインプットだけでなく、同業者ネットワーク・転職情報・フリーランス案件獲得の機会になる。所属企業1社に依存しないネットワークを作ることが、長期的なキャリアの安定性に繋がる。
Web制作転職の事例集:未経験から実現した人たちのリアル
実際に未経験からWeb制作業界に転職した事例を紹介する。
事例1:銀行員からWebデザイナーへ(27歳・女性)
地方銀行で4年間、融資・窓口業務を担当していた女性のケース。「デザインには学生時代から興味があったが、実務経験がない」という状態からスタートした。
退職後の6ヶ月間、WebデザインスクールでFigma・PhotoshopのUI設計を集中的に学習。架空の金融サービスのランディングページ・コーポレートサイト・スマートフォンアプリのモックアップを含む5作品のポートフォリオを制作した。銀行員としてのビジネスコミュニケーション経験を強みにアピールし、中規模のWeb制作会社のデザイナーとして入社。「金融業界の商慣習を理解したデザイナー」として2年後には金融系クライアントの担当デザイナーに抜擢された。
転職時の年収は340万円と銀行時代(380万円)より低くなったが、「自分が作ったものが世に出る喜び」と「成長スピード」に満足しているとのことだ。
事例2:飲食店長からWebディレクターへ(33歳・男性)
飲食チェーンの店長として7年間、約30名のスタッフマネジメント・売上管理・本部との折衝を経験していた男性のケース。「デジタルには疎かったが、プロジェクト管理・人のマネジメントには自信があった」とWebディレクターへの転職を決断した。
転職前にWebの基礎知識(HTML/CSSの基礎・Wordpressの操作・SEOの概念)を3ヶ月間独学で習得。「Webの技術は全部分からなくていい。エンジニア・デザイナーが何を言っているか理解して、進行を管理できることが重要」と面接でアピールし、受託型Web制作会社のディレクターとして採用された。
飲食でのスタッフ管理・タスク分配・クライアント(本部)との折衝経験がそのままディレクター業務に活きており、入社後1年で中規模案件のプロジェクトリードを任されるようになった。
事例3:フリーターからフロントエンドエンジニアへ(25歳・男性)
アルバイトを繰り返していた25歳の男性のケース。「プログラミングに興味があってYouTubeで見ていたが、独学だと何をやればいいか分からなかった」と悩んでいた。
プログラミングスクール(約50万円・4ヶ月)でHTML/CSS・JavaScript・Reactの基礎を学習。卒業制作でTodoアプリとポートフォリオサイトを作成し、GitHubに公開した。スクール卒業後の転職活動で10社に応募し、3社から内定を取得。20名規模のWeb制作会社に入社し、コーダーとしてキャリアをスタートした。
「フリーター経歴がネックになると思っていたが、GitHubのコードを見て採用してくれた会社があった。作品があれば経歴は関係ないと実感した」と語っている。
Web制作業界の求人を探す方法と使い分け
Web制作会社への転職活動で求人をどこで探すかは、応募の質と効率に直結する。主な求人探しのルートとその特徴を整理する。
転職サイト(Indeed・Greenなど)
Web・IT業界の転職に特化した求人サイト「Green」は、未経験歓迎のWeb制作求人が豊富で、企業のカジュアル面談申し込みに特化した機能がある。最初の段階で「まず話を聞いてみたい」という感覚でアクセスしやすい。
Indeedは求人量が多く、「Webデザイナー 未経験」「コーダー 未経験OK」などのキーワード検索で広範に求人を探せる。ただし求人の質にばらつきがあるため、応募前に企業情報を調べることが必須だ。
転職エージェント
Web・IT業界に強いエージェント(レバテックキャリア・ギークリー・マイナビクリエイター等)は、未経験求人よりも経験者向けが中心の場合が多い。ただし、未経験転職の支援実績が豊富なエージェントであれば、ポートフォリオの添削・面接対策・企業との交渉まで一貫してサポートを受けられる。
一般的な転職エージェント(doda・リクルートエージェント等)も、担当者がWeb業界に詳しい場合は有効に活用できる。初回面談時に「Webクリエイティブ業界への転職支援実績があるか」を確認してから利用するべきだ。
企業の採用ページへの直接応募
気に入ったWeb制作会社が見つかった場合、その会社のWebサイト内の「採用情報」ページから直接応募する方法もある。企業のWebサイト自体がその会社のデザイン・技術力を示すポートフォリオになっているため、応募前に必ず制作実績ページと採用ページのデザインを確認すること。「この会社で作ったものが好き」「このデザインの方向性で自分も仕事がしたい」と思える会社に応募すると、面接での熱量が伝わりやすくなる。
勉強コミュニティ・SNSからの繋がり
Xで「#Webデザイン学習中」「#駆け出しエンジニア」などのハッシュタグで活発に発信しているWeb学習者の中には、実際に転職した経験者からのアドバイスをもらえたり、採用担当者の目に留まって直接声をかけてもらえたりするケースがある。学習過程をSNSで発信することは、ポートフォリオの構築と採用担当者へのアピールを同時にできる一石二鳥の行動だ。
Web制作会社に転職した後の現実:やりがいと苦労
Web制作会社での仕事のリアルを把握した上で転職を決断することが重要だ。入社後に「こんなはずじゃなかった」と感じないために、やりがいと苦労の両面を正直に整理する。
やりがいとして語られること
- 自分が作ったWebサイトが公開され、実際に多くの人に使われる実感がある
- デザイン・コードの力で問題を解決した時の達成感がある
- 技術の進化が速いため、常に新しいことを学び続けられる
- チームで1つのプロジェクトを完成させる協力関係がある
- スキルが上がるにつれ、任される案件の規模・難易度が上がっていくキャリアの手応えがある
苦労として語られること
- クライアントの要望の変化・無理な修正依頼への対応が精神的にきつい(特にディレクター)
- 納期前は深夜残業が続くプロジェクトがある(受託制作会社で特に顕著)
- 技術のキャッチアップが終わりなく続くため、常に自己学習が必要
- デザインの方向性・コードの書き方など「正解」が1つでない判断を求められ続けるプレッシャーがある
- 未経験入社の最初の1年は、フィードバックの量が多く挫折感を感じやすい
Web制作転職のためのスキル習得ロードマップ
「今から始めたら何ヶ月後に転職活動を始められるか」の目安を職種別に整理する。
Webデザイナー(目標:転職活動開始まで4〜6ヶ月)
- 1ヶ月目:Figmaの基本操作・デザイン基礎(余白・タイポグラフィ・カラー)を習得
- 2〜3ヶ月目:ワイヤーフレームからFigmaデザイン完成まで3サイトを制作
- 4〜5ヶ月目:実際のWebサイトをリデザイン(既存サイトのUIを改善した作品を作る)
- 6ヶ月目:ポートフォリオサイト自体をデザイン・公開して転職活動開始
コーダー・フロントエンドエンジニア(目標:転職活動開始まで3〜5ヶ月)
- 1〜2ヶ月目:HTML/CSSの基礎・Flexbox・Gridレイアウトを習得
- 2〜3ヶ月目:レスポンシブ対応のWebサイトを3サイト制作・GitHubに公開
- 3〜4ヶ月目:JavaScriptの基礎・DOM操作でインタラクティブな実装を追加
- 4〜5ヶ月目:ポートフォリオサイトをGitHubで公開し転職活動開始
Webライター(目標:転職活動開始まで1〜2ヶ月)
- 1週目:SEOの基礎知識(キーワード選定・検索意図・見出し構成)をインプット
- 2〜3週目:ブログを立ち上げてSEO記事を3本書き公開する
- 1〜2ヶ月目:5〜10本の記事を公開・検索順位の変化をトラッキング
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