内定の返事を保留したい|待ってもらえる期間と電話・メールで伝える例文

内定の返事は、保留して構いません。大事なのは、お礼を先に伝え、保留したい理由と「いつまでに返事をするか」をこちらから示すことです。期限を決めずに「少し考えさせてください」とだけ伝えると、企業は次の動きが取れず、印象を下げやすくなります。
この記事では、内定の返事を待ってもらえる期間の考え方、保留する前に確かめておく条件、電話とメールで保留を伝える例文、他社の選考との調整の仕方、期限の延長を頼むときの伝え方、保留中に決めるための比べ方をまとめます。内定を断る方法と、承諾した後の辞退については別の記事で扱っているので、ここでは「返事を待ってもらう」場面に絞ります。
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内定の返事は保留していい?まず押さえる3つの前提
内定の返事を保留すること自体は、転職ではめずらしいことではありません。複数の会社を並行して受けていれば、返事の時期がずれるのは自然なことです。保留を伝える前に、次の3つを押さえておいてください。
- 返事の期限は企業が決める:法律で「内定の返事は何日以内」と決まっているわけではありません。期限は企業ごとに違い、内定の通知や電話で示されることが多いです。
- 承諾書などを出す前の段階なら、返事の保留も辞退も選びやすい:判例では、内定の通知と、応募者からの承諾書や誓約書の提出がそろうと、労働契約が成立したとされます(東京都産業労働局「TOKYOはたらくネット」の解説資料。大日本印刷事件・最高裁昭和54年7月20日判決)。保留している間に、承諾書を出すかどうかを決めると考えておくと分かりやすいです。
- 企業も次の動きを待っている:あなたが断れば、企業はほかの候補者に連絡したり、募集を再開したりします。保留する期間が長いほど企業の採用の予定に影響するので、期限を守ることが信頼につながります。
3つ目を意識しておくと、伝え方が変わります。「待ってもらう」のではなく、「〇日までに必ず返事をするので、それまで時間をください」と、こちらから区切りを示すのが基本です。
返事を待ってもらえる期間と、期限の確かめ方
待ってもらえる期間に決まりはなく、企業の事情で変わります。内定の通知に期限が書かれていればその日までが基本で、書かれていなければ、こちらから「〇日までにお返事します」と日付を示して相談します。急いで人を採りたい求人や、ほかにも候補者がいる場合は短くなりやすく、入社日が先の求人や、時間をかけて採用している会社では長めになることがあります。
期限がどう示されたかで、取るべき動きが変わります。
| 期限の示され方 | 取るべき動き |
|---|---|
| 内定通知書やメールに「〇月〇日までにご返答ください」と書いてある | その日までに返事をする。足りなければ、早めに延長の相談をする |
| 電話で「1週間ほどで」と言われた | 具体的な日付に直して確かめる。「〇月〇日(〇)までにお返事する形でよろしいでしょうか」 |
| 期限について何も言われていない | こちらから期限を聞く。または「〇日までにお返事します」と自分から示す |
| 「できればこの場で」と言われた | その場で決めなくてよい。お礼を伝え、短い期限を自分から示して持ち帰る |
期限を日付で確かめるのは、言った・言わないのずれを防ぐためです。「1週間」が7日後の意味か、翌週の同じ曜日の意味かで、1〜2日ずれることがあります。
企業が返事の期限を決める理由
企業が期限を区切るのには、採用の段取りがあるからです。内定を出した人が断った場合に備えて、ほかの候補者への連絡を待ってもらっていたり、求人の掲載を続けるか止めるかを決めかねていたりすることがあります。入社が決まれば、配属先の準備や研修の予定も組み始めます。
こうした事情を知っておくと、「なぜ急がされるのか」に腹を立てずに済み、相手が受け入れやすい期限の出し方も分かってきます。企業の側から見ても、日付がはっきりしている保留のほうが、予定を組み直しやすいものです。
保留しないほうがいい場面
保留はできますが、いつでもしたほうがよいわけではありません。次のような場合は、条件を書面で確かめたうえで、早めに承諾したほうが話が進みやすくなります。
- 最初から第一志望で、条件にも納得している
- ほかに選考中の会社がない、または結果を待つほどの思いがない
- 急募の求人で、入社日がすぐに決まっている
- 迷っている点が、質問すれば解決する程度の小さなもの
迷いの中身が「質問すれば分かること」なら、保留より先に質問をしてください。答えをもらった時点で決められることも多いです。
保留する期間は、自分で「最短」を見積もる
何日あれば決められるかは、保留の理由によって違います。次の表で、自分に必要な日数を先に見積もってから伝えてください。
| 保留の理由 | 必要な時間の目安を考えるポイント |
|---|---|
| 他社の選考の結果を待ちたい | 他社の最終面接の日と、結果が出るまでの日数。他社に結果を早めてもらえるかも確かめる |
| 労働条件を確認したい | 労働条件通知書などの書面をもらい、内容を確かめるまでの日数 |
| 家族と相談したい | 家族と話せる日。勤務地や収入が変わる場合は、話し合いに数日かかることもある |
| 今の会社の退職の時期を確かめたい | 就業規則の退職の申し出の期限と、引き継ぎの見込み |
保留する前に確かめること|条件が分からないまま返事をしない
保留の時間を有効に使うために、内定の連絡を受けたら、まず条件を確かめます。会社は、労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間などの労働条件を書面などで示す義務があります(労働基準法 第15条)。求人票や面接で示された条件から変わる場合は、その変わる内容を示すことも求められています(職業安定法 第5条の3第3項)。
返事をする前に、次の項目が書面で分かっているかを確かめてください。
| 確かめる項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 給与 | 月給の額と内訳(基本給・固定残業代・手当)。求人票の幅のどこに決まったか |
| 勤務地・仕事内容 | 配属先と、将来の異動や仕事の変更の範囲 |
| 勤務時間・休日 | 始業・終業の時刻、休日の決まり方、年間休日 |
| 雇用形態・試用期間 | 正社員か、契約期間はあるか。試用期間の長さと、その間の条件 |
| 入社日 | 企業の希望日と、自分が入社できる日が合うか |
書面がまだ届いていない場合は、「お返事の前に、労働条件を書面で確認させていただけますでしょうか」と頼んで構いません。条件を確かめてから決めたいという理由は、保留の理由として受け入れられやすいものです。入社日の調整は入社日の調整は可能?交渉のタイミング・伝え方、給与の交渉は転職で年収を上げるコツ完全ガイドを参考にしてください。
保留の伝え方|電話で伝えるときの流れと例文
内定の連絡が電話で来た場合は、その電話の中で保留を伝えるのが自然です。伝える順番は、「お礼」→「前向きな気持ち」→「保留の理由」→「返事の期限」→「改めてのお礼」です。
他社の選考の結果を待ちたいとき
「内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。御社で働きたい気持ちは強く持っています。正直にお伝えしますと、もう1社選考が進んでいる会社があり、〇月〇日に結果が出る予定です。両方の結果がそろったうえで、きちんと考えてお返事したいと考えています。大変恐縮ですが、〇月〇日(〇)までお時間をいただくことはできますでしょうか。」
家族と相談したいとき
「内定のご連絡、ありがとうございます。とてもうれしく思っています。勤務地が今の住まいから変わるため、家族と相談したうえでお返事したいと考えています。〇月〇日(〇)までにお返事させていただいてもよろしいでしょうか。」
労働条件を確認したいとき
「内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。前向きに考えております。お返事の前に、給与の内訳と勤務時間について書面で確認させていただきたいのですが、労働条件通知書をお送りいただくことは可能でしょうか。内容を確認したうえで、いただいてから3日以内にお返事いたします。」
電話で伝えた後は、話した内容と返事の期限を、メールでも送っておくと確実です。担当者が社内で共有しやすくなり、日付の行き違いも防げます。
内定の電話に出られなかったとき
在職中だと、仕事中に内定の電話がかかってきて出られないこともあります。留守番電話やメールが入っていたら、その日のうちに折り返します。すぐに話せる状況でなければ、先にメールで「本日〇時以降にお電話いたします」と送っておくと丁寧です。
「お世話になっております。〇〇(氏名)です。先ほどはお電話に出られず失礼いたしました。ご連絡をいただき、ありがとうございます。〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。」
電話で聞かれやすいことと答え方
| 聞かれやすいこと | 答え方の例 |
|---|---|
| 他社はどこですか? | 「〇〇業界の会社です」と業界や職種まででよい。社名を言うかは自分で決めて構わない |
| 他社と弊社、どちらが第一志望ですか? | うそはつかず、「御社の〇〇の点に強く惹かれています。両方の条件を見て決めたいと考えています」と、志望の理由を具体的に伝える |
| 他社の結果が出るのはいつですか? | 分かっている日付をそのまま伝える。分からなければ「確認して明日までにご連絡します」 |
| 今の会社はいつ辞められますか? | 就業規則の期限と引き継ぎの見込みから、入社できる時期の目安を伝える |
メールで保留を伝えるときの例文
内定の連絡がメールで来た場合や、電話の後に確認の連絡を送る場合は、次の形を使えます。件名は、相手がすぐに用件を分かるように書きます。
例文1:内定通知へのお礼と保留の依頼
件名:内定のお礼とお返事の時期について(氏名)
〇〇株式会社 人事部 〇〇様
お世話になっております。〇〇(氏名)です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。御社で働かせていただける機会をいただき、大変うれしく思っております。
現在、もう1社選考が進んでおり、〇月〇日に結果が出る予定です。すべての結果がそろったうえで、責任を持ってお返事をしたいと考えております。大変恐縮ではございますが、〇月〇日(〇)までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。
勝手なお願いで申し訳ございません。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
例文2:電話で伝えた内容の確認
件名:本日のお電話のお礼(氏名)
〇〇株式会社 人事部 〇〇様
本日はお電話にて内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
お電話でお伝えしましたとおり、〇月〇日(〇)までにお返事させていただきます。お待ちいただけることに感謝申し上げます。
引き続きよろしくお願いいたします。
メールの返信は、内定の連絡を受けた当日か、遅くとも翌営業日までに送ります。返事を保留することと、連絡への返信を遅らせることは別のことです。
保留のお願いに返事が来ないとき
保留をお願いするメールを送っても返事が来ない場合は、2営業日ほど待ってから電話で確かめます。担当者が社内で相談している途中のこともあるので、責める言い方は避けます。
「〇月〇日にメールでお返事の時期についてご相談をお送りしたのですが、届いておりますでしょうか。〇月〇日(〇)までにお返事する形でよろしいか、確認させていただきたくご連絡しました。」
他社の選考と調整するコツ|内定の時期をそろえる
保留したい理由としてよくあるのは、他社の選考と時期がずれていることです。保留の期間を短くするには、内定が出た会社に待ってもらうだけでなく、選考中の会社に結果を早めてもらえないか相談するのも有効です。
選考中の会社に結果を早めてもらうときの例文
「先日は面接のお時間をいただき、ありがとうございました。実は他社から内定をいただき、〇月〇日までに返事をすることになっています。御社への志望が強いため、もし可能であれば、それまでに選考の結果をいただくことはできますでしょうか。難しい場合は、そのようにお知らせいただければ幸いです。」
結果を早めてもらえるかは会社によりますが、伝えておくことで、面接の日程を前倒ししてもらえることもあります。断られても、こちらの事情を知ってもらえれば、その後のやりとりがしやすくなります。
選考の時期をそろえる段取り
| 時期 | やること |
|---|---|
| 応募するとき | 応募先の選考の段階と、結果が出るまでの目安を管理表に書いておく |
| 一次面接の後 | 選考の進み方が早い会社と遅い会社を把握する。遅い会社には、次の面接日を早めに入れてもらえないか相談する |
| 最終面接の前 | 内定が出たときの返事の期限の目安を、面接の場か担当者に聞いておく |
| 1社目の内定が出たとき | 期限を日付で確かめ、ほかの選考中の会社に状況を伝える |
内定が出る順番別の考え方
どの会社から先に内定が出るかで、取るべき動きは変わります。よくあるケースを整理します。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 第一志望から先に内定が出た | 条件を書面で確かめ、納得できれば承諾する。選考中のほかの会社には、早めに辞退の連絡をする |
| 第二志望から先に内定が出て、第一志望は最終面接の前 | 第二志望に期限を確かめ、第一志望には結果を早めてもらえないか相談する。期限内に結果が出なければ、延長を1回だけ頼む |
| 2社から同じ時期に内定が出た | 両社の条件を書面でそろえ、比べる表を作って決める。決めたら両社に同じ日に連絡する |
| 内定は1社だけで、ほかはまだ書類選考の段階 | 結果を待つと時間がかかりすぎることが多い。保留は短めにして、内定の会社で決めるかどうかを中心に考える |
転職エージェントを使っている場合は、こうした調整を担当者が企業と進めてくれます。他社の選考状況を担当者に正直に伝えておくと、内定の時期をそろえる提案をしてもらいやすくなります。エージェントを複数使うときの選考状況の伝え方は転職エージェントの複数登録・掛け持ちは何社まで?にまとめています。
期限の延長をお願いするとき|伝え方と、断られたときの判断
一度決めた期限に間に合わない場合は、期限の前日ではなく、間に合わないと分かった時点ですぐに相談します。延長のお願いは、理由と新しい期限をセットで伝えます。
「〇月〇日にお返事するとお伝えしておりましたが、他社の結果の連絡が〇月〇日にずれ込むことになりました。大変申し訳ございませんが、お返事を〇月〇日(〇)までお待ちいただくことは可能でしょうか。難しい場合は、当初の期限までにお返事いたします。」
最後の一文のように、「難しければ当初の期限で返事をする」と添えておくと、企業も判断しやすくなります。延長のお願いは、何度も繰り返すと信頼を下げやすいので、1回までと考えておいてください。
延長を断られたら、どう決める?
延長が難しいと言われたら、期限の中で決めるしかありません。迷ったときは、次の順で考えます。
- 今ある内定の会社に、断っても後悔しない理由があるか
- 結果待ちの会社に、内定の会社を断るほどの強い理由があるか
- 結果待ちの会社に落ちた場合、内定の会社を断ったことを後悔しないか
3つ目で「後悔する」と思うなら、今ある内定を大事にしたほうがよいでしょう。結果待ちの会社に強い思いがあるなら、内定を辞退して待つ選択もありますが、その場合は落ちたときの次の動きも決めておきます。
保留中にやること|決めるための比べ方
保留の時間は、迷うための時間ではなく、決めるための時間です。比べる項目を先に決めて、点数を付けると、気持ちの整理がしやすくなります。
| 比べる項目 | 重み(1〜3) | A社(内定) | B社(選考中) |
|---|---|---|---|
| 仕事内容が自分のやりたいことに近いか | 3 | 4点 | 5点 |
| 給与(月給の額と内訳) | 2 | 4点 | 3点 |
| 休日・勤務時間 | 2 | 3点 | 4点 |
| 通勤時間・勤務地 | 1 | 5点 | 3点 |
| 研修や教え方(未経験の場合) | 2 | 4点 | 3点 |
| 面接で感じた職場の雰囲気 | 1 | 4点 | 4点 |
表の点数は書き方の例です。項目ごとに「重み×点数」を足すと、合計で比べられます。点数の合計だけで決める必要はありませんが、どの項目で差がついているかが見えると、自分が何を大事にしているかがはっきりします。会社を比べる観点は転職で後悔しない会社の選び方|チェックポイント7選にもまとめています。
家族に相談するときに伝えること
家族と相談するために保留したなら、話し合いで判断の材料がそろうように、次の点を具体的に伝えます。
| 伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|
| 収入の変化 | 月給は今より2万円下がるが、残業が減って年間休日は15日増える |
| 勤務地と通勤 | 勤務地は〇〇市で、通勤は電車で40分。転勤はなし |
| 勤務時間と休日 | 8時半〜17時半で土日休み。繁忙期の残業は月20時間ほど |
| 入社の時期 | 今の会社の退職の手続きがあるので、入社は〇月1日の予定 |
| この会社を選ぶ理由 | 未経験から営業を学べる研修があり、3年後には担当を持てる見込み |
表の内容は書き方の例です。収入と働く時間の変化は、言葉で「少し下がる」「たぶん早く帰れる」と伝えるより、数字で伝えたほうが話がまとまりやすくなります。
保留中に確かめておきたいこと
- 労働条件通知書の内容が、求人票や面接で聞いた内容と同じか
- 入社日を、今の会社の退職の手続きに合わせて決められるか
- 聞き残した質問(配属先の人数、研修の進め方、残業の実態など)がないか。あれば人事の担当者にメールで聞く
- 家族と相談する場合は、勤務地・収入・勤務時間の変化を具体的に伝えたか
決めきれないときは、職場を見せてもらう
条件を比べても決めきれないときは、働く場所や人の様子が分からないことが迷いの原因になっていることがあります。保留の期間の中で、職場見学や、配属先の社員と話す機会をお願いできないか相談してみてください。
「お返事の前に、可能でしたら配属予定の職場を見学させていただくか、現場の方に少しお話を伺う機会をいただけないでしょうか。入社後の働き方を具体的にイメージしたうえで、〇月〇日までにお返事いたします。」
応じてもらえるかは会社によりますが、見学で見ておく点は職場見学でチェックすべきポイント完全ガイドにまとめています。
保留で印象を悪くしないための注意点
保留は失礼なことではありませんが、伝え方や進め方によっては、印象を下げてしまうことがあります。よくある失敗と、その代わりにすることをまとめます。
| 避けたいこと | 起きやすいこと | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 期限を決めずに「考えさせてください」とだけ言う | 企業が次の動きを取れず、入社の意思が低いと受け取られやすい | 日付を決めて伝える |
| 期限を過ぎても連絡しない | 内定が取り消されたり、ほかの候補者で決まったりすることがある | 決まっていなくても、期限の日には一度連絡する |
| 延長を何度も頼む | 入社への本気度を疑われやすい | 延長は1回まで。新しい期限を必ず守る |
| 条件の交渉だけを長く続ける | 話がまとまらず、関係がこじれることがある | 確かめたい点を一度にまとめて伝える |
| 他社の内定を引き合いに強く迫る | 駆け引きと受け取られ、話が進みにくくなる | 事実として選考状況を伝え、判断の材料にしてもらう |
| うその理由を言う | 後で話が食い違い、信頼を失う | 言いにくい理由も、言える範囲で正直に伝える |
「内定承諾書」の提出を求められたら
内定の通知と一緒に、内定承諾書や入社誓約書の提出を求められることがあります。判例では、内定の通知と、承諾書・誓約書などの提出がそろうと労働契約が成立したとされるので(大日本印刷事件・最高裁昭和54年7月20日判決)、承諾書を出すことは、内定を承諾する返事そのものと考えてください。
迷っている間は、承諾書を出さずに保留の相談をします。「期限までに承諾書を出してください」と言われた場合は、その期限が返事の期限です。承諾書に書かれた内容(入社日、提出書類、辞退する場合の連絡など)も、出す前に読んでおきます。
未経験からの転職で保留するときの考え方
未経験から職種を変える転職では、経験者の転職に比べて、内定が出る会社の数が限られることがあります。内定が1社でも出たら、その会社の条件と研修の中身をしっかり確かめ、「ここで始めて、数年で経験を積む」道として考えられるかを検討してください。
結果待ちの会社に強い思いがある場合も、比べる軸は「最初の給与」だけでなく、教えてもらえる環境があるか、3年後にどんな仕事ができそうかにも置いておくと、後悔の少ない選び方になります。
返事を決めたら|承諾・辞退の連絡と、その後の流れ
決めたら、期限の前でもすぐに連絡します。承諾する場合も辞退する場合も、まず電話で伝え、その後にメールでも送ると確実です。
承諾するときの例文
「先日は内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。お返事をお待ちいただき、感謝しております。ぜひ御社でお世話になりたく、内定をお受けいたします。入社日や手続きについて、今後の流れを教えていただけますでしょうか。」
承諾した後は、入社に向けて今の会社の退職の手続きを始めます。退職の伝え方から入社までの流れは内定もらってから退職までの流れ完全ガイドにまとめています。
辞退するとき
辞退する場合も、待ってもらったことへのお礼を最初に伝えます。理由は短くて構いません。電話とメールの例文は内定辞退の方法|メール・電話の例文付きで紹介しています。
なお、一度承諾した後に辞退すると、労働契約が成立した後の解約として扱われ、企業への影響も大きくなります。期間の定めのない雇用では、法律上は申し入れから2週間で雇用は終わるとされていますが(民法 第627条第1項)、企業はすでに入社の準備を進めていることがあります。承諾後の辞退の考え方は転職の内定承諾後に辞退できる?リスクと正しい断り方を読んでおいてください。迷いが残るうちは承諾せず、保留の期間の中で決めきることが大切です。
内定の保留でよくある質問
Q. 保留をお願いしたら、内定を取り消されることはありますか?
期限を決めて丁寧にお願いすれば、保留そのものが大きな問題になることは少ないはずです。ただ、承諾する前の段階なので、期限を過ぎても連絡しないままだと、企業がほかの候補者で採用を決めることはあります。期限を守ることがいちばんの対策です。
Q. 何日くらいまでなら待ってもらえますか?
企業によって違い、決まった日数はありません。まずは企業の示した期限を日付で確かめ、足りなければ理由と希望の日付をセットで相談してください。待ってもらえるかどうかは、相談したときの企業の返事で分かります。
Q. 保留の理由に「他社の選考中」と正直に言っていいですか?
言って構いません。転職では複数の会社を並行して受けるのは珍しいことではなく、正直に伝えたほうが、その後の調整も進めやすくなります。社名まで伝えるかは自分で決めて構いませんが、結果が出る日付は伝えたほうが、企業も待つかどうかを判断しやすくなります。
Q. 内定の連絡をもらった電話で、その場で返事をしないといけませんか?
その場で返事をする必要はありません。お礼を伝えたうえで、「家族と相談して、〇日までにお返事します」「条件を書面で確認してからお返事します」と伝えれば十分です。即答を強く求められて迷う場合は、その会社の進め方そのものを、判断の材料の一つにしてよいでしょう。
Q. 転職エージェント経由の内定でも、自分で企業に連絡するのですか?
エージェント経由の場合は、担当者に保留したい理由と期限の希望を伝えれば、担当者が企業と調整します。自分から直接企業に連絡するより、担当者を通したほうが話が食い違いにくくなります。
Q. 保留中に、条件の交渉をしてもいいですか?
確かめたい点や相談したい点があれば、保留中に伝えて構いません。ただ、交渉が長引くと返事の期限に影響するので、聞きたいことは一度にまとめて伝えてください。給与の交渉をする場合は、根拠となる経験や他社の条件を、事実として示すと話が進みやすくなります。
Q. 保留している間に、ほかの会社の面接を新しく受けてもいいですか?
受けて構いません。ただ、保留の期限内に結果が出ない会社を増やしても、判断の材料にはなりにくいです。新しく受けるなら、期限までに結果が出るかを先に確かめてください。期限の延長を頼む理由を増やすために応募するのは、おすすめしません。
まとめ|お礼・理由・期限の3点セットで、保留は丁寧に伝える
- 内定の返事は保留してよい。期限は企業が決めるので、日付で確かめる
- 保留を伝えるときは「お礼→前向きな気持ち→理由→返事の期限」の順で、期限はこちらから示す
- 返事の前に、労働条件通知書などの書面で給与・勤務地・休日・入社日を確かめる
- 他社の選考と時期がずれるときは、選考中の会社に結果を早めてもらう相談もする
- 期限の延長は1回まで。間に合わないと分かった時点ですぐに相談する
- 迷いが残るうちは承諾しない。承諾後の辞退は企業への影響が大きい
内定の返事を保留したいとき、どう伝えればいいか、他社の選考とどう調整すればいいかは、一人で考えると迷いやすいところです。Re:WORKでは、担当のアドバイザーが面接の日程調整や条件の確認、内定後の入社日の調整を企業との間に入って進めます。まだ比べる候補が少ない人は、求人一覧から並行して受けられる会社を探すこともできます。
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