求人票の見方|給与・休日・残業で見落としやすい12項目と確かめ方

求人票は、上から順に読むより「給与・休日・残業」の3つを先に確かめると、入社後のずれを減らせます。特に見落としやすいのは、月給の幅の下限、固定残業代の時間数、年間休日の日数の3つです。同じ「月給25万円」でも、固定残業代が含まれているか、休みが年に何日あるかで、働き方も時給に直した金額も大きく変わります。
この記事では、求人票で見落としやすい12項目を、給与・休日・残業・働く条件の順に、読み方と確かめ方をまとめます。Re:WORKに掲載している求人の給与や休日のデータも、目安として載せています。
Re:WORKの求人データ(2026年10月17日時点・公開求人13,784件)
- 月給の下限の中央値 240,000円・上限の中央値 300,000円(月給で書かれた求人)
- 年間休日120日以上 4,705件(34%)・完全週休2日制 4,839件(35%)
- 残業20時間未満 4,667件(34%)・転勤なし 6,958件(50%)
求人票で見落としやすい12項目の一覧
先に12項目の全体を一覧にします。気になる求人を見つけたら、この表の順に確かめていくと、読み飛ばしが減ります。
| No. | 項目 | 見落としやすい点 | 確かめ方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 月給の幅 | 「22万〜35万円」の上限で考えてしまう | 自分が入社したときは下限に近いと考えて計算する |
| 2 | 給与の単位 | 年収表記・年俸制・月給日給制の違い | 月々いくら入るか、休んだ日に差し引かれるかを確かめる |
| 3 | 固定残業代(みなし残業) | 月給に何時間分の残業代が含まれているか | 基本給の額・時間数・超えた分の支払いの3点を見る |
| 4 | 手当 | 月給に手当が含まれているか、別に支給か | 手当の名前と金額、支給の条件を見る |
| 5 | 賞与・昇給 | 「賞与あり」だけで金額が分からない | 前年度の実績(○か月分)が書かれているか |
| 6 | 年間休日 | 「週休2日」だけで年間の日数が書いていない | 年間の日数と、その内訳(夏季・年末年始など) |
| 7 | 週休2日制と完全週休2日制 | 言葉が似ていて休みの数が違う | 毎週2日休めるのか、月に何回か土曜出勤があるのか |
| 8 | 残業時間 | 「月平均○時間」の数字の中身 | 部署や時期による差、繁忙期の時間 |
| 9 | 勤務時間とシフト | 交替制や変則勤務の書き方 | 始業・終業の時刻、休憩、シフトの決まり方 |
| 10 | 勤務地と変更の範囲 | 入社後の転勤や配置換えの可能性 | 「就業場所の変更の範囲」「業務の変更の範囲」の欄 |
| 11 | 雇用形態と契約期間 | 正社員か、期間の定めがある契約か | 契約期間・更新の基準・更新の上限 |
| 12 | 試用期間 | 試用期間中だけ条件が違う | 期間の長さと、その間の給与・雇用形態 |
会社選び全体の考え方は転職で後悔しない会社の選び方|チェックポイント7選にまとめているので、ここでは求人票の読み方に絞って説明します。
例:この求人票、どこを確かめる?
説明のために作った架空の求人票で、12項目の当てはめ方を見てみます。
【職種】ルート営業(未経験歓迎)/【給与】月給23万〜32万円(固定残業手当含む)/【休日】週休2日制(日曜・祝日・他)、年間休日110日/【勤務時間】8:30〜17:30(休憩60分)、残業月平均15時間/【勤務地】○○営業所/【雇用形態】正社員(試用期間3か月)
| 気づく点 | 確かめること |
|---|---|
| 月給に固定残業手当が含まれているが、時間数と金額がない | 固定残業代を除いた基本給、何時間分でいくらか、超えた分は払われるか |
| 月給23万〜32万円の幅 | 未経験で入った場合の額。生活は23万円で計算する |
| 週休2日制(日曜・祝日・他) | 土曜日の出勤が月に何回あるか。年間休日110日の内訳 |
| 勤務地が営業所だけ | 就業場所の変更の範囲。ほかの営業所への異動はあるか |
| 試用期間3か月 | その間の給与と雇用形態が本採用後と同じか |
この求人票なら、応募前に少なくとも4つは確かめることがあります。1つずつ確かめていけば、応募するかどうかの判断がしやすくなります。
給与①月給の幅は「下限」で生活を考える(項目1・2)
求人票の給与は、「月給22万〜30万円」のように幅を持たせて書かれていることがよくあります。幅のどこに決まるかは、経験・年齢・能力などで決まることが多く、未経験から入る場合は下限か、下限に近いところから始まると考えておくのが安全です。
Re:WORKの求人で、月給で書かれた求人(11,857件)の数字を見ると、次のようになっています(2026年10月17日時点)。
| 目安 | 月給の下限 |
|---|---|
| 下から4分の1の位置(25%点) | 210,000円 |
| 真ん中(中央値) | 240,000円 |
| 上から4分の1の位置(75%点) | 258,800円 |
| 参考:月給の上限の中央値 | 300,000円 |
下限の中央値が24万円、上限の中央値が30万円で、幅の差はおよそ6万円です。上限の30万円を前提に家賃やローンを考えると、入社後に「思っていたより手取りが少ない」となりやすいので、生活の計算は下限の額で組み立ててください。
職種によって給与の幅は違う
同じ月給の幅でも、職種によって相場が違います。Re:WORKの求人のうち月給で書かれたものを職種別に見ると、次のとおりです(2026年10月17日時点)。
| 職種 | 月給の下限の中央値 | 月給の上限の中央値 |
|---|---|---|
| 営業 | 250,000円 | 313,600円 |
| ITエンジニア | 250,000円 | 380,000円 |
| 建築・土木・設備 | 243,600円 | 375,000円 |
| 事務・管理 | 240,000円 | 250,000円 |
| 物流・運輸・ドライバー | 240,000円 | 250,000円 |
| 販売・サービス・接客 | 230,000円 | 300,000円 |
| 製造・技能工・設備保全 | 228,571円 | 237,000円 |
下限の中央値は職種による差が2万円ほどですが、上限の中央値は大きく違います。ITエンジニアや建築・土木・設備は、月給の上限の中央値が下限の中央値より12万円以上高く、幅が広い職種です。事務や製造、物流は幅が狭く、入社時の給与が分かりやすい一方で、伸び方は昇給や手当の書き方で確かめる必要があります。
給与の単位の違い
求人の給与は、月給のほかにもいくつかの書き方があります。Re:WORKの求人では、月給が12,424件、年収で書かれたものが1,105件、月給日給制が122件、年俸が85件でした。
| 書き方 | 意味 | 確かめること |
|---|---|---|
| 月給 | 月ごとに決まった額が支払われる | 固定残業代や手当が含まれているか |
| 月給日給制 | 月の額を決めたうえで、欠勤した日の分を差し引く形が一般的 | 欠勤や遅刻のときの差し引き方 |
| 年収表記(例:年収300万〜400万円) | 賞与や残業代の見込みを含めて書いていることがある | 月給はいくらか、賞与は何か月分を見込んだ数字か |
| 年俸制 | 1年分の給与を先に決め、分けて支払う | 何回に分けて払うか、残業代の扱い |
年収で書かれている求人は、月々の手取りが想像しにくいので、「月給はいくらか」「賞与は何か月分を見込んだ数字か」を必ず確かめてください。賃金は毎月1回以上、決まった日に支払うことが法律で決まっていて(労働基準法 第24条)、年俸制でも毎月の支払いはあります。
給与②固定残業代(みなし残業)は3点セットで読む(項目3)
固定残業代とは、一定の時間分の残業代を、実際の残業の有無にかかわらず定額で払う仕組みです。求人票の「月給25万円」の中に、残業代が含まれていることがあります。
厚生労働省は、固定残業代を採用する場合、募集要項や求人票に次の3つをすべて書くよう求めています(若者雇用促進法に基づく指針。厚生労働省リーフレット「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」)。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
- 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して、割増賃金を追加で支払う旨
同じリーフレットでは、ハローワークに寄せられた「求人票と実際の条件が違う」という申し出のうち、いちばん多い内容は「賃金に関すること(固定残業代を含む)」だったと紹介されています(厚生労働省職業安定局調べ・平成29年度)。給与の欄は、それだけ食い違いが起きやすいところです。
固定残業代のある求人の読み方(計算例)
たとえば、次のように書かれた求人があったとします(説明のために作った架空の例です)。
月給232,000円(基本給200,000円+固定残業手当32,000円)※固定残業手当は時間外労働20時間分。20時間を超える時間外労働分は追加で支給
| 確かめること | この例での答え |
|---|---|
| 基本給はいくらか | 200,000円。賞与や退職金が「基本給の○か月分」で決まる会社では、ここが基準になる |
| 何時間分の残業代か | 20時間分で32,000円 |
| 超えた分は払われるか | 「追加で支給」と書いてあるので払われる |
| 金額は時間数に見合っているか | 月の所定労働時間が160時間なら、基本給200,000円÷160時間=1時間1,250円。残業の割増(2割5分)を付けると1,562.5円で、20時間分は31,250円。32,000円はこれを上回っている |
| 残業が無い月はどうなるか | 固定残業手当は残業が少なくても支払われるのが固定残業代の仕組み。減額の有無は面接で確認する |
3点のうちどれかが書かれていない求人は、応募前に問い合わせるか、面接で確かめてください。「月給25万円(各種手当含む)」のように、内訳が分からない書き方の求人も同じです。なお、残業代は通常の賃金の2割5分以上(月60時間を超えた部分は5割以上)の割増が法律で決まっています(労働基準法 第37条)。
「みなし労働時間制」は固定残業代とは別のもの
求人票で「みなし労働時間制」「裁量労働制」「事業場外みなし」と書かれている場合は、固定残業代とは別の制度です。外回りの営業などで労働時間を算定しにくい場合の事業場外みなし(労働基準法 第38条の2)や、仕事の進め方を本人に大きく任せる業務の裁量労働制(同法 第38条の3・第38条の4)があり、実際に働いた時間ではなく決められた時間を働いたものとみなします。対象になる仕事や、何時間とみなすかを面接で確かめておくと安心です。
給与③手当・賞与・昇給は「条件」と「実績」を見る(項目4・5)
月給以外のお金は、求人票では一言で済まされていることが多い項目です。書き方ごとに確かめる点をまとめます。
| 求人票の書き方 | 見落としやすい点 | 確かめること |
|---|---|---|
| 賞与あり | 金額も回数も分からない | 前年度の実績(年○回・計○か月分)。業績で変わるか |
| 賞与 年2回(昨年度実績 計3か月分) | 「何の3か月分か」 | 基本給の3か月分なのか、月給の3か月分なのか |
| 昇給あり | いつ、どのくらい上がるか分からない | 年何回か、前年度の実績、評価の仕組み |
| 交通費支給 | 上限がある場合がある | 全額か、月○円までか。マイカー通勤の場合の計算 |
| 住宅手当・家族手当 | 支給の条件がある | 賃貸のみか、扶養家族の条件はあるか |
| 資格手当 | 入社後に資格を取ったら付くのか | 対象の資格と金額 |
賞与の「○か月分」が何を基準にしているかで、金額は変わります。たとえば月給232,000円(基本給200,000円+固定残業手当32,000円)で「賞与 年2回 計3か月分」の場合、基本給が基準なら年60万円、月給が基準なら年69万6千円で、10万円近い差になります。年収を見積もるときは、どちらの基準かを確かめてから計算してください。
Re:WORKの求人では、「交通費全額支給」の特徴が付いた求人は4,100件(30%)、「退職金制度」は5,049件(37%)、「社宅・家賃補助制度」は5,290件(38%)でした。福利厚生の比べ方は転職先の福利厚生は4点を確認で詳しく書いています。
休日①年間休日は「105日」と「120日」を目安に読む(項目6)
休日の欄で最初に見るのは、年間休日の日数です。「週休2日制」と書かれていても、年間の休日数は会社によってかなり違います。
法律では、労働時間は1日8時間・1週40時間まで(労働基準法 第32条)、休日は毎週少なくとも1回(または4週間で4日以上)と決まっています(同法 第35条)。1日8時間働く会社なら、週40時間の上限から逆算すると、年間休日はおおよそ105日前後が下限の目安になります。
| 年間休日 | 休み方の目安 |
|---|---|
| 105日前後 | 1日8時間勤務で週40時間に収める最低ラインの目安。祝日や長期休暇は少なめになりやすい |
| 110日前後 | 週休2日に、夏季・年末年始の休みが少し付く程度 |
| 120日前後 | 土日の休み(年104日前後)に、祝日や年末年始などが加わる水準 |
| 125日以上 | 土日祝に加えて、夏季・年末年始の休みが長め |
Re:WORKの求人で「年間休日120日以上」の特徴が付いている求人は4,705件で、全体の34%です(2026年10月17日時点)。1日の所定労働時間が8時間より短い会社では、年間休日が少なくても週40時間に収まることがあるので、勤務時間と合わせて見てください。年間休日の多い会社の探し方は年間休日120日以上の企業を探す方法と求人票の見極め方にまとめています。
年間休日105日と120日の差は15日で、月に直すと1か月あたり1日以上の違いです。土曜出勤が月に1〜2回あるかどうか、と考えると、毎週の暮らし方への影響が想像しやすくなります。
年間休日の内訳も確かめる
年間休日の数が同じでも、夏季休暇や年末年始休暇を含めて数えているか、有給休暇の計画的な取得日を含めているかで、自由に使える休みは変わります。「年間休日120日(夏季・年末年始を含む)」のように内訳が書かれていない場合は、面接で聞いて構いません。有給休暇は年間休日とは別で、入社から6か月続けて働き、8割以上出勤すると10日もらえることが法律で決まっています(労働基準法 第39条)。
厚生労働省の調査にもとづく年間休日の平均と、日数ごとの休み方の違いは年間休日の平均の記事で整理しています。
休日②「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物(項目7)
求人票の休日欄で、いちばん取り違えやすいのがこの2つです。一般的には次の意味で使われています。
| 書き方 | 一般的な意味 | 例 |
|---|---|---|
| 完全週休2日制 | 毎週必ず2日の休みがある | 毎週土日休み、毎週水日休みなど |
| 週休2日制 | 月に1回以上、2日休める週がある(毎週2日とは限らない) | 土曜は月2回出勤、など |
| 土日祝休み | 土曜・日曜・祝日が休み | カレンダーどおりの休み |
| シフト制(4週8休など) | 決まった曜日ではなく、シフトで休みが決まる | 月8〜9日休み、平日休みが中心 |
Re:WORKの求人では、完全週休2日制が4,839件(35%)、土日祝休みが4,412件(32%)、シフト勤務が4,685件(34%)でした。「週休2日制」とだけ書かれている場合は、土曜出勤が月に何回あるか、祝日のある週はどうなるかを確かめてください。
シフト制の仕事は、平日に休める、混んでいない時間に用事を済ませられる、という良さもあります。土日休みにこだわるかどうかは、生活の都合で決めて構いません。職種によって休み方ははっきり違い、Re:WORKの求人で「土日祝休み」の割合を職種別に見ると次のとおりでした(2026年10月17日時点)。
| 職種 | 土日祝休み | 完全週休2日制 | 年間休日120日以上 |
|---|---|---|---|
| 事務・管理 | 64% | 55% | 51% |
| 製造・技能工・設備保全 | 55% | 33% | 36% |
| 営業 | 31% | 39% | 49% |
| 販売・サービス・接客 | 5% | 31% | 16% |
販売・サービスは土日祝休みが5%と少なく、シフトで平日に休む働き方が中心です。土日に休みたい人は、事務や製造の求人のほうが見つけやすいと言えます。
残業時間は「平均」の中身を確かめる(項目8)
求人票の「残業 月平均20時間」は、部署全体の平均であることが多く、繁忙期や配属先によっては多くなることがあります。数字だけで判断せず、中身を確かめてください。
残業には法律の上限があります。会社が残業をさせるには、労働者の代表と協定(いわゆる36協定)を結んで届け出る必要があり、残業の上限は原則として月45時間・年360時間です(労働基準法 第36条)。臨時的な特別の事情がある場合でも、年720時間以内、休日労働を含めて月100時間未満などの上限があります。
| 求人票の書き方 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 残業 月平均○時間 | だれの平均か(全社か配属先の部署か)。繁忙期は何時間くらいか |
| 残業ほぼなし | 時期による違い。持ち帰りの仕事がないか |
| 残業代全額支給 | 固定残業代との関係。1分単位か、まとめて計算するか |
| 残業時間の記載なし | 面接で月の平均と、多い月の時間を聞く |
Re:WORKの求人で「残業20時間未満」の特徴が付いているのは4,667件(34%)です。面接で残業を聞くのは失礼ではありませんが、「残業はしたくない」とだけ伝えるより、「繁忙期は月どのくらいになりますか」と聞くほうが、答えをもらいやすくなります。残業の少ない職種は定時で帰れる仕事ランキング20選で紹介しています。
勤務時間・勤務地は「変更の範囲」まで読む(項目9・10)
勤務時間の欄では、始業・終業の時刻と休憩時間のほかに、交替制やシフトの有無を見ます。「8:00〜17:00、または20:00〜翌5:00(交替制)」のように書かれていれば、夜勤がある働き方です。夜10時から朝5時までの勤務には、深夜の割増賃金(2割5分以上)が付きます(労働基準法 第37条)。
勤務地の欄は、2024年4月から特に見ておきたい項目になりました。職業安定法施行規則の改正で、求人を出すときに「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業場所の変更の範囲」を示すことが求められるようになったためです(厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」)。
| 求人票の書き方の例 | 読み方 |
|---|---|
| 就業場所:本社(変更の範囲:変更なし) | 入社後も勤務地は変わらない前提 |
| 就業場所:○○営業所(変更の範囲:会社の定める営業所) | 将来、ほかの営業所に異動する可能性がある |
| 業務:製造ライン作業(変更の範囲:会社の定める業務) | 入社後に別の仕事に配置換えされる可能性がある |
「転勤なし」の特徴が付いた求人は、Re:WORKの求人の50%(6,958件)でした。転勤や異動が困る事情がある人は、変更の範囲の書き方と合わせて、実際にどのくらいの頻度で異動があるかを面接で聞いてください。
雇用形態と試用期間は「期間」と「その間の条件」を見る(項目11・12)
雇用形態の欄では、「正社員」かどうかだけでなく、雇用期間の定めがあるかを確かめます。Re:WORKの求人の雇用形態は、正社員10,378件(75%)、正社員(無期契約)1,502件(11%)、契約社員969件(7%)でした(2026年10月17日時点)。
期間の定めがある契約の求人では、契約期間と、更新するかどうかの基準、更新の回数や通算期間に上限があるかを、求人を出す段階で示すことになっています(職業安定法施行規則 第4条の2)。「契約社員から正社員登用あり」と書かれている場合は、登用の条件と前年度の実績も聞いておくと判断しやすくなります。契約社員と正社員の違いは契約社員と正社員の違い4点で比べています。
試用期間中の条件
試用期間に関する事項も、求人で示す項目の一つです(同規則 第4条の2)。見ておきたいのは次の3点です。
- 期間の長さ:何か月か、延長されることがあるか
- その間の給与:本採用後と同じか、試用期間中だけ低い額か
- その間の雇用形態:試用期間中は契約社員などの別の形になっていないか
試用期間中も労働契約は成立していて、働き始めて14日を超えた後に会社が解雇する場合は、通常と同じく解雇の予告などの決まりが適用されます(労働基準法 第21条)。
求人票に書いていないことの確かめ方|面接と労働条件通知書
求人票には、うその表示や誤解させる表示をしてはいけない決まりがあり(職業安定法 第5条の4)、募集する会社は情報を正確で最新に保つ義務も負っています。それでも、紙面の都合で書ききれないことは残ります。確かめる場面と方法を整理します。
| 場面 | 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 応募前 | 固定残業代の内訳、年間休日の内訳、試用期間中の条件 | 「求人票の月給に固定残業代が含まれているか教えてください」 |
| 面接 | 配属先の残業時間、休日出勤の頻度、研修の進め方 | 「配属予定の部署で、繁忙期の残業は月どのくらいでしょうか」 |
| 内定後 | 給与の内訳、勤務地、入社日、試用期間 | 「労働条件通知書をいただけますか。内容を確認してからお返事します」 |
会社は、労働契約を結ぶときに賃金・労働時間などの条件を書面などで示す義務があり(労働基準法 第15条)、求人票の条件から変わる場合は、変わる内容を示すことも求められています(職業安定法 第5条の3第3項)。内定が出たら、労働条件通知書の内容が求人票と同じかを、この記事の12項目で照らし合わせてください。示された条件が事実と違う場合、働く人はすぐに労働契約を解除できることも法律で決まっています(労働基準法 第15条第2項)。
面接で会社の雰囲気や働き方を見極める方法は面接でブラック企業を見極める方法|求人票・面接官の言動チェックリストも参考にしてください。
実際の求人票で練習してみたい人は、求人一覧から気になる求人を開き、この記事の12項目を順に当てはめてみると、読み方がつかめてきます。事務職で探す人なら未経験歓迎の事務・管理の求人から見てみるのも一つの方法です。
応募前に使えるチェックシート
気になる求人を見つけたら、次の項目に「はい」「いいえ」「不明」で答えてみてください。「不明」が残った項目が、面接やエージェントを通して確かめることです。
- 月給の下限の額で、毎月の生活費をまかなえる
- 給与に固定残業代が含まれているか分かる(含まれる場合は、基本給・時間数・超過分の支払いが書いてある)
- 賞与と昇給の前年度の実績が分かる
- 交通費の支給の条件(全額か上限ありか)が分かる
- 年間休日の日数と、その内訳が分かる
- 毎週2日休めるのか(完全週休2日制か)が分かる
- 残業時間の平均と、繁忙期の目安が分かる
- 始業・終業の時刻、夜勤や交替制の有無が分かる
- 勤務地と業務の「変更の範囲」が分かる
- 雇用期間の定めの有無と、契約更新の基準が分かる
- 試用期間の長さと、その間の給与・雇用形態が分かる
- 求人票と、面接で聞いた条件に違いがない
求人票の見方でよくある質問
Q. 月給の幅が大きい求人は、避けたほうがいいですか?
避ける必要はありません。経験者から未経験者まで幅広く募集している求人では、幅が大きくなりやすいです。ただ、未経験で入る場合は下限に近い額になると考えて、下限の額で生活できるかを確かめてから応募してください。
Q. 固定残業代がある会社は、残業が多いということですか?
固定残業代があるからといって、必ず残業が多いとは限りません。ただ、固定残業時間を何時間に設定しているかは、その会社の残業の目安を知る手がかりになります。実際の平均残業時間と合わせて確かめてください。
Q. 年間休日が書いていない求人はどう読めばいいですか?
休日の欄から推測するより、問い合わせるか面接で聞くのが確実です。「完全週休2日制(土日)、祝日、夏季・年末年始」と書かれていれば120日を超える会社もありますが、会社のカレンダーによって変わるので、日数は問い合わせて確かめてください。
Q. 求人票と面接で聞いた条件が違ったら、どうすればいいですか?
どちらが正しいのかを、内定の前後で必ず確かめてください。条件が変わる場合、会社はその内容を示すことになっています(職業安定法 第5条の3第3項)。最終的には、労働条件通知書などの書面に書かれた条件で判断します。
Q. 「未経験歓迎」と書いてあれば、研修はありますか?
研修の有無や中身は求人によって違います。「研修あり」の期間や内容が書かれているか、だれが教えるのかを確かめてください。見極め方は未経験歓迎の求人は本当?見極め方と注意点にまとめています。
Q. 月給を時給に直すと、どのくらいになりますか?
固定残業代と通勤手当などを除いた月給を、1か月の所定労働時間で割ると目安が出ます。たとえば基本給20万円で、1日8時間・月20日勤務なら、20万円÷160時間=1,250円です。地域別最低賃金を下回っていないかも、この計算で確かめられます。
Q. 「アットホームな職場」「やる気次第で高収入」などの言葉は、どう受け取ればいいですか?
こうした言葉は、条件そのものを示していないので、判断の材料にはしにくいです。「高収入」なら月給の下限と、どんな条件でいくら上がるのか、「アットホーム」なら社員の人数や平均の勤続年数など、数字で確かめられることに置き換えて聞いてみてください。
まとめ|給与は下限と固定残業代、休日は年間日数から読む
- 月給の幅は下限で生活を計算する。Re:WORKの求人では下限の中央値24万円、上限の中央値30万円
- 固定残業代は「基本給の額・時間数と金額・超えた分の支払い」の3点がそろっているかを見る
- 年間休日は105日前後が下限の目安、120日前後で土日祝が休める水準。「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物
- 残業時間は平均の中身と繁忙期の時間を、勤務地は「変更の範囲」まで確かめる
- 内定後は労働条件通知書を求人票と照らし合わせ、違う点はその場で確かめる
求人票の気になる点を自分で企業に聞くのは、なかなか勇気が要るものです。Re:WORKでは、担当のアドバイザーが求人票の読み方を一緒に確かめ、固定残業代の内訳や休日の数え方、配属先の残業時間など、聞きにくいことを企業に確認するお手伝いもしています。応募するかどうかは、条件が分かってから決めてもらえれば大丈夫です。
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