ITパスポートの難易度|合格率・勉強時間と未経験の転職での活かし方

結論から言うと、ITパスポートは合格率が5割弱(令和7年度は48.6%)の試験で、IT未経験でも勉強すれば届く難易度です。ただし「100点中の何点」ではなく、総合で600点以上かつ3つの分野すべてで300点以上が必要なので、得意な分野だけでは受かりません。転職では「実務経験の代わり」にはなりませんが、ITの基本を学ぶ姿勢を示す材料にはなります。
この記事では、IPA(情報処理推進機構)が公表している合格率の推移、試験の形式と合格基準、出題される3分野の中身、勉強時間の考え方、受験の流れ、未経験の転職でどう活かすかをまとめます。求人データはRe:WORKに載っている求人の件数で、資格名で絞ったものではない点も先に書いておきます。なお、試験の実施は2026年12月27日までで、その後は休止の予定です。詳しくは最初の見出しで説明します。
Re:WORKの求人データ(2026年10月17日時点・公開求人13,784件)
- ITエンジニア系の求人 406件(うち未経験歓迎 46件、資格取得支援制度・資格手当あり 158件)
- 事務・管理の求人 558件(うち資格取得支援制度・資格手当あり 115件)
- 求人全体のうち、資格取得支援制度・資格手当ありは 5,139件(37%)
ITパスポートの合格率は?直近5年の推移
先に大事なお知らせです。IPAは、システム更新のため、ITパスポート試験の実施を2026年12月28日以降は休止する予定としています。試験会場によっては、12月27日より前に休止となる場合があります。2026年9月28日以降に新しく申し込む場合、選べる開催日は12月27日までです。2027年1月以降の実施については、IPAが2026年秋頃に案内するとされています。
あわせて、IPAは2027年度の春頃から、出題分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理した新しい試験に移る見直し案を2026年3月31日に公表しています。これは検討状況の案で、今後変更される場合があります。この記事の分野名・合格基準・形式の説明は、現行の試験(2026年12月27日まで)のものです。
ITパスポート試験は、IPAが実施する情報処理技術者試験の区分のひとつです。IT系の国家試験の中では入門にあたる位置づけで、IT部門の人だけでなく、事務や営業、販売など幅広い職種の人が受けています。
IPAが公表している統計資料(令和8年8月分、令和8年9月28日現在)から、直近5年度の数字を並べます。
| 年度 | 応募者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和3年度(2021年度) | 244,254人 | 211,145人 | 111,241人 | 52.7% |
| 令和4年度(2022年度) | 253,159人 | 231,526人 | 119,495人 | 51.6% |
| 令和5年度(2023年度) | 297,864人 | 265,040人 | 133,292人 | 50.3% |
| 令和6年度(2024年度) | 309,068人 | 273,905人 | 134,617人 | 49.1% |
| 令和7年度(2025年度) | 307,266人 | 271,352人 | 132,012人 | 48.6% |
受験者は年間27万人前後で、合格率はこの5年で52.7%から48.6%へ少しずつ下がっています。合格率が下がった理由はIPAからは示されていないので、数字だけで試験が難しくなったとは言い切れません。
見方としては、受けた人の約2人に1人は合格しない試験です。「誰でも受かる」ほど甘くはなく、「難関資格」というほどでもない、というのが数字から言える範囲です。
12月27日までに受けるか、新制度の案内を待つか
| 選び方 | 向いている状況 | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 12月27日までに現行の試験を受ける | 応募に間に合わせて履歴書に書きたい。勉強にあてられる期間が、後述の目安に収まる | 希望の会場と日時に空きがあるか。会場によっては休止が12月27日より早い |
| 新制度の案内を待つ | 応募を急がず、2027年度以降の新しい試験に合わせて準備したい | 2027年1月以降の実施案内(2026年秋頃にIPAが案内予定)。新制度の中身は案の段階で、変更の可能性がある |
今から勉強を始める場合は、残りの日数で後述の勉強時間の目安に収まるかを先に確かめてください。収まるなら現行の試験、収まらない、または応募を急がないなら新制度の案内を待つ、という分け方が目安になります。見直し案には、DXで求められる考え方やデータマネジメントの基礎の追加、AI時代に対応したセキュリティ・倫理の出題強化も挙げられています。現行の勉強がどれだけ新制度に使えるかは、詳細が出てから確認してください。
試験の形式・合格基準・受験料
形式と基準は、IPAのパンフレットとITパスポート試験のサイトに載っている、現行の試験の内容です。受験料などは改定されることがあるので、申し込む前にIPAの公式ページで最新を確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施方式 | CBT方式(会場のパソコンで解答)。随時実施だが、2026年12月28日以降は休止予定 |
| 出題数・時間 | 100問・120分(多肢選択式) |
| 出題の内訳 | ストラテジ系35問程度・マネジメント系20問程度・テクノロジ系45問程度 |
| 合格基準 | 総合評価点が600点以上(1,000点満点)、かつ分野別評価点がストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のすべてで300点以上(各1,000点満点) |
| 受験手数料 | 7,500円(税込。パンフレット記載) |
| 受験資格 | 年齢・学歴・実務経験の条件は設けられていません |
ここで大事なのは、合格基準が「総合で6割」だけではない点です。たとえば総合では650点を取れても、3分野のうち1つが300点を下回れば不合格になります。「得意分野で稼いで苦手分野は捨てる」という戦い方ができない試験です。
CBT方式は、決められた試験日に全員が同じ問題を解く方式ではなく、空いている会場と日時を選んで受ける方式です。転職活動の予定に合わせて日程を組みやすいのは、社会人にとってありがたい点です。
出題される3分野の中身|文系・IT未経験が苦戦しやすいのはどこ?
現行の試験では、出題は3つの分野に分かれます。分野名は少し難しく見えますが、中身は「会社の経営」「ITの管理」「ITの技術」と読み替えると分かりやすくなります。
| 分野 | 問題数の目安 | どんな内容か | IT未経験者の感覚 |
|---|---|---|---|
| ストラテジ系(経営全般) | 35問程度 | 経営戦略、マーケティング、財務、法務(著作権や個人情報保護など)、業務の効率化といった、会社の仕組みに関する知識 | 仕事の経験がある人は、言葉を知っていれば意外と取り組みやすい |
| マネジメント系 | 20問程度 | システム開発の進め方、プロジェクトの管理、システムを安定して動かし続けるための考え方 | 問題数は少なめなので、数問の取りこぼしが分野別の点数に響きやすい。用語の暗記より流れの理解が効く |
| テクノロジ系 | 45問程度 | コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、データベース、プログラムの基本的な考え方 | 最も問題数が多く、専門用語も多い。ここで差がつきやすい |
出題範囲の細かい項目は、IPAが公開しているシラバスで確認できます。シラバスは改訂されることがあるので、参考書を買う前に、その本が今のシラバスに対応しているかを見ておくと安心です。
テクノロジ系は問題数が最多なので、苦手を残さない
3分野のうち問題数がいちばん多いのがテクノロジ系です。ここで300点を割ると、ほかの分野で高得点を取っても不合格になります。用語を丸暗記しようとするより、「なぜそうなるか」を一度だけ自分の言葉で説明してみると定着しやすくなります。
たとえば、次のような理解の確認です。
- パスワードを何度も間違えるとロックされるのは、何を防ぐためか(総当たりで入力して破られることを防ぐため)
- 二段階認証を使うと、なぜパスワードが漏れても被害を減らせるのか(パスワード以外の確認が別に必要になるため)
- データのバックアップを取るとき、同じ場所にしか保存しないとどんなリスクがあるか(その場所が壊れたら両方失うため)
こうした問いは、実際の出題そのものではなく、理解の確認用に作った例です。本番では選択肢から選ぶ形になるので、理由が分かっていると、知らない用語が出ても消去法で絞りやすくなります。
ストラテジ系は、仕事の経験が味方になる
ストラテジ系には、売上や利益の考え方、契約や著作権、個人情報の取り扱いなど、仕事をしていれば耳にする話題が多く含まれます。事務・営業・販売の経験がある人は、すでに土台があります。逆に、ここを疎かにして落とす人も多いので、「知っているつもり」の言葉こそ、用語の定義を一度確認しておくのがおすすめです。
勉強時間の目安と、はじめての人向けの進め方
勉強時間は、もともとのITの知識で大きく変わります。公的な統計に「平均何時間」という数字は見当たらないため、ここでは目安を幅で書きます。
| いまの状態 | 目安の期間 | 進め方の考え方 |
|---|---|---|
| パソコンは仕事で使うが、ITの用語はほとんど知らない | 1〜2か月ほど。1日30分〜1時間を続ける想定 | 参考書を1冊通読してから、問題演習へ |
| ITの基本用語は聞いたことがある | 3〜6週間ほど | 最初から問題演習に入り、間違えた分野を参考書で戻る |
| IT系の学校や仕事の経験がある | 1〜3週間ほど | ストラテジ系・マネジメント系の穴だけ埋める |
これはあくまで目安で、公式に定められた時間ではありません。現行の試験は2026年12月27日までなので、受けるつもりの場合は、残りの日数と見比べてください。大切なのは時間の長さより、3分野すべてで6割程度の問題が解ける状態まで持っていくことです。
4週間で仕上げる進め方の例
- 1週目:参考書を通読する。分からない用語があっても止まらず、全体像をつかむ
- 2週目:テクノロジ系を中心に、章末問題を解きながら用語を整理する
- 3週目:ストラテジ系・マネジメント系の問題演習。間違えた問題の理由をメモする
- 4週目:IPAの試験サイトにある過去問題で、時間を計って通しで解く。分野ごとの正答率を見て、弱い分野を最後に補強する
通しで解くときは、100問を120分で解くペースに慣れておきましょう。見直しの時間を残すため、迷った問題には印を付けて先へ進み、最後に戻る練習も有効です。
過去問題の使い方
IPAのITパスポート試験サイトには「過去問題」の案内があります。過去問題は、正解を覚えるためではなく、出題のされ方に慣れるために使います。同じ用語でも、聞かれ方が違うと戸惑うことがあるからです。解いたあとは、正解した問題でも「なぜほかの選択肢は違うのか」まで確認すると、似た問題に強くなります。
最初に押さえたい用語18|3分野の「ひとこと理解」表
参考書を開く前に、次の表の用語を自分の言葉で説明できるか試してみてください。説明できない用語が多い分野が、最初に時間をかける場所です。ここでの説明は、意味をつかむための短い言い換えで、試験の正式な定義そのものではありません。
| 分野 | 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| ストラテジ系 | SWOT分析 | 自社や自分の強み・弱み、外部の機会・脅威を4つに分けて整理する方法 |
| ストラテジ系 | KPI | 目標にどれだけ近づいたかを測るための数値の指標 |
| ストラテジ系 | 損益分岐点 | 売上と費用がちょうど同じになり、利益がゼロになる売上の水準 |
| ストラテジ系 | PDCA | 計画・実行・確認・改善を繰り返して、仕事の質を上げる考え方 |
| ストラテジ系 | 著作権 | 文章や写真、プログラムなどを作った人に認められる権利。他人の作品を無断で使うと問題になる |
| ストラテジ系 | 個人情報保護 | 名前や住所などの個人情報を、集めるときも使うときも決められたルールで扱うこと |
| マネジメント系 | ウォーターフォール型 | 要件定義から設計、開発、テストへ、順番に進めるシステム開発の進め方 |
| マネジメント系 | アジャイル型 | 短い期間で小さく作って確認することを繰り返す開発の進め方 |
| マネジメント系 | WBS | プロジェクトの作業を細かく分けて一覧にしたもの。抜けや担当の漏れを防ぐ |
| マネジメント系 | ガントチャート | 作業の開始と終了を横棒で並べ、スケジュールを見やすくした図 |
| マネジメント系 | SLA | サービスの品質(稼働率や対応時間など)について、提供側と利用側が決めておく約束 |
| マネジメント系 | バックアップ | 故障や誤操作に備えて、データの控えを別の場所に取っておくこと |
| テクノロジ系 | 2進数 | 0と1だけで数を表す方法。コンピュータの内部はこの形で情報を扱う |
| テクノロジ系 | IPアドレス | ネットワーク上の機器を見分けるための番号。住所のようなもの |
| テクノロジ系 | フィッシング | 本物そっくりの偽サイトやメールで、IDやパスワードをだまし取る手口 |
| テクノロジ系 | ランサムウェア | データを勝手に暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭を要求するウイルス |
| テクノロジ系 | 暗号化 | 第三者に読まれても意味が分からないよう、データを変換すること |
| テクノロジ系 | データベース | 大量のデータを整理して保存し、必要なものをすぐ取り出せるようにしたしくみ |
この表の用語は、試験の頻出語を網羅したものではありません。「分野ごとの用語の雰囲気」をつかむための入り口です。実際の出題範囲は、IPAのシラバスで確認してください。
時間配分のコツと、不合格だったときの見直し方
試験は100問を120分で解くので、1問あたり平均72秒です。見直しの時間を20分ほど残すなら、解答に使えるのは100分で、1問あたり約60秒になります。次の点を意識しておくと、時間切れを防げます。
- 分からない問題は印を付けて飛ばし、最後にまとめて戻る。1問で2分以上悩まない
- 計算問題や図の読み取りは時間がかかるので、後回しにして先に用語問題を片付ける
- 解答しない問題を残さない。分からなくても、選択肢を絞って埋める
- 残り時間は画面に表示されるので、時計を持ち込めなくても慌てなくてよい
不合格だったときは、分野別の点数を見る
結果は、利用者メニューから試験結果レポートとして確認できます。見るべきなのは総合点より、3分野のどこが300点を下回ったかです。総合で600点に届いていても分野別で足りなければ不合格になるので、次の勉強は、足りなかった分野に時間を寄せます。総合点を上げようとして得意分野を磨くのは、効率がよくありません。
再受験を決めたら、前回間違えた問題の分野と理由(用語を知らなかった、問題文を読み違えた、時間が足りなかった)を分けてメモしておくと、次の対策が立てやすくなります。
申し込みから受験・結果確認までの流れ
ITパスポート試験サイトに載っている流れを、順番に整理します。
- ITパスポート試験のサイトで利用者登録をして、受験を申し込む(受験手数料の支払いを含む)
- 日時と会場を選ぶ。CBT方式なので、空いている枠から選べる
- 受験前に、利用者メニューから確認票をダウンロードして印刷する(受験票は送付されない)
- 当日は、確認票と、顔写真付きで有効期限内の本人確認書類(運転免許証などの原本)を持っていく。腕時計を含め、時計は試験室に持ち込めない(残り時間は画面に表示される)
- 試験後、結果は利用者メニューから試験結果レポートとして確認する。合格発表はサイトで行われ、合格証書は後日発送される
申込方法や本人確認の条件は変更されることがあるので、必ず申し込みの時点でIPAの案内を見てください。転職活動と並行する場合は、書類選考や面接の日程に影響しないよう、試験日を早めに押さえておくと安心です。
ITパスポートは転職で役に立つ?効くところと効かないところ
正直に書くと、ITパスポートだけで採用が決まるとは考えにくい資格です。実務で使えるスキルを証明する資格ではなく、ITの基礎知識を一通り学んだことを示す資格だからです。そのうえで、未経験の転職では次の3つの場面で効きます。
| 場面 | どう効くか | 注意点 |
|---|---|---|
| 書類選考 | 履歴書の資格欄に書ける。ITに関心があり、自分で学んだことが伝わる | 資格欄に載せるだけでは弱い。志望動機とつなげる |
| 面接 | 「なぜIT関連の仕事か」の根拠になる。学んだ中身を具体的に話せると説得力が出る | 用語を並べるだけだと、暗記した印象になる |
| 入社後 | 社内のITツールやセキュリティの話題についていきやすい | 実務のスキルは、入社後に現場で身につけるもの |
逆に、効かない場面もあります。ITエンジニアやプログラマーとして開発の現場に入りたい場合、ITパスポートの知識だけでは足りないと見られることがあります。その場合は、実際に手を動かした経験や、より専門的な資格のほうが評価の材料になります。IT職への入り方は未経験からITエンジニアへの転職の進め方で、資格の選び方はITエンジニアに資格は必要かで整理しています。
求人データで見る、ITの知識が活きる仕事の探し方
Re:WORKの公開求人(2026年10月17日時点・13,784件)から、ITに関わる仕事の件数を見てみます。求人のデータには「ITパスポート歓迎」のような資格名の項目がないため、資格名で数えた件数は出せません。代わりに、職種の区分と、求人の特徴(資格取得支援制度・資格手当あり、未経験歓迎)で見ます。
| 見る区分 | 求人数 | うち未経験歓迎 | うち資格取得支援制度・資格手当あり |
|---|---|---|---|
| ITエンジニア(システム・アプリ・インフラ)の区分 | 406件 | 46件 | 158件 |
| 事務・管理の区分 | 558件 | ― | 115件 |
| 求人全体 | 13,784件 | 8,207件 | 5,139件 |
ITエンジニア区分の406件のうち、未経験歓迎は46件(11%)です。全体の未経験歓迎が60%であることと比べると、ITエンジニアの求人は未経験歓迎の割合がかなり低いことが分かります。資格取得支援制度・資格手当ありの求人が39%(158件)と多いので、入社後に資格取得を会社が後押しする形で入る道は現実的です。なお、求人タイトルから会社名が読み取れない求人が約170件あります。会社名が分かる234件では、1社が占める割合は5%で、特定の会社に偏った数字ではありません。
事務・管理の区分558件は、会社名が分かる求人のうち1社が約3割(33%)を占めています。この数字から「事務の求人全体の傾向」を読み取るのは避けてください。
注意してほしいのは、ここで挙げた件数はITパスポートが評価される求人の件数ではないことです。資格手当の対象になる資格は会社ごとに決まっているので、気になる求人は、求人票で「どの資格が対象か」を確認してください。
ITエンジニア以外で、ITの知識が活きる仕事
ITパスポートは、エンジニア志望者だけの資格ではありません。たとえば次のような仕事では、基礎知識が日々の業務に直結します。
- 事務・営業事務:業務システムや表計算ソフトを使う場面で、情報の扱い方やセキュリティの基本が役に立つ
- 営業:顧客に提案する商材がITサービスの場合、お客様の話を理解しやすくなる
- 販売・サービス:予約や在庫、会員のシステムなど、現場のIT化が進む中でツールに早く慣れやすい
- 製造・物流:生産や在庫を管理するシステムを扱う場面で、データの見方が分かると動きやすい
事務職の探し方は未経験から事務職への転職を成功させる完全ガイド、営業としてITサービスを扱う道はIT営業は未経験でも転職できるかで詳しく書いています。求人を直接見たいときは、ITエンジニアの未経験歓迎求人や事務・管理の求人から探せます。
履歴書と面接での伝え方|資格を「使える材料」にする
取得した資格は、書くだけで終わらせず、志望動機と結びつけて初めて評価の材料になります。ここでは、実在の人物ではなく、型として使える言い方を挙げます。
履歴書の資格欄
資格欄には、正式名称で「ITパスポート試験 合格」のように書き、取得した年月を添えます。勉強中の場合は「取得見込み」や受験予定の時期を書く方法もあります。履歴書全体の免許・資格欄の書き方は、応募先に合わせて整えましょう。
面接で聞かれたときの答えの型
次の型に、自分の経験を当てはめてみてください。
| 聞かれること | 答えの型 |
|---|---|
| なぜこの資格を取ったのか | きっかけ(前職でITツールを使って感じたことなど)→ 学んだこと → 応募先の仕事でどう活かしたいか |
| 学んだ中で印象に残ったことは | 1つに絞り、具体例(例:セキュリティの考え方)を挙げる → 日常の仕事でどう意識しているか |
| 実務ではどんなことができるか | できることとできないことを正直に分ける → 入社後に学ぶ姿勢を添える |
面接では、資格の難易度を誇るより、学んだ中身を仕事にどうつなげるかを話すほうが伝わります。志望動機の考え方は面接で志望動機を聞かれたときの答え方も参考にしてください。
ほかの資格と比べると?選び方の目安
ITパスポートを取るかどうか迷うときは、「どんな仕事を目指すか」から逆算すると選びやすくなります。ここでは性質の違いだけを整理します。
| 資格 | どんな資格か | 向いている人 |
|---|---|---|
| ITパスポート | ITとビジネスの基礎知識を幅広く問う入門の資格 | 職種を問わず、ITの基礎を身につけたい人。IT業界を目指す最初の一歩にしたい人 |
| 基本情報技術者試験 | ITエンジニアを目指す人向けの、より専門的な内容を問う国家試験 | エンジニア職を本気で目指す人 |
| MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | WordやExcelなどの操作スキルを証明する資格 | 事務職で、表計算や文書作成の力を示したい人 |
| 日商簿記 | 会計の知識を問う資格 | 経理・事務で会計の基礎を示したい人 |
それぞれの詳細は基本情報技術者試験は転職に有利か、MOS資格は転職で有利か、簿記の資格は転職に有利かにまとめています。資格を取る時間と、実際に応募する時間のバランスは意識してください。資格の勉強に半年かけて応募が遅れるより、基礎を固めつつ並行して応募するほうが、結果的に早く動けることもあります。
職場の安全衛生に関わる国家資格として、衛生管理者の難易度もあわせて比べられます。
資格の勉強と転職活動を両立する考え方
在職中でも無職でも、勉強に使える時間は限られます。両立のコツは、応募のスケジュールを先に決め、資格はそれに合わせて逆算することです。
| 状況 | おすすめの順番 |
|---|---|
| すぐにでも転職したい | 応募を先に進め、資格は並行して勉強する。面接では「現在勉強中で、◯月に受験予定」と伝える |
| IT業界へのキャリアチェンジを考えている | 1〜2か月で取得を目指し、取得後に応募を本格化する。学んだ内容が志望動機の根拠になる |
| 事務職・営業職など、IT以外が第一希望 | 資格は加点材料と考え、取得に時間をかけすぎない。経験の整理と応募書類の準備を優先する |
取得見込みの書き方や、勉強中であることの伝え方で迷う場合は、転職相談の場で一緒に整理することもできます。働きながらの資格取得全般は働きながら資格を取って転職する方法も参考になります。
応募前に求人票で確かめたい、ITまわりの5つの点
ITの知識を仕事に活かしたい場合、資格を取るより先に、応募先がどんな環境かを確かめるほうが失敗が少なくなります。求人票や面接で、次の5点を見てみてください。
| 確認すること | 見る場所 | 見たい理由 |
|---|---|---|
| 日々使うツールやシステム | 仕事内容欄、面接での質問 | 基礎知識がそのまま使える仕事か、専門ツールの習得が必要な仕事かが分かる |
| 研修の有無 | 「研修制度充実」などの特徴、募集要項 | 入社後に学ぶ前提かどうかで、必要な事前準備が変わる |
| 資格取得支援の対象 | 「資格取得支援制度・資格手当」の記載、面接での質問 | 対象の資格に何が含まれるか、受験料の補助や手当の有無は会社ごとに違う |
| 在宅勤務・リモートの可否 | 勤務地・働き方の欄 | ITツールを自分で使いこなす力が求められる度合いの目安になる |
| 未経験からの配属例 | 面接での質問、求人の「未経験歓迎」の説明 | ITに関わる仕事が、未経験者にも実際に任されるのかを確かめられる |
求人票の言葉だけでは判断しにくい点もあります。「未経験歓迎」の見極め方は未経験歓迎の求人は本当か、見極め方と注意点に書いたので、あわせて確認してください。面接で聞きにくいことは、転職相談の担当者を通して確かめることもできます。
資格の勉強は、応募先の方向が決まってから始めても遅くありません。方向が決まる前に勉強を始めると、取った資格が応募先の仕事に結びつかず、使いどころに困ることがあるためです。まず「どの仕事に就きたいか」を決め、必要に応じて資格を選ぶ順番をおすすめします。
よくある質問
Q. ITパスポートは文系でも受かりますか?
受験資格に学歴や専攻の条件はなく、文系・理系による制限はありません。出題はITの基礎とビジネスの基礎なので、専門的なプログラミング知識は問われません。テクノロジ系の用語に慣れるまでは時間がかかる人もいますが、参考書で用語の意味を一つずつ理解していけば対応できる内容です。
Q. 合格率が約5割なら、簡単な試験ですか?
簡単とも難しいとも言い切れません。受験者には、ITの知識がほぼない人から、すでに詳しい人までが混ざっています。合格率だけで判断せず、3分野すべてで300点以上が必要という基準を踏まえて、苦手分野をつくらない準備をしてください。
Q. 取得すると履歴書にどう書けばいいですか?
正式名称で「ITパスポート試験 合格」と書き、合格した年月を添えます。取得前なら、勉強中であることと受験予定の時期を書く方法があります。書き方は応募先に合わせて整えれば問題ありません。
Q. 資格がなくても、IT関連の仕事に転職できますか?
できます。未経験歓迎の求人では、資格より人柄や意欲を重視するものも多くあります。資格は必須条件ではなく、ITへの関心を示す材料のひとつです。取得に時間をかけすぎるより、応募と並行して進める方法もあります。
Q. 試験は何度でも受けられますか?
再受験のルールや間隔は変更されることがあります。不合格だったときの再受験については、申し込みの時点でIPAのITパスポート試験サイトの案内を確認してください。受験手数料はそのつどかかります。
Q. 実務経験がなくても評価されますか?
実務経験の代わりにはなりませんが、未経験の応募者に求められるのは、経験よりも「学ぶ姿勢」であることが多くあります。資格の勉強を通じて、ITの基礎を自分で学んだことを具体的に話せれば、評価の材料になります。
まとめ|ITパスポートは「入口の資格」として使う
- 令和7年度の合格率は48.6%。受験者の約2人に1人は合格しない、入門でも油断できない試験です
- 合格には総合600点以上かつ3分野すべて300点以上が必要。苦手分野をつくらない準備が要ります
- 形式は100問・120分のCBT方式、受験手数料は7,500円(税込)です。現行の試験は2026年12月27日までで、12月28日以降は休止の予定です
- 転職では実務経験の代わりにならず、「ITの基礎を学んだ」ことを示す材料になります
- ITエンジニアの求人は未経験歓迎が11%と少なめ。資格取得支援のある会社に入って伸ばす道も現実的です
- 12月27日までに受けるか、2027年度の新制度の案内を待つかは、残りの日数と勉強時間の目安で決めます(新制度は案の段階)。取得に時間をかけすぎず、応募と並行して進めましょう
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