衛生管理者の難易度|第一種・第二種の合格率と受験資格、転職で活きる職場

結論から言うと、衛生管理者の合格率は令和7年度で第一種が46.8%、第二種が48.7%で、どちらも受験者の約2人に1人が合格しています。試験そのものより高いハードルになりやすいのが受験資格で、学歴に応じた「労働衛生の実務」の経験(大卒などは1年以上、高卒は3年以上)が必要です。つまり未経験の方は、まず実務に就いてから受験する流れになります。
この記事では、安全衛生技術試験協会が公表している合格率、第一種と第二種の違い、試験科目と合格基準、受験資格、会社に衛生管理者が必要になる仕組み、転職でどんな職場で活きるかをまとめます。求人の件数は、Re:WORKの求人データから、衛生管理者に関わりの深い区分で見ています。
Re:WORKの求人データ(2026年10月17日時点・公開求人13,784件)
- 製造・技能工・設備保全の区分の求人 2,456件(うち資格取得支援制度・資格手当あり 706件)
- 職種名に「人事・総務・労務・法務」を含む求人 43件(うち未経験歓迎 19件)
- 事務・管理の区分の求人 558件(うち資格取得支援制度・資格手当あり 115件)
衛生管理者の合格率は?第一種・第二種の直近2年
衛生管理者の免許試験は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が実施しています。協会が公表している「各種免許試験(学科)の合格率一覧表」から、全国の数字を抜き出します。
| 試験の種類 | 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種衛生管理者 | 令和7年度(2025年4月〜2026年3月) | 66,401人 | 31,046人 | 46.8% |
| 第一種衛生管理者 | 令和6年度(2024年4月〜2025年3月) | 64,911人 | 30,081人 | 46.3% |
| 第二種衛生管理者 | 令和7年度 | 40,653人 | 19,796人 | 48.7% |
| 第二種衛生管理者 | 令和6年度 | 39,262人 | 19,546人 | 49.8% |
受験者数は第一種が年に6万人台、第二種が4万人前後と、協会の免許試験の中では受験者の多い試験です。合格率はどちらも5割前後で、極端に難しい試験でも、誰でも受かる試験でもないというのが数字から言えることです。
協会の一覧表には、同じ年度のほかの免許試験も載っています。たとえば令和7年度の全国の合計では、受験者164,603人に対して合格者83,061人、合格率は50.5%でした。衛生管理者は、免許試験全体の平均とほぼ同じ水準です。
合格率だけを見て「半分は受かる」と考えるのは少し危険です。受験資格を満たし、手数料を払って受ける人の中でも、約半数は不合格になっているからです。独学で臨む人が多い試験なので、出題の傾向をつかんでから本番に臨むことが大切です。
第一種と第二種の違い|どちらを取ればいい?
2つの違いは、衛生管理者になれる職場の範囲です。協会の案内では、次のように整理されています。
| 項目 | 第一種衛生管理者 | 第二種衛生管理者 |
|---|---|---|
| 衛生管理者になれる職場 | すべての業種の事業場 | 有害業務との関連が少ない業種の事業場に限る(情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など) |
| 試験の範囲 | 有害業務に関する内容を含む | 有害業務に関する内容を除く |
| 出題数 | 労働衛生17問(有害業務10問+それ以外7問)、関係法令17問(同)、労働生理10問の合計44問 | 労働衛生10問、関係法令10問、労働生理10問の合計30問 |
| 試験時間 | 3時間(13時30分〜16時30分) | 3時間(13時30分〜16時30分) |
製造業や建設業、運送業、医療業など、有害な業務を含む業種の会社で衛生管理者になるには、第一種が必要です。事務所中心の会社(情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など)なら第二種でも務まります。
迷ったときの目安は次のとおりです。
- 工場・建設・運送・医療など、いろいろな業種の会社を視野に入れたい:第一種
- 事務所中心の会社で総務・人事を目指す:第二種でも足りる場合が多い。ただし将来の選択肢を広げるなら第一種
- すでに第二種を持っていて、第一種に広げたい:第二種の免許を持つ人向けの「特例第一種」という受験区分がある(有害業務に関する科目だけを受ける)
どの業種で、どちらの免許が必要かは、法律(労働安全衛生規則)で決められています。詳しくは後半の「会社に衛生管理者が必要になる仕組み」で整理します。
試験科目と合格基準|40%と60%の2つの壁
合格基準は、協会の案内によると「科目ごとの得点が40%以上、かつ合計が60%以上」です。第一種では、範囲が分かれる科目は範囲ごとに40%以上が必要です。配点から計算した目安を表にします。
| 試験 | 科目(出題数・配点) | 満点 | 合計の合格ライン(60%) |
|---|---|---|---|
| 第一種 | 労働衛生・有害業務に係るもの(10問・80点)、労働衛生・それ以外(7問・70点)、関係法令・有害業務に係るもの(10問・80点)、関係法令・それ以外(7問・70点)、労働生理(10問・100点) | 400点 | 240点以上 |
| 第二種 | 労働衛生(10問・100点)、関係法令(10問・100点)、労働生理(10問・100点) | 300点 | 180点以上 |
科目ごとの40%の足切りは、第二種なら各科目40点以上、第一種なら労働衛生・有害業務が32点以上、同じくそれ以外が28点以上、関係法令も同様に32点と28点、労働生理が40点以上、という計算になります。合計60%を満たしていても、1つの科目が40%を下回ると不合格になる点は覚えておいてください。
3つの科目は、どんな内容?
| 科目 | どんな内容か(大まかなイメージ) | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 労働衛生 | 職場の環境や健康管理、作業環境の測定、健康診断、メンタルヘルスなど | 数字や基準の暗記が多い。有害業務の分野はなじみがないと難しく感じやすい |
| 関係法令 | 労働安全衛生法などで決められた、事業者や衛生管理者の義務、選任や届出のルール | 人数や期限など数字の暗記が中心。条文の言い回しに慣れるまで時間がかかる |
| 労働生理 | 人体の仕組み(血液、神経、消化、呼吸など)と、それが労働にどう関わるか | 理科の基礎に近い内容で、文系の人には暗記量が負担になりやすい |
出題の中身は、協会のサイトで公開されている過去の試験問題で確認できます。試験は選択式なので、過去問題を繰り返し解いて出題のパターンを覚える勉強法が広く使われています。
手数料は、協会の「学科試験共通手数料」として8,800円(各免許試験とも、令和5年6月1日以降に実施される試験から)と案内されています。実際に申し込む前に、協会の最新の案内で金額を確認してください。
受験資格|いちばん大きなハードルは「労働衛生の実務」
衛生管理者の試験は、誰でも受けられる試験ではありません。学歴ごとに決められた年数の「労働衛生の実務」の経験が必要です。協会の案内から、主なパターンを抜き出します。
| 学歴などの区分 | 必要な労働衛生の実務経験 |
|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校を卒業した人(専修学校・各種学校は含まれない) | 1年以上 |
| 高等学校または中等教育学校を卒業した人 | 3年以上 |
| 高等学校卒業程度認定試験に合格した人など | 3年以上 |
| 普通職業訓練(普通課程)を修了した人 | 3年以上 |
| 高度職業訓練(専門課程・応用課程など)を修了した人 | 1年以上 |
| 学歴の要件なし | 10年以上 |
表は主なパターンの抜粋です。専門学校の課程や外国の学校の扱いなど、細かな区分が協会の案内に載っているので、自分の学歴が当てはまる区分は必ず協会のサイトで確認してください。
「労働衛生の実務」とは何を指す?
協会のよくある質問では、労働衛生の実務を「事業主が労働者に命じて、労働者の健康保持につながる措置を行う業務」と説明しています。また、単にデスク周りの清掃や電球交換をするだけでは該当しない、とも書かれています。
たとえば、健康診断の手配や結果の管理、職場の環境測定、衛生委員会の運営の補助といった総務・人事・安全衛生の仕事が考えられます。ただし、自分の業務が実務に当たるかどうかは、最終的に協会が判断します。迷ったときは、申し込む前に協会へ問い合わせるのが確実です。
転職しているときの証明はどうなる?
実務経験は、会社が発行する「事業者証明書」で証明します。協会のよくある質問では、転職で複数の会社に勤めた場合は、それぞれの会社で事業者証明書を作ってもらう必要があるとされています。退職した会社に証明をお願いすることになるので、転職の予定があるなら、在職中のうちに実務の内容と期間を整理し、証明を頼める関係を保っておくと安心です。
未経験者は、どう受験資格を満たす?
未経験の人が最短で受験資格を満たす流れは、次のようになります。
- 衛生管理者に関わる業務(総務・人事・安全衛生)がある会社に就職する
- 入社後、健康診断や職場環境の管理などの労働衛生の実務を経験する
- 学歴に応じた年数(大卒なら1年以上、高卒なら3年以上)を満たしたら、事業者証明書を取って受験する
つまり、衛生管理者の資格を「取ってから転職する」のではなく、「実務に就いてから取る」順番になります。転職の時点で資格がなくても、入社後に取得を目指せる職場を選ぶのが現実的です。
会社に衛生管理者が必要になる仕組み|法律のポイント
衛生管理者の需要が安定しているのは、法律で一定規模以上の事業場に選任が義務づけられているからです。根拠は労働安全衛生法と同施行令、労働安全衛生規則にあります。
| 決まり | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 選任が必要な事業場 | 常時50人以上の労働者を使用する事業場 | 労働安全衛生法第12条、同法施行令第4条 |
| 選任の期限 | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 | 労働安全衛生規則第7条 |
| 専属であること | その事業場に専属の者を選任する(一定の例外あり) | 労働安全衛生規則第7条 |
| 免許の種類 | 下の表の業種は第一種(または衛生工学衛生管理者)の免許が必要。それ以外の業種は第一種・第二種のどちらでもよい | 労働安全衛生規則第7条 |
| 選任する人数 | 事業場の規模ごとに決まっている(下の表) | 労働安全衛生規則第7条 |
第一種の免許が必要な業種は、規則で次のように決められています。
- 農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)
- 電気業、ガス業、水道業、熱供給業
- 運送業、自動車整備業、機械修理業
- 医療業、清掃業
選任する人数は、事業場の常時使用する労働者数に応じて次のとおりです。
| 事業場の規模(常時使用する労働者数) | 衛生管理者の人数 |
|---|---|
| 50人以上200人以下 | 1人以上 |
| 200人を超え500人以下 | 2人以上 |
| 500人を超え1,000人以下 | 3人以上 |
| 1,000人を超え2,000人以下 | 4人以上 |
| 2,000人を超え3,000人以下 | 5人以上 |
| 3,000人を超える場合 | 6人以上 |
常時1,000人を超える労働者を使う事業場などでは、衛生管理者のうち少なくとも1人を「専任」にする決まりもあります。また、衛生委員会の委員には、衛生管理者のうちから事業者が指名した人が入ります(労働安全衛生法第18条)。
この表から分かるのは、50人以上の事業場なら、どの業種でも最低1人は衛生管理者が必要だということです。会社側は、免許を持つ人を常に確保しておく必要があります。そのため、有資格者は評価されやすいと考えられますが、実際の採用で資格がどれだけ重く見られるかは会社によって違うので、一律には言えません。
衛生管理者の仕事の中身|法律で決まっていること
衛生管理者は、事業場の衛生に関する技術的な事項を管理する役目です。肩書きだけの資格ではなく、法律や規則で次のような動きが決められています。試験の「関係法令」でも出る内容なので、仕事のイメージと試験勉強をつなげるつもりで読んでください。
| 場面 | 決まり(労働安全衛生規則などの内容) | 衛生管理者の関わり方 |
|---|---|---|
| 職場の巡視 | 衛生管理者は、少なくとも毎週1回、作業場等を巡視し、設備や作業方法、衛生状態に有害のおそれがあれば、直ちに必要な措置を講じる(規則第11条) | 週1回の巡視が基本の業務。気づいた点を事業者に伝え、改善につなげる |
| 衛生委員会 | 衛生委員会などは毎月1回以上開催する(規則第23条)。委員には衛生管理者のうちから事業者が指名した人が入る(労働安全衛生法第18条) | 議題の準備や議事の記録など、運営を支える立場になる |
| 定期健康診断 | 常時使用する労働者に、1年以内ごとに1回、医師による健康診断を行う(規則第44条) | 実施の手配、結果の管理、受診していない人への連絡などで関わる |
| 長時間労働者への対応 | 1週40時間を超えた時間が1か月あたり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者から申出があったとき、事業者が医師による面接指導を行う要件(規則第52条の2) | 労働時間の把握や、対象者への通知・面接指導の手配の事務で関わる |
| 産業医との連携 | 常時50人以上の事業場では産業医を選任する(労働安全衛生法施行令第5条) | 産業医と事業者・従業員の橋渡しをする役目になりやすい |
表のとおり、仕事の中心は事務的な管理と現場の見回りです。医療行為や診断をするわけではありません。そのため、医療の資格がなくても、総務・人事・現場管理の経験者が担えるのです。逆に言うと、法律のルールを正確に理解し、期限や手続きを漏らさず進める力が求められます。
事務のきめ細かさを活かしたい人には向きますが、「資格を取れば楽になる」というものではありません。週1回の巡視や毎月の委員会といった、決まった作業が続く仕事だと考えてください。
転職でどう活きる?向いている職場と仕事
衛生管理者の免許を活かせる主な場面を、職場のタイプ別にまとめます。
| 職場のタイプ | 主な仕事 | 必要な免許の目安 |
|---|---|---|
| 製造業の工場 | 作業環境の管理、安全衛生パトロール、健康診断の手配、労災の対応の補助 | 第一種(製造業は第一種が必要な業種) |
| 建設・運送・医療・清掃などの会社 | 現場の安全衛生の管理、従業員の健康管理の窓口 | 第一種 |
| 事務所中心の会社(情報通信、金融・保険、卸売・小売など) | 総務・人事での健康管理、衛生委員会の運営 | 第二種でも足りる場合が多い |
| 総務・人事の部署全般 | 労務管理、健康診断、ストレスチェックの運用(実施の決まりは事業場の規模などで異なる) | 第一種または第二種 |
衛生管理者の仕事は、単独の職種というより、総務・人事・労務、あるいは工場の管理部門の仕事の一部として担うことが多い資格です。そのため、資格だけで採用が決まるのではなく、「総務や人事、現場管理の仕事に就いたうえで、資格が評価の加点になる」と考えると現実に近くなります。
総務・人事への入り方は総務への転職が難しい理由と突破口、未経験から人事・採用担当に転職する完全ガイドが参考になります。バックオフィス全体の違いはバックオフィスの仕事内容と年収の比較にまとめています。
ほかの資格も比べたいときは、ITパスポートの難易度の記事で合格率や勉強時間を確認できます。
求人データで見る、衛生管理者に関わる仕事の探し方
Re:WORKの公開求人(2026年10月17日時点・13,784件)から、衛生管理者に関わりの深い区分を見ます。求人データには、資格名で絞れる項目がありません。そのため「衛生管理者を募集条件にしている求人」の件数は数えていません。代わりに、関連する区分と、資格取得支援の有無で見ます。
| 見る区分 | 求人数 | うち未経験歓迎 | うち資格取得支援制度・資格手当あり |
|---|---|---|---|
| 人事・総務・労務・法務(求人の職種名) | 43件 | 19件 | 20件 |
| 事務・管理の区分 | 558件 | ― | 115件 |
| 製造・技能工・設備保全の区分 | 2,456件 | ― | 706件 |
数字を読むときの注意点が2つあります。
- 職種名に「人事・総務・労務・法務」を含む求人は43件と少なめです。募集が出る数そのものが多くない職種と考えて、見つけたら早めに動くのがおすすめです
- 製造・技能工・設備保全の区分は、上位の会社に偏っています。上位3社で全体の約半数(1,221件)を占め、会社名が分かる求人のうち1社だけで約3割(699件)あります。さらに未経験歓迎に絞ると1,396件のうち1社で37%になるため、ここでは未経験歓迎の件数は使っていません
- 事務・管理の区分558件も、会社名が分かる求人のうち1社で約3割(33%)を占めています。件数の多さをそのまま「求人が多い」とは読まないでください
資格取得支援制度・資格手当がある求人は、製造の区分で706件ありますが、そのうち上位1社が16%を占めます。資格の補助が衛生管理者に当たるかは、求人票だけでは分かりません。気になる求人では、「入社後に取れる資格は何か」「受験費用の補助はあるか」を面接で聞いてみてください。
未経験歓迎の求人を直接探したいときは、製造・技能工・設備保全の未経験歓迎求人や事務・管理の未経験歓迎求人から見られます。製造業への入り方は未経験から製造業に転職できるかで、工場の仕事は未経験から工場勤務はきついのかで書いています。
勉強の進め方|受験資格を満たす前にできること
受験資格を満たすまで試験は受けられませんが、勉強は先に始められます。実務経験を積みながら少しずつ進めると、受験の年に慌てずに済みます。勉強時間の目安は協会が示していないため、ここでは考え方だけ書きます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 入社して半年ほど | 仕事で出てくる用語(健康診断、衛生委員会、作業環境測定など)を、テキストで意味まで確認する |
| 受験資格を満たす1年ほど前 | テキストを一通り読み、労働生理(人体の仕組み)のような苦手になりやすい科目から始める |
| 受験の3〜4か月前 | 過去の試験問題を繰り返し解き、間違えた分野を戻って確認する |
| 受験直前 | 各科目の足切り(40%)を割らないよう、点の取りにくい科目を重点的に見直す |
合格しても、免許証は自動的には手元に届きません。協会のよくある質問によると、免許申請書は都道府県労働局・労働基準監督署、各安全衛生技術センターで入手でき、免許証の発行は東京労働局免許証発行センターで行っています。合格後に免許申請をする流れだと覚えておいてください。
資格を取ると、会社によっては資格手当や昇進の条件になることがあります。ただし、金額や扱いは会社ごとに異なり、公的な統計で「平均いくら」とは示されていません。気になる場合は、応募先の求人票や面接で確認してください。
試験当日の時間配分と、科目別の対策の考え方
試験時間はどちらも3時間です。出題数で割ると、1問あたりに使える時間の目安は次のようになります。
| 試験 | 出題数 | 1問あたりの目安 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 第一種 | 44問 | 約4分 | 見直しの時間を30分ほど残すと、1問あたり約3分半。計算や組み合わせ問題に時間を割ける |
| 第二種 | 30問 | 約6分 | 時間にはゆとりがある。ケアレスミスの見直しに回す |
時間は足りる試験なので、失点の多くは時間切れではなく知識の抜けと読み違いから生まれます。科目別の対策は次の考え方が基本です。
| 科目 | 対策の考え方 |
|---|---|
| 関係法令 | 選任の人数や期限、検査の頻度など、数字を表にして覚える。「毎週1回」「毎月1回以上」「1年以内ごとに1回」のように、似た数字を混同しないよう整理する |
| 労働衛生 | 作業環境、健康診断、メンタルヘルスなどのテーマごとに、過去問題で出るポイントを確認する。有害業務の分野(第一種のみ)は、用語の意味を取りこぼさないようにする |
| 労働生理 | 人体の仕組みを、臓器ごとに「何をするか」で覚える。10問のうち4問以上は正解しないと足切りになるので、確実に取れる分野を作る |
労働生理は10問・100点のため、1問10点です。足切りの40%は4問正解にあたります。勉強量が足りないと感じても、各科目で最低4問は取れる状態を先に作っておくと、合計60%の達成に集中できます。
受験できる時期の目安(学歴ごとの最短ルート)
入社後、最短でいつ受験できるかを整理します。実務の起算や証明の扱いは協会の判断になるので、あくまで考え方としての目安です。
| 学歴 | 必要な実務経験 | 入社から受験できるまでの目安 |
|---|---|---|
| 大学・短大・高専卒 | 1年以上 | 労働衛生の実務に就いて約1年後。受験の申込時点で満たしていることを確認する |
| 高校卒 | 3年以上 | 労働衛生の実務に就いて約3年後 |
| 学歴の要件なし | 10年以上 | 労働衛生の実務に就いて約10年後 |
高卒の方は、受験できるまで3年あります。その間に現場や管理部門で実績を積めば、資格を取る頃には、業務のイメージができあがっています。高卒で就職しやすい仕事の探し方は既卒・高卒・中卒でも就職できる転職エージェントと求人の探し方にまとめました。
未経験から衛生管理者を目指す人が、応募前に確認したい5つの点
- 応募先の従業員数:常時50人以上の事業場でなければ、衛生管理者の選任義務の対象になりません。事業場の規模が小さい会社では、衛生管理者の仕事が発生しない場合があります
- 業種:第一種が必要な業種か、第二種でよい業種かを確認する。製造・建設・運送・医療などは第一種が必要
- 担当業務:総務や人事の仕事の中に、健康診断や労働衛生に関わる業務が含まれているか
- 資格取得支援:受験費用の補助や、試験日の休暇の扱いがあるか
- 実務の証明:事業者証明書を発行してもらえるか。将来転職するときの手続きも想像しておく
未経験歓迎の求人でも、応募する時点では資格を問わない会社が多くあります。まずは「総務・人事・工場の管理部門」に入ることを第一の目標にして、衛生管理者の免許は入社後のステップアップとして考えると、転職活動が前に進みます。
面接で衛生管理者について聞かれたときの答え方
まだ資格を持っていない段階の面接では、「資格がない」ことより「どう関わりたいか」が見られます。次の2つの例を参考に、自分の経験に合わせて言い換えてください。
| 聞かれ方 | 答えの組み立て |
|---|---|
| 衛生管理者に興味はありますか | 興味がある理由(職場の安全や健康を支える仕事に関わりたい)、受験には実務経験が必要だと理解していること、入社後に実務を経験して受験を目指したいこと、の順に話す |
| これまでの経験で活かせることは | 健康診断の日程調整、勤怠の確認、職場の安全や衛生に気を配った経験を具体的に挙げる。清掃や備品の管理は労働衛生の実務には当たらない場合があるが、職場環境を整えた経験として話すのは差し支えない。実務に当たるかは協会の判断なので、断定はしない |
面接全般の準備は志望動機の答え方も参考にしてください。
よくある質問
Q. 衛生管理者は独学で合格できますか?
独学で合格を目指す人は多くいます。出題は選択式で、協会のサイトに過去の試験問題が公開されているため、過去問題を繰り返し解く勉強法が取られます。受験者の約半数は不合格になっているので、科目ごとの足切り(40%)を意識して、苦手科目をつくらないことが大切です。
Q. 第一種と第二種、両方持っていると有利ですか?
第一種は、すべての業種の事業場で衛生管理者になれる免許です。第一種を持っていれば、第二種で務められる職場も含まれるため、基本的には第一種が上位の免許です。第二種を先に取り、のちに「特例第一種」で有害業務に関する科目だけを受ける道もあります。
Q. 文系でも合格できますか?
受験資格に専攻の条件はありません。ただし、労働生理は人体の仕組みを扱うため、理科になじみが少ないと暗記量が多く感じられやすい科目です。この科目だけでも足切りがあるので、早めに取りかかるのがおすすめです。
Q. 50人未満の会社でも、衛生管理者の免許は役に立ちますか?
衛生管理者の選任義務は、常時50人以上の事業場が対象です。50人未満の会社には、この選任義務はありません。ただし、労働衛生の知識は日々の職場管理に役立ち、将来より大きな会社へ転職するときの材料にもなります。
Q. 資格があれば、すぐに転職で有利になりますか?
資格だけで採用が決まるわけではありません。総務・人事・工場の管理部門などで、実務経験と合わせて評価される場面が多い資格です。資格がない未経験の方が応募できる求人も多くあります。
Q. 試験の日程や手数料は、どこで確認できますか?
安全衛生技術試験協会のサイトで、試験日程、手数料、受験資格、申込方法を確認できます。手数料や制度は改定されることがあるので、申し込み前に最新の案内を見てください。
まとめ|衛生管理者は「実務に就いてから取る」資格
- 令和7年度の合格率は、第一種が46.8%、第二種が48.7%。どちらも約2人に1人が合格する水準です
- 合格基準は、科目ごとに40%以上かつ合計60%以上。1科目でも足切りを下回ると不合格です
- 受験には学歴に応じた労働衛生の実務経験が必要(大卒など1年以上、高卒3年以上、学歴の要件なしは10年以上)。未経験の人は実務に就いてから受験します
- 常時50人以上の事業場では選任が義務づけられており、製造・建設・運送・医療などは第一種が必要です
- 活きる場面は総務・人事・工場の管理部門が中心。資格だけでなく実務とセットで評価されます
- 求人は特定の会社に偏りやすいので、件数だけでなく、入社後に資格を取れる環境かを面接で確かめましょう
Re:WORKは、未経験からの転職に特化した転職エージェントです。総務・人事や工場の管理部門を目指したい、将来衛生管理者の資格も視野に入れたいなど、まだ方向が固まっていない段階でも、無料の転職相談で一緒に整理できます。求人紹介や書類・面接の相談も、求職者は無料で利用できます。
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