個人営業と法人営業の違い|未経験ならどっち?仕事内容・給料・向いている人

個人営業と法人営業のいちばん大きな違いは「売る相手」です。個人営業は一般のお客様に、法人営業は企業や団体に商品やサービスを提案します。求人データで比べると、個人営業は未経験歓迎とインセンティブありの求人が多く、法人営業は土日祝休みの求人が多いという違いがはっきり出ています。未経験からどちらを選ぶかは、「成果を早く収入に結びつけたいか」「休日や働き方の安定を優先したいか」で考えると決めやすくなります。
この記事では、個人営業と法人営業の仕事内容の違い、求人データで見る給料・休日・働き方の比較、商材ごとの具体例、知っておきたい法律と資格、向いている人の特徴、未経験からの選び方と志望動機の例文をまとめます。
Re:WORKの求人データ(2026年10月17日時点・公開求人13,784件)
- 個人営業の求人 1,799件、うち未経験歓迎 1,529件(85%)
- 法人営業の求人 1,242件、うち未経験歓迎 868件(70%)
- 土日祝休みの求人は個人営業 201件(11%)、法人営業 722件(58%)
個人営業と法人営業の違いは「売る相手」|まず全体像を比べる
営業職は、売る相手によって個人営業(BtoC)と法人営業(BtoB)に分かれます。BtoCは「Business to Consumer」、BtoBは「Business to Business」の略で、求人票や会社説明でもよく使われる言葉です。
| 項目 | 個人営業(BtoC) | 法人営業(BtoB) |
|---|---|---|
| 売る相手 | 一般のお客様(個人・家族) | 企業・団体・店舗など |
| 決める人 | お客様本人や家族 | 担当者、上司、決裁者など複数の人 |
| 決めるまでの時間 | その場や数日で決まることもある | 社内の検討や稟議があり、数週間〜数か月かかることもある |
| 買う理由 | 暮らしを良くしたい、安心したいなど、気持ちの面も大きい | コストを下げたい、売上を伸ばしたいなど、会社の課題の解決 |
| 1件の金額 | 商材によって幅が大きい | 継続的な取引や大口の契約になることもある |
| 主な商材の例 | 住宅、不動産、保険、自動車、通信回線、リフォーム、教育サービス | 機械・部品、IT・システム、広告、人材サービス、オフィス用品、建材 |
どちらも「相手の困りごとを聞いて、解決できる商品やサービスを提案する」という営業の基本は同じです。違いは、相手が一人の生活者か、組織の担当者かという点にあり、そこから商談の進め方や働き方の違いが生まれます。営業職の種類をもっと広く知りたい人は、営業職の種類一覧も参考にしてください。
仕事内容の違い|1件の商談の流れで比べる
個人営業と法人営業では、お客様と出会ってから契約するまでの流れが違います。代表的な流れを並べてみると、それぞれの仕事のイメージがつかみやすくなります。
| 段階 | 個人営業の例 | 法人営業の例 |
|---|---|---|
| お客様と出会う | 来店・問い合わせ・展示場への来場、紹介、反響(資料請求など) | 既存の取引先、問い合わせ、テレアポ、展示会、紹介 |
| 話を聞く | 家族構成、予算、困っていること、希望の時期を聞く | 会社の課題、今使っているサービス、予算、導入の時期、決め方を聞く |
| 提案する | お客様に合うプランや商品を、その場や後日に提案 | 提案書や見積書を作り、担当者や決裁者に向けて説明 |
| 検討してもらう | 家族で相談してもらい、不安な点に答える | 社内での検討、比較、稟議。追加の資料や打ち合わせが入る |
| 契約・その後 | 契約手続き、引き渡しや開始後のフォロー、紹介のお願い | 契約、導入の支援、定期的な訪問、追加の提案 |
個人営業の仕事の特徴
個人営業は、お客様の生活に直接関わる商品やサービスを扱うことが多く、お客様の気持ちに寄り添った提案が求められます。来店や問い合わせのあったお客様に対応する「反響営業」と、こちらから訪問や電話で案内する「新規開拓」があり、どちらが中心かで仕事の負担感がかなり変わります。お客様の休みに合わせて商談することが多いため、土日に働くことが多いのも特徴です。
法人営業の仕事の特徴
法人営業は、企業の担当者と長く付き合いながら取引を続ける仕事が中心です。新しい取引先を増やす「新規営業」と、今の取引先との関係を深める「既存営業(ルート営業)」があります。提案書や見積書の作成、社内の技術者や事務担当との調整など、デスクワークの割合も比較的大きくなります。相手の会社の営業日に合わせて動くため、土日祝が休みになりやすいのも特徴です。既存の取引先を回る働き方は、ルート営業の仕事内容を紹介した記事で詳しく紹介しています。
1週間の働き方の例で比べる|休みの曜日と仕事の中身
個人営業と法人営業では、1週間の時間の使い方も変わります。ここでは、住宅の個人営業(水曜・木曜休み)と、メーカーの法人営業(土日休み)を例に、よくある1週間の流れを並べてみます。会社や商材によって大きく違うので、イメージをつかむための例として見てください。
| 曜日 | 個人営業の例(住宅・水木休み) | 法人営業の例(メーカー・土日休み) |
|---|---|---|
| 月 | 週末に来場したお客様への連絡、資料の準備 | 週の予定の確認、取引先への訪問 |
| 火 | 打ち合わせ、プランの作成、社内の設計担当との相談 | 新規の見込み客への提案、見積書の作成 |
| 水 | 休み | 取引先への訪問、社内の技術担当との打ち合わせ |
| 木 | 休み | 提案書の作成、既存の取引先へのフォロー |
| 金 | 週末の商談に向けた準備、来場予約の確認 | 週の報告、翌週の訪問予定の調整 |
| 土 | 展示場での接客、家族で来場したお客様との商談 | 休み |
| 日 | 契約の打ち合わせ、見学会の案内 | 休み |
個人営業は、お客様が休みの日に商談が集中するため、土日が一番忙しくなりやすい働き方です。そのぶん平日に休みを取り、役所や病院、混雑しない時間の買い物などに時間を使えるという面もあります。法人営業は取引先の営業日に合わせて動くので、平日に仕事が集まり、週末は休みやすくなります。どちらの生活リズムが自分や家族に合うかも、選ぶときの大事な基準です。
求人データで比べる個人営業と法人営業|未経験歓迎・休日・働き方
公開求人のデータで、求人タイトルの職種区分に「個人営業」を含む求人は1,799件、「法人営業」を含む求人は1,242件あり、この2つは公開求人の中でも特に件数の多い区分です(2026年10月17日時点)。求人に付いている特徴を比べると、次のようになりました。
| 求人の特徴 | 個人営業(1,799件) | 法人営業(1,242件) |
|---|---|---|
| 未経験歓迎 | 1,529件(85%) | 868件(70%) |
| 第二新卒歓迎 | 1,248件(69%) | 887件(71%) |
| フリーターOK | 633件(35%) | 135件(11%) |
| インセンティブあり | 1,152件(64%) | 151件(12%) |
| 土日祝休み | 201件(11%) | 722件(58%) |
| 完全週休2日制 | 466件(26%) | 744件(60%) |
| シフト勤務 | 838件(47%) | 71件(6%) |
| 年間休日120日以上 | 898件(50%) | 652件(52%) |
| 残業20時間未満 | 801件(45%) | 285件(23%) |
| 在宅勤務・リモートワーク可 | 259件(14%) | 219件(18%) |
| 研修制度充実 | 1,080件(60%) | 794件(64%) |
| 資格取得支援制度・資格手当 | 620件(34%) | 683件(55%) |
| 退職金制度 | 510件(28%) | 648件(52%) |
(出典: Re:WORK公開求人・2026年10月17日時点。各職種区分の求人に設定された特徴タグの件数と割合)
この表から読み取れるポイントは次のとおりです。
- 個人営業は未経験歓迎・フリーターOKの割合が高く、職歴に自信がない人でも応募できる求人が多い
- 個人営業はインセンティブありが6割を超え、成果が給与に反映されやすい求人が多い
- 法人営業は土日祝休み・完全週休2日制が約6割で、カレンダーどおりに休める求人が多い
- 年間休日120日以上の割合はほぼ同じ。個人営業は平日休みのシフト制で休日数を確保している求人も多いと考えられる
- 法人営業は資格取得支援や退職金制度の割合が高い
勤務地の傾向
都道府県別に見ると、個人営業は東京都273件、神奈川県157件、愛知県148件、埼玉県113件、大阪府107件の順に多く、法人営業は東京都247件、愛知県95件、大阪府77件、埼玉県59件、北海道56件の順でした(2026年10月17日時点。1件の求人に複数の勤務地がある場合はそれぞれで数えています)。どちらも大都市圏に多い一方で、長野県(個人営業61件・法人営業43件)や静岡県(47件・45件)、新潟県(37件・40件)など、地方にも一定の求人があります。
雇用形態を見ると、正社員の求人は個人営業が1,669件(93%)、法人営業が1,109件(89%)でした。法人営業では契約社員の求人が83件(7%)あり、個人営業の22件(1%)より多くなっています。応募の際は雇用形態も確認しておきましょう。
給料の違い|月給の幅とインセンティブの考え方
給与が月給で書かれている求人について、月給の幅を集計すると次のようになりました。
| 項目 | 個人営業 | 法人営業 |
|---|---|---|
| 月給の下限の中央値 | 250,000円 | 240,000円 |
| 月給の下限の25%点 | 229,920円 | 220,000円 |
| 月給の下限の75%点 | 263,000円 | 270,000円 |
| 月給の上限の中央値 | 307,000円 | 350,000円 |
| 集計した求人数 | 1,738件 | 1,163件 |
(出典: Re:WORK公開求人・2026年10月17日時点。給与の単位が月給の求人のみ。下限・上限は求人票の給与欄の幅)
月給の下限は個人営業のほうがやや高く、上限は法人営業のほうが高いという結果でした。未経験歓迎の求人だけで見ても、個人営業は下限の中央値が250,000円、法人営業は240,000円・上限の中央値は350,000円で、同じ傾向です。
個人営業はインセンティブで収入が変わりやすい
個人営業はインセンティブありの求人が64%を占めるため、月給の欄に書かれた金額に加えて、成果に応じた報酬が上乗せされる形が多くなります。成果を出せば早くから収入を伸ばせる一方で、成果が出ない月は月給の金額に近い収入になる、という振れ幅があります。求人票を見るときは、インセンティブの計算の仕方や、入社1年目の人の平均的な実績を面接で聞いておくと、収入のイメージが具体的になります。
法人営業は経験や役割に応じて月給の幅が広い
法人営業は月給の上限の中央値が350,000円と高く、給与欄の幅が広い求人が多い傾向があります。入社時の金額がどこになるかは求人ごとに確かめる必要があり、未経験の場合は下限に近い金額からのスタートを想定しておくと安心です。インセンティブありの求人は12%と少ないので、賞与や昇給の仕組みは求人票と面接で確かめてください。
求人票で確認したい給与の項目
- 月給に固定残業代(みなし残業代)が含まれているか、何時間分か
- インセンティブの計算方法(契約1件ごと・売上の何%かなど)と支払いの時期
- 賞与の有無と、個人の成績・会社の業績のどちらで決まるか
- 営業手当、車両手当、携帯電話の支給など、営業職ならではの手当
- 試用期間中の給与と、インセンティブの対象になる時期
営業職の収入の考え方全般は、未経験の営業職の年収の目安でも整理しています。
商材別に見る個人営業・法人営業の例|未経験から入りやすいのは?
同じ個人営業・法人営業でも、扱う商材によって仕事の中身はかなり違います。代表的な商材ごとに特徴をまとめました。
| 区分 | 商材の例 | 仕事の特徴 | 未経験から見たポイント |
|---|---|---|---|
| 個人営業 | 住宅・不動産 | 金額が大きく、検討期間が長い。土日の商談が中心 | 成果が収入に反映されやすい。資格を取ると仕事の幅が広がる |
| 個人営業 | 保険 | 生活設計に合わせた提案。長く付き合う関係になりやすい | 保険の募集には登録が必要。入社後の準備の流れを確認したい |
| 個人営業 | 自動車・通信・家電 | 店舗での接客営業が多い。来店したお客様への提案が中心 | 接客や販売の経験を活かしやすい |
| 個人営業 | リフォーム・住宅設備 | 訪問や反響への対応。現場の職人との調整もある | 暮らしの困りごとを解決する実感を持ちやすい |
| 法人営業 | 機械・部品・建材(メーカー・商社) | 既存の取引先との関係づくりが中心。専門知識を少しずつ覚える | ルート営業から始められる求人もある |
| 法人営業 | IT・システム | 課題を聞いてシステムやサービスを提案。技術者と一緒に動く | ITの知識が身につき、将来の選択肢が広がる |
| 法人営業 | 広告・人材サービス | 新規開拓が多い。企業の採用や集客の課題に向き合う | スピード感があり、提案の経験を積みやすい |
未経験から商材を選ぶときは、「自分がお金を払ったことのある商品か」「興味を持って調べ続けられるか」の2つで考えると選びやすくなります。自分が使ったことのある商品やサービスなら、お客様の立場で考えやすく、最初の提案の言葉も見つけやすいからです。反対に、まったく知らない分野でも、仕組みを覚えること自体を楽しめるなら、ITや機械などの法人営業で専門性を身につけていく道も向いています。
商材ごとの詳しい仕事内容は、不動産営業に未経験から転職する方法や、IT営業は未経験でも転職できるかをまとめた記事で紹介しています。
知っておきたい法律と資格|訪問販売・電話勧誘販売のルールと保険・不動産の資格
個人営業と法人営業では、関わる法律にも違いがあります。個人営業のうち、お客様の自宅を訪ねる訪問販売や電話で勧誘する電話勧誘販売にあたる仕事では、一般のお客様を守るための特定商取引法のルールが関わります。店舗に来たお客様に販売する来店型の営業は、多くの場合、訪問販売にはあたりません。
個人への訪問販売・電話勧誘販売には特定商取引法のルールがある
個人のお客様の自宅などを訪ねて契約を勧める訪問販売や、電話で契約を勧める電話勧誘販売には、特定商取引法のルールがあります。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第3条の2 | 訪問販売をするときは、相手に勧誘を受ける意思があるか確認するよう努める。契約しない意思を示した人には勧誘してはならない |
| 第9条 | 訪問販売では、一定の書面を受け取った日から8日を経過するまで、申込みの撤回や契約の解除(いわゆるクーリング・オフ)ができる |
| 第26条第1項第1号 | 申込みをした人や購入者が「営業のために若しくは営業として」締結する契約には、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の規定を適用しない |
第26条の決まりがあるため、企業が事業のために結ぶ契約には、訪問販売のクーリング・オフなどのルールが原則として当てはまりません。法人営業では、こうした消費者保護のルールの代わりに、契約書の内容を企業同士で確認しながら取引を進めることになります。個人営業は、法律に沿った説明や手続きを正しく行うことがお客様の信頼につながる仕事だと言えます。
商材によっては資格や登録が必要になる
- 保険: 保険業法第276条により、生命保険募集人などは内閣総理大臣の登録を受ける必要がある。第275条で、登録を受けた人などでなければ保険募集を行えないとされている
- 不動産: 宅地建物取引業法第31条の3により、宅地建物取引業者は事務所ごとに一定数の専任の宅地建物取引士を置く必要がある。営業職が宅建士の資格を取ると、重要事項の説明など任される仕事が広がる
- 法人営業: 必須の資格は少ないが、IT系なら基本的な情報技術の知識、メーカー・商社なら扱う製品の知識が求められる。求人の55%に資格取得支援制度・資格手当がある
保険や不動産の個人営業に応募するときは、入社後に登録や資格の準備をどう進めるのか、研修や費用の支援があるかを求人票や面接で確認しておくと安心です。
向いている人の違い|個人営業・法人営業のタイプ別チェックリスト
どちらが向いているかは、性格よりも「どんな場面でやりがいを感じるか」で考えるとわかりやすくなります。当てはまる項目が多いほうを目安にしてください。
| 個人営業に向いている人 | 法人営業に向いている人 |
|---|---|
| お客様から直接「ありがとう」と言われるとうれしい | 会社の課題を一緒に考え、解決していく過程が好き |
| 相手の気持ちをくみ取って話すのが得意 | 資料や数字を使って、筋道立てて説明するのが得意 |
| 成果をすぐに収入に結びつけたい | 安定した収入で、長く経験を積み上げたい |
| 平日休みでもかまわない、むしろ平日に休みたい | 土日祝日に休みたい |
| 短い期間で結果が出る仕事が好き | 時間をかけて信頼関係をつくる仕事が好き |
| 初対面の人とすぐに打ち解けられる | 同じ相手と長く付き合うのが得意 |
どちらにも共通して求められる力
個人営業と法人営業は違いが目立ちますが、どちらでも評価されやすい力は共通しています。
- 相手の話を最後まで聞き、本当に困っていることをつかむ力
- 約束した日時や連絡を守る、基本的な信頼の積み重ね
- 断られても気持ちを切り替えて、次の行動に移る力
- うまくいった商談・いかなかった商談をふり返り、やり方を変えていく力
未経験の面接では、営業の経験そのものより、こうした力をこれまでの仕事や生活のどんな場面で発揮してきたかが見られやすいです。アルバイトや接客、事務の仕事の中から、具体的なエピソードを1つずつ用意しておくと安心です。
営業職全体に向いているか迷っている人は、未経験向け営業求人の見極め方で、求人選びのチェックポイントもあわせて確認しておくと安心です。
未経験ならどっち?優先したいことで選ぶ判断の基準
未経験から個人営業と法人営業のどちらを選ぶかは、何を優先したいかで決めるのが現実的です。次の表で、自分がいちばん大事にしたいことを選んでみてください。
| 優先したいこと | 選びやすいのは | 理由(求人データ・2026年10月17日時点) |
|---|---|---|
| 未経験・職歴に自信がなくても応募したい | 個人営業 | 未経験歓迎85%、フリーターOK35% |
| 成果を早く収入に反映させたい | 個人営業 | インセンティブあり64% |
| 土日祝に休みたい | 法人営業 | 土日祝休み58%(個人営業は11%) |
| 残業を少なくしたい | 個人営業の一部 | 残業20時間未満は個人営業45%、法人営業23% |
| 資格を取りながら長く働きたい | 法人営業 | 資格取得支援55%、退職金制度52% |
| 在宅勤務も取り入れたい | どちらも少数 | 在宅勤務可は個人営業14%、法人営業18% |
個人営業から法人営業へ、という順番もある
最初に個人営業で経験を積み、のちに法人営業に移るキャリアもあります。個人営業で身につく、話を聞く力、提案の組み立て、断られても切り替える力は、法人営業でもそのまま使えます。反対に、法人営業で身につく提案書の作成や数字を使った説明は、個人営業の中でも高額な商材を扱うときに役立ちます。どちらを選んでも、営業として積んだ経験は次の選択肢につながります。
迷ったときは、両方に応募して面接で比べる
表を見ても決めきれないときは、個人営業と法人営業の両方に応募し、面接で実際の働き方を聞いて比べるのも1つの方法です。面接は、会社が応募者を見る場であると同時に、応募者が仕事の中身を確かめられる場でもあります。比べるときは、次の3点を同じ質問で聞いておくと違いがはっきりします。
- 入社1年目の1週間の過ごし方(商談・社内作業・移動の割合)
- 目標の決め方と、達成したとき・届かなかったときの評価
- 休日の取り方と、繁忙期の働き方
同じ質問への答えを並べると、自分がどちらの働き方に納得できるかが見えてきます。
営業職を選ぶときの不安やリスクについては、営業はやめとけと言われる理由と未経験から成功する方法も参考にしてください。
志望動機と面接での伝え方|個人営業・法人営業別の例文
個人営業と法人営業では、面接で伝えたいポイントが少し違います。個人営業では「お客様に寄り添う姿勢」と「成果への意欲」、法人営業では「相手の課題を考える姿勢」と「長く関係を築く力」を前に出すと、志望動機の筋が通りやすくなります。
例文1: 個人営業を志望する場合(接客業から)
「携帯ショップで3年間接客をしてきて、お客様の使い方を聞いてプランを提案し、喜んでいただけたときにやりがいを感じてきました。もっと一人ひとりのお客様と深く関わり、自分の提案の成果がはっきり見える仕事に挑戦したいと考え、住宅の個人営業を志望しています。成果が評価に結びつく御社の制度のもとで、早く一人前になりたいと考えています。」
例文2: 法人営業を志望する場合(事務職から)
「これまで営業事務として、見積書の作成や納期の調整を担当してきました。営業担当の方が取引先の課題を聞き、提案を重ねて契約につなげる姿を近くで見て、自分も企業の課題を解決する側に立ちたいと思うようになりました。事務で身につけた正確さと社内調整の経験を活かし、取引先と長く信頼関係を築ける法人営業として働きたいと考えています。」
例文3: 営業未経験で、どちらにも応募している場合
「人と話して相手の困りごとを聞くことが好きで、その強みを活かせる仕事として営業職を志望しています。個人のお客様に向けた営業も、企業に向けた営業も、相手の話を聞いて解決策を考えるという点は共通していると考えています。まずは研修の整った環境で営業の基本を身につけ、成果で信頼される営業担当になりたいです。」
面接で聞かれやすい質問と答え方は、営業職の面接でよく聞かれる質問と回答例にまとめています。
よくある質問
Q. 未経験なら、個人営業と法人営業のどちらが採用されやすいですか?
求人データで見ると、未経験歓迎の求人は個人営業が1,529件(85%)、法人営業が868件(70%)で、個人営業のほうが数・割合とも多い結果でした(2026年10月17日時点)。法人営業でも未経験歓迎の求人は多いので、どちらかに絞らず、働き方の希望に合わせて両方を見るのがおすすめです。
Q. 個人営業はノルマがきついと聞きますが、本当ですか?
個人営業はインセンティブありの求人が多く、成果が数字で見えやすい仕事です。目標の決め方や、達成できなかったときの評価は会社によって大きく違います。面接で「目標はどのように決まりますか」「1年目の方はどのくらいの実績を出していますか」と聞くと、実態がつかみやすくなります。
Q. 法人営業は専門知識がないと難しいですか?
入社時に専門知識が求められるとは限りません。法人営業の求人の64%に「研修制度充実」、55%に「資格取得支援制度・資格手当」の特徴が付いており(2026年10月17日時点)、入社後に知識を身につけていく前提の求人も多く見られます。扱う製品やサービスへの興味を持てるかどうかが大切です。
Q. 個人営業から法人営業へ転職することはできますか?
できます。個人営業で身につけた話を聞く力や提案の経験は、法人営業でも活かせます。転職の際は、扱った商材、担当したお客様の数、成果の数字、工夫したことを整理して伝えると、営業としての経験が伝わりやすくなります。
Q. 女性が働きやすいのはどちらですか?
「女性活躍」の特徴が付いた求人は、個人営業で1,068件(59%)、法人営業で482件(39%)でした。一方、「産休・育休取得実績あり」は個人営業943件(52%)、法人営業838件(67%)です(2026年10月17日時点)。どちらが働きやすいかは会社によるので、休日の取り方や子育て中の社員の働き方を、面接で具体的に聞いてみてください。
Q. 土日休みの個人営業はありますか?
あります。個人営業の求人1,799件のうち、土日祝休みの求人は201件でした(2026年10月17日時点)。数は限られるので、土日休みを最優先にするなら法人営業も含めて探すと、選べる求人が大きく増えます。
Q. 求人票で「反響営業」と「新規開拓」はどう見分けますか?
求人票の仕事内容に「来店されたお客様への対応」「問い合わせのあったお客様へのご提案」とあれば反響営業、「新規顧客の開拓」「テレアポ」「訪問」とあれば新規開拓が中心と読み取れます。両方が書かれている場合も多いので、面接で「お客様との最初の接点はどこが多いですか」と聞くと、実際の割合がわかります。
まとめ|個人営業は成果、法人営業は休日と安定で選ぶ
- 個人営業と法人営業の違いは売る相手。個人営業は一般のお客様、法人営業は企業・団体に提案する
- 個人営業は未経験歓迎85%・インセンティブあり64%で、成果が収入に反映されやすい求人が多い
- 法人営業は土日祝休み58%・完全週休2日制60%で、カレンダーどおりに休める求人が多い
- 月給の下限の中央値は個人営業250,000円、法人営業240,000円。上限の中央値は法人営業が350,000円と高い(2026年10月17日時点)
- 個人営業のうち訪問販売や電話勧誘販売にあたる仕事では特定商取引法のルールが関わり、保険や不動産では登録や資格が関わる
- どちらで積んだ経験も、のちにもう一方へ移るときに活かせる
Re:WORKは未経験からの転職に特化した転職エージェントで、求職者の利用は無料です。オンライン面談で全国から相談でき、個人営業と法人営業のどちらが自分に合うか、商材や休日、インセンティブの仕組みまで比べながら一緒に整理します。応募は平均10〜15社ほどで、まだ営業に決めきれていない段階の相談もできます。
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